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【アメリカのコロナ事情Vol.10】     NYT紙、子どもの入院、水増し83万7千

子どものワクチン接種に関するアメリカでの議論

調べものをしていたら、2021年10月12日付けワシントンポスト誌でたまたま見かけた記事です。ん? こんなわかりきったこと、今更ニュースになる?

新型コロナと年齢ーーワクチン未接種の子どもは、ワクチン接種を受けた70歳よりも新型コロナの重症化リスクが低くなります。 (Covid and Age . An unvaccinated child is at less risk of serious Covid illness than a vaccinated 70-year-old.

読み進めてびっくりしつつも、思い当たる節があったのが、アメリカで子どものワクチン接種議論の際に、年齢によるコロナのリスク(高齢者ほど、重症化率、死亡率が高くなる)は考慮されていないのだということです。周囲の人たちとの雑談からも、親がワクチンを接種していると、子も接種可能な年齢に達すれば自動的に打つという印象を受けています。ワクチン接種そのものの議論を家族で行った場合でも、高齢者のリスクは強調されても、子どもたちのリスクの小ささは加味されることが少ないのかなと思いました。

このような背景を受け、より低年齢の子どものワクチン接種の緊急時使用の認可が議論される中、ここはあえて”コロナのリスクは年齢に比例する(子どものリスクは小さい)”を強調する記事が必要だったのでしょう。

念のため、アメリカの年齢別のコロナ感染者数、入院者、死亡者のデータをシェアさせていただきます。

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CDCのデータで、18-29歳を基準にすると、コロナによる入院患者は75−84歳で9倍、85歳以上で15倍。死亡者数では、75−84歳で220倍、85歳以上で570倍!

”30代、40代は20代の若者よりも2倍の入院リスクがある”ーーこれだって十分インパクトがあるのに、三桁を見てしまうと、”10倍のリスク”ですら大したことのないように見えてしまいます。年齢によりコロナリスクはあまりにも違うため、子どもと大人のワクチン接種について、このリスクの違いをのぞいて語ることはできないかと思います。

アメリカでの子どもの重症化率は、日本に比べれば高いのは事実です。それはコロナが重症化する要因の1つに肥満があり、子どもたちの肥満がもともと社会問題になっていたアメリカでは、子どもの重症化率も高くなるのかなと思っていました。これは間違った見方ではないかと思います。しかし、重症化する子どもが多すぎると感じる原因は、別にあるかもしれません。何気なく読んでいる記事が全く信頼できないデータを提供していたら・・・というのが次の記事です。メインはこちらの記事の方です。

驚異的な水増し記事:子どもの入院、83万7千人上乗せ

ニューヨーク・タイムズ紙が捏造記事を販売 COVID-19で入院した子供たちのフェイクニュースを販売していたことが判明

水曜日にニューヨーク・タイムズ紙の記者アポーバ・マンダビリ(Apoorva Mandavilli)氏が掲載した記事の中で、"パンデミックが始まって以来、約90万人の子どもが新型コロナで入院している "と伝えられています。
木曜日に発表された訂正記事によると、正しい数字は2020年8月から2021年10月の間の6万3000件であり、マンダビリ氏は子どもの入院件数を83万7000件誇張していたことになります。

はい?90万と6万って、どこをどうやったら、間違えることができるのでしょうか?彼女が書いた元記事がなぜか検索できないため、この数字を持って、どのような結論、あるいは提言を書いたのかはわかりません。ただ、この数字の間違いというのは、記事で”訴えたいこと”に直接関係していることかと思います数字が違えば、記事全体の内容がおかしいことになります。

これは記者だけの責任ではありません。編集者、校正・校閲者もこの数字は確認しているはずですので、ニューヨーク・タイムズ紙全体の責任ー全社総力のフェイクニュース?ーだと思います。日本の新聞社の場合ですが、校閲部門がデータのチェックを行うだけでなく、自社の過去記事とも照らし合わして、おかしいと思われるデータがあれば、発行前に担当記者に連絡が入るそうです。情報を売るビジネスですから、その情報が正しいかどうか慎重になるのは、当たり前のことでしょう。

どんなに気をつけていても、人は必ず間違えます。だから、何重にもチェックする体制を作るーーーこれは個人のブログではできない、大手メディアならではの強みの1つです。大手メディアがこんなミスをするわけがなく、意図的なミスだとしか思えません。

しかも、この数字、記事によると、こんなところでも使われているようです。

この誇張は、子どもたちにワクチンを接種するかどうか、またどのように接種するかをめぐる議論に関する報告書に含まれていました。

カリフォルニアのニューサム知事は10月1日、アメリカ初となる”児童生徒にワクチン接種義務化”を発表しました。FDAの承認を受けた年齢層順に導入していくということですが、この決定も誤ったデータを元に行われていないことを祈るばかりです。

筆者のマンダビリ氏とは?

