”ガラスの天井”運動が起きない、自民党総裁戦ーーリベラルの方が自由がない!?
リベラルの方が自由な発言をしにくい!?
高市早苗氏落選も、”#ガラスの天井”の声、聞こえず・・・
ガラスの天井とは、女性やマイノリティが働く上で、昇進や良いポジションに着くために、見えない天井があることの例えで、大統領選で、トランプ大統領に敗れたヒラリー・クリントンが発言したことでも、注目を浴びました(実際に負けた理由は、彼女が女性だったからではなく、別にあったと思いますが)。一方、小池東京都知事も過去に「ガラスの天井を破った!」みたいな発言をしていた記憶があります。
で、高市早苗氏が自民党総裁戦に落選した件です。そういえば・・・なのですが、「ガラスの天井が!」という声が聞こえてこないような気がします。自民党を支持する国民としては、高市推しの声が断然大きかったと思うのですが、結果としては落選。党内での高市潰しの動きも色々報じられていました。彼女が総裁になっていれば、日本初の女性首相が実現できていたわけですが・・・。
女性の政治参加率低いから、日本はダメだ!
と言っていた人たちは、怒りの声を上げないのでしょうか?
女性首相が誕生していれば、彼女らが気にする国連何ちゃらの日本の評価も上がったのでは?(ごめんなさい。いつも読み流しているので、ちゃんと覚えていなくて、下記のリンク先の評価です)
国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)が10月、スイス・ジュネーブで日本の女性政策について8年ぶりの対面審査を実施する。
記事によると、なんと!今年10月に8年ぶりの対面審査を実施するとあります。9月末に女性首相が誕生していたら、これ以上のお土産話はなかったのではないでしょうか。
確かに彼女は”選択的夫婦別姓制度”に反対の立場でしたが、女性の権利に無関心というわけではなく、”旧姓の通称使用拡大”に熱心だったかと思います。ワーキングマム(久々に使ったw)の1人としては、家族の在り方と女性の権利(就労・生活のしやすさ)を両立を目指した案で、何でも選択肢がたくさんある方がよいとするよりも、きちんと練られた案ではないかなと。
そもそも女性の権利等々を訴えるフェミニストの方々の主張には、女性の政治家や、女性のトップがいなければ、女性の声は届かない!というものだったかと思います。そのため、政策がどうか?ということよりも、”女性”という性別の方が重視されていたような・・・。・・・気のせい?
リベラル度が高いと、自由度が下がる!?
なぜ、今回の総裁選について触れてみようかと思ったかというと、常日頃から、「実はリベラルの方が自由度が低いのではないか?」という考えがあったからです。時はコロナ禍に遡ります。お注射についての議論について、世論としても、州の政策としても、個々の人間の反応としても、リベラルの人の方が強制力にこだわる傾向がありました。私は安全性ではなく、必要性の問題:
打っても打たなくても発症リスクはほとんど変わらないこと
既存薬による治療法があったこと
SARS時とは違い、治療すれば治る可能性が高かったこと(致死率が低い)
から打たないという選択肢をとっていました。ただし、これは統計や情報収集等の文系的アプローチからの個人的な見解で、私は科学や医療のバックグラウンドがあるわけではないため、聞かれない限りは、自分の選択肢について語ることがありませんでした。一方、普段、リベラルな発言が多い友人に限って、打たない選択肢をとった人を”コロナを広める癌”と、責める傾向にありました。
え?個人の選択肢を重要視するのがリベラルなんじゃないの?
と、ものすごい衝撃を受けた記憶があります。
さらに、カマラ・ハリスが副大統領になった時に、フェミニスト的な発言をしている人が”初の女性副大統領”を祝う発言をしていることにも驚きました。セクハラに対して大きな怒りを示すフェミニストの人々が、市長愛人の立場を活用して、キャリアアップしてきたとされるカマラ・ハリスを支持したことに矛盾を感じたからです。
職業的な立場を利用してセクシャルなことを強要されるのには反対。
でも、セクシャルなことを利用して職業的な立場を高めることには賛成!?
もちろん、個人的にはセクハラ反対ですし、ガラスの天井の存在も痛感することは度々ありました。ですから、フェミニストの活動について全て反対というわけではなく、過去の諸先輩方のおかげで、今の女性の自由度はあることに対しては感謝しています。ただ、女性だから得をしたと思う経験もなくはないため、女性だからいつも被害者みたいなポジショニングには、自分自身は立ちたくないなと思います。ただし、これはあくまで私の考えであり、”女性は被害者”的な考えを持つ人は、それはそれでその方の自由だと思います。彼女らと私の個人的な経験や、環境が違えば、違う考え方をするのは、当然のことだからです。
しかし、リベラルの人は、このような個人の違いを許してくれない傾向にあるように思います。
女性なのに、カマラ・ハリスをなぜ応援しない?
