ケイクス終了に伴い「左ききのエレン」読者へ大切なお知らせです。

かっぴー（漫画家）

2022年5月25日 15:21

　漫画家のかっぴーです。少年ジャンプ＋「左ききのエレン」、週刊スピリッツ「15分の少女たち-アイドルのつくりかた-」原作者やっています。

　原作版「左ききのエレン」を連載しているWEBメディア「cakes」の終了が発表されました。

・サイトの更新を終了　2022年7月31日
・サイトの公開を終了　2022年8月31日

詳しくは上記記事をご覧ください。

それに伴い、原作版「左ききのエレン」今後の連載について、お伝え致します。

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毎週木曜、6年間、277回。

　原作版「左ききのエレン」は2016年3月に連載を開始してから6年間、277回更新しました。「あと少し踏ん張れば週末」という「木曜日」に、働く大人に読んで欲しくて「左ききのエレン」は毎週木曜更新になりました。

　↑第一話サムネイル

　原作版「左ききのエレン」は、いわゆる出版社の編集的な人はいませんでしたが、ケイクス編集部に誤字チェックや公開作業をして下さる担当者は居ます。最初の頃はスケジュールがめちゃくちゃで水曜日の24時頃、最新話公開の９時間前に描き始め、ネームはおろか下絵すら無く、ボールペンで一発描きで描いていました。

　ネームが無いので、20ページの日もあれば、50ページを超える日もありました。納品は朝8時過ぎ、ひどい時は8時55分という日もありました。あんなスケジュールに付き合わせて申し訳なかったなと思う一方で、そういったやり方でしか第一部は描けなかったんじゃないかとも思います。だから、あのやり方を許してくれたケイクスに感謝しています。

　今振り返ると、私はケイクスに「ダメ」と言われた記憶がありません。「全話無料公開をやりたい」とか「今週は３話同時に出したい」とか、第二部HYPEをはじめる時だって「来月から第二部やります」と一方的にメッセしただけでした。ケイクスは6年間、私のわがままを全て快諾し応援してくれました。

　そして6年間の連載で初めての、ケイクスから私へのわがままが「ケイクスを終了させて欲しい」というものでした。

出版社からは「左ききのエレン」は生まれなかった。

　原作版「左ききのエレン」は、いわゆる出版社の連載ではありません。好き勝手に描きたいように描いて、誰かに頼まれた訳でも無く6年間続けた自主制作です。それでも、ケイクスが無ければ今の形にはなっていなかったと思います。画力にしても、10巻分（リメイク版は20巻以上）読んでみて初めて繋がるストーリー構成も、どこの出版社だってやらせてくれる訳がありません。

　この実験的作品はケイクスだからやらせてもらえたんです。そして、それが面白いと証明できたから少年ジャンプ＋でリメイクできたんです。だから私は、これまで一度もケイクス以外で原作版を連載するなんて考えた事もありませんでした。

　ケイクス終了を聞いてから、今後どうしようかと散々悩みました。ケイクス終了に合わせて連載を畳む事も頭をよぎりました。でも私は、これまでもずっと「最後の一人になってもケイクスで連載を続けよう」と思っていたんです。だから逆に考えました。

「ひとりでケイクスをやれば良いんじゃ無いか」って笑

この夏、原作版「左ききのエレン」は、noteで連載開始。

　ここnoteで、ケイクスで連載していた時と同様に、仕事のモチベがなかなか上がらない木曜日の朝に更新し、一定期間は無料で読める形式も変えず、ケイクス終了後も何ひとつ変えずに連載を続けようと思います。

　ケイクスを運営しているのはnote株式会社ですから、noteで連載を続けていれば実質ケイクスみたいなものなんじゃないか（？）とも思いますし。

　ただ正直な所、収益面の不安があります。これまでケイクスで課金して下さっていた方々が「左ききのエレン」という単一コンテンツに課金して頂けるか不安があります。もちろん無料でも読めるようにしますが、全員が無料読者では原稿料が賄えません。どう頑張ってもケイクス時代と比べたら大きく下がると思いますが、体力が尽きるまでは続けるつもりです。やばい時