見出し画像

悔しかったなぁ

中学2年の時の予餞会で、うちのクラスでは創作劇をする事になった。
出し物を何にするかという話し合いの中で、当時爆発的な人気番組の「8時だョ!全員集合」をお手本にした創作劇をやったらどうだろうと言う事になったのだ。
内容についていろいろな案が出たが、当時歴史の授業で百姓一揆について勉強していたことから、一揆を題材として喜劇にしてみたらどうだろうということになり、大まかな内容が決まった。
創作劇のタイトルは「よだれ一揆」。よだれ村で起きた一揆という設定なのだが、何故よだれ村になったのかは覚えていない。おそらくはウケ狙いだったのだろうが。
内容は決まったものの、誰か脚本を書く人を決めた方が良いんじゃないかという話になった。どういう経緯でそうなったのか、これまた覚えていないのだが、結局俺が脚本を書く事になった。
俺は別に頭が良いわけでもないし、自分が自分がと全面に出ていくような性格ではないのだが、他にやるやつがいない時に引っ張り出される便利人間だったのかもしれない。思い起こせばあれもやったし、これもやった。そういえばあんなことも、、、それについてはいずれ機会があれば。
ともあれ「8時だよ!全員集合」のパクリをふんだんに取り入れなんとか脚本を書き上げた。
本番の予餞会では客席に笑いの渦が出来るほどに(全員集合のおかげだろう。笑笑、、、)まぁまぁな出来に仕上がったのだから良しとしましょう。
しかし、悔しい出来事はその後に起きたんだ。
予餞会が終わって最初の歴史の授業の時だった。歴史のT先生は教室に入り教壇に立つとニコニコしながら「よだれ一揆面白かったなぁ。脚本はS子書いたのか?」となんの確認もしないまま成績の良い女子の名前を言った。S子は当然ながら「違います」って言うと、T先生はすぐさま「ん、じゃN子か?」とこちらも成績の良い女子の名前を言った。
そうきましたか。
N子は「K(俺)が書いたんです」と俺が書いた事を言ってくれた。するとだ、T先生はものすごく意外そうな顔をしながら小さく「ふぅーん」と言うとそのまま授業を始めたのだ。
ちくしょう! まぁそりゃあね。どっちかというと歴史は苦手で成績もごく普通な俺だからね、意外なのはよく分かるよ。悔しいっちゃ悔しいけど、でも先生が面白かったって言うくらいの内容だったってことだからね。T先生よ、どうだ! って胸張ってもいいかな。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?