と聞かれても、
男性社会の中で頑張らねばと思うからこそ、
”女性”をフル活用みたいな姿勢は共感できない・・・
わけなのですが・・・。このような決めつけは女性に対してだけではありません。「黒人なのに、リベラルを応援しないのはおかしい」と批判された、保守派の黒人もいました。黒人に対する発言というのは、かなり慎重さが求められるアメリカにおいて、このような決めつけによる発言はどうなの?と思うのですが・・・。
同調圧力は、むしろリベラルの方が強い?
アメリカでリベラル勢力が盛り上がってきた背景には、ソーシャルメディアの発展と関係があります。主流ではない、自由で革新的な考え(意見)というのは、元々各地にポツポツと点在するからこその多様性があったのではないでしょうか。そんな点と点がネットでつながり、コミュニティを形成していくことで、本来は小さな水たまりだった自由な革新的な考えが大きな川となり全土に流れ込んだ・・・というのが今のアメリカではないでしょうか。
そもそもこのような最新テクノロジーは、リベラル的な価値観と相性が良いものです。実際、政治的なキャンペーン等を見ても、ネット上のコミュニケーションに関して、リベラルの方が断然上。これは政治的に保守にある人は、自分たちの社会や生活に変革をもらすであろう事柄については、慎重である人が多いからではないかと思います。それに、土地の伝統や習慣、価値観を守ろうとする保守の価値観を考えると、リベラルに比べ、保守は点在していない傾向ーーつまり、テクノロジーによって繋がるモチベーションが低い傾向にあると考えます。
一方のリベラルは、点在していた自由で革新的な考えの人が繋がっていく・・・というモチベーションが高かったのではないかと推測できます。最新テクノロジーはリベラル的な価値観との相性の良さがあるだけではなく、相性の良さゆえのリベラルによる熱心な活用があったからこそ、ソーシャルメディアが急激に発展したということも言えるのではないでしょうか。
実際、ソーシャルメディアを始めとする、最新テクノロジー企業の多くが、リベラル的な政策に積極的に絡んでいます。近年のソーシャルメディア企業による検閲問題が極左に偏りがちだった背景にも、リベラルとソーシャルメディア、それぞれの発展が関係しているはずです。
ではなぜそんな自由な考え(発言)が好まれたリベラルの中で、より強い同調圧力がある(と考える)のか?それは・・・
ネット内のリベラルなコミュニティがすでに成熟し、
保守が所属するリアルなコミュニティと同じような作用
ーー同調圧力をもたらすようになったからでは?
一方、リアルなコミュニティ(社会)の中にいると、保守といえども、大きなリベラルの波を受け、ある程度のリベラル的な価値観は受け入れざるを得ない状況になっています。例えば、アメリカの保守の代表格とも言える、クリスチャンはその信条からゲイを認められないとはいえ、通りすがりの他人がゲイであることに関して、受け入れている感があります。しかし、それが家族内の出来事だったり、同性婚を社会が歓迎するような動きになったりすれば、話が違います。
その象徴的な事件とも言えるのが、アメリカのとあるベーカリーがゲイカップルのウエディングケーキを作ることを拒否したことが大問題になったこと。ポイントは、このベーカリーのオーナーがゲイカップルに対して販売拒否をしたわけではなく、同性婚を祝うケーキをオーダーメイドすることに対して断りを入れたということです。クリスチャンであるオーナーの言い分としては、「その信条から同性婚を祝う=歓迎するようなことはできないが、店頭にあるウエディングケーキは使ってもらって構わない」と。しかし、このベーカリーは、ゲイ差別者として多くの批判を浴びることになってしまいました。
同性婚をする権利があるのと同様に、クリスチャンの信条を貫く権利もある・・・
と考える私は、店頭にあるウエディングケーキを使ってもらうというのは、オーナーができる最大限の配慮だったように思うのですが・・・。
リベラルとテクノロジーについての話は、一度、深く掘り下げて考えてみたいなと思うものの、まずは先日よりのアイリス・チャンのコラムを完成させてから・・・と。
で、本題です。
大躍進!と思われた高市早苗氏が落選したことについて、フェミニストの人たちが「ガラスの天井がー!」と声を上げないのは、フェミニストが所属するリベラル・コミュニティの中で、正当派保守の高市氏を擁護するような発言は、認められないからではないでしょうか。
一方、保守派の女性が「ガラスの天井が!」と声を上げないのは、もともと彼女を支持していた女性の多くが、女性だからという理由で彼女を推していたわけではなく、彼女の政策や隣国に対する態度に共感してということがあると思います。私自身、ゴール間近なところに来てようやく「あれ?これ、もし、高市・自民党総裁となったら、それって、女性初の首相?」と気がついたくらい・・・。だからこそ、今頃になって、「え?どうしてフェミニストは女性首相誕生させろ!」って声あげてなかったんだろう?と、それが気になっているわけなのですが。
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