さらに意図的なミスだなと思えるのが、この記事の筆者がマンダビリ氏によるものだから

本人のウェブサイトから、マンダビリ氏は感染症に強いサイエンスライターであり、ニューヨークタイムズ誌の他に、アトランティック誌、ニューヨーカーオンライン、ネイチャー誌にも寄稿しているそうです。新型コロナに関する記事”Tracking the coronavirus and beyond”では、2020年ヘルスケア・ジャーナリスト優秀賞を受賞しているようです。

陰謀論者と言われそうですが、コロナが始まって以来、科学誌掲載の論文や科学関連の賞は、背景まで見てみないと、掲載された・受賞した”だから信用できる”とは言えないのかなという気がしています。実際、パンデミック以降の”科学”は特定の政治臭やお金の臭いが隠し切れないほど、強烈なものになっています。

マンダビリ氏の執筆物について、”イデオロギー色の強いパンデミック報道(Yahooニュース)”とされている1つの要因は、今年5月に彼女がツイートした、”いつの日か、人種差別的な発想が根元にある、実験室流出説について語られない日が来るといいな”というような投稿にあるようです(後に同ツイートを削除)。

今年5月と言えば、今まで”陰謀論”とされてきた”コロナの起源は研究所流出説”が再び正当な議論の場に戻ってきた時期です。その背景には、ファウチ博士をはじめとする”科学の権威”らが主張してきた自然発生説に様々な綻びが出てきてしまったことがあります。ファウチ博士の”やばいメール”が公開情報請求法に基づいて、公開されてしまったことが一番大きなきっかけだったと思います。同説のリーダーであった、ファウチ博士自身、研究室流出説の可能性がなくはないというようなことを言いはじめ、ランセット誌に”コロナの起源は自然発生しかありえない”と宣言していた科学者たちは、あっという間に、署名を削除した・・・そういう時期です。自然発生説を唱えるのに必要な”中間宿主”が見つけられず苦戦していたためか、みんなでさっさと逃げたという感じでした。

そもそも”武漢の研究所からコロナが流出したのではないか?”と議論することは、人種差別でもなんでもありません。これを理由に、米国内にいる関係のない中国人に文句を言ったり、暴力をふるうことは人種差別であり、ヘイトクライムですが、パンデミックの起源を探ることは、治療法を見つけるためにも、国防のためにも必要な議論です。にも関わらず、ポリティカルコレクトネス的な色合いをつけて、議論させないようにするのは、共産主義者か、中の国の共産党と関係がある人というような臭いがしてきます。論点ずらしは彼らがよく取る手段だからです。

特に、自ら感染症を得意とするサイエンスライターを名乗っているのならば、コロナの遺伝子配列には人工物としか考えられないものが入っていたということを知っていたはずです。自然発生説を唱え続けるのであれば、あくまでも科学で反論するべきでした。

フェイクニュースを流す目的

グレイトゲームインディアの記事によると、この件の以前にも、ニューヨークタイムズ紙は、コロナ関連の誤報により多大な損害を与えたとして、リバティ大学の学長であるジェリー・ファルウェルJr.氏に訴訟を起こされているのだそうです。誤報とされたのは、”学校を開いたために、春休みから戻ってきた学生がコロナウイルスに感染した”というニュース。この頃、翌年度もオンライン授業を続けるべきだ!という声が教職員組合から出ていました。その影響でしょうか?

また、数ヶ月前には、動物用イベルメクチン の服用により、救急医を訪れる患者で溢れかえったとある病院で、銃被害にあった患者が治療を受けられなかったというような記事が上がり、イベルメクチン 推進派がひどく攻撃されたことがありました。しかし、同病院がインタビューを受けた医師が派遣社員であり、数ヶ月は依頼をしていないこと、中毒を起こした患者で医療崩壊を起こしている事実もないと発表しました。

フェイクニュースには目的があります。マンダビリ氏の場合は、とにかくワクチンを推進したいようですね。

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製薬会社としては、”子どものワクチン接種への安全性と効果の高さ”をアピールするのが当然かと思うのですが。一方で、製薬企業に勤務するサイエンティストの中には、プライベートでは「子どもにワクチンは不要」と言っている方もいるようで、こちらが本音では?と思うのですが(【プロジェクト・ヴェリタス】J&J従業員2人に暴露させた”ワクチン”話)。

治験中のワクチンである(中・長期的な有害事象についての情報収集はこれから)ということを考えても、これからの人生が長い子どもたちは、大人とは違う、彼らにとってのリスクとベネフィットをしっかりと検討するべきだと思います。そのような時に、盛りに盛ったデータを出してくるというのが・・・。

共産主義、全体主義的なイデオロギーを持つ人は、イデオロギーが最重要・最優先であるがゆえに、それを通すためならば多少の手段は選ばない傾向にあります。昨年の大統領選挙でも、自分の信念を通す(トランプ大統領を排除する)ために不正を行い世直しをするというようなことを、堂々とSNSに投稿している人がいました。「え?それ、犯罪ですよ」なのですが、ハイ状態でわからなくなっているようでした。

彼女自身が”子どものワクチン接種が必要だ”を正義だと考えているのは、別に構わないのですが、盛り過ぎたデータでそれを主張するのはどうかと思います。それこそ、手段を選ばずだったのでしょうか。ここで、もし、これが単純なケアレスミスだったとするならば、彼女に聞いてみたいのは、正しいデータを使ってもなお、子どものワクチン接種は必要ですか?ということです。それとも結論ありきで準備した数字だったのでしょうか?

ちなみに、ネット上では、「これほどの失態を犯したジャーナリストがなぜ解雇されない?」という疑問も上がっているようです。過去の同様の事例で解雇されたジャーナリストは、ニューヨークタイムズにもいたとのことでした。このまま解雇されないのだとすると、彼女は製薬会社広告主も絶賛する”イロイロ役に立つ”ジャーナリストということなのかもしれませんね。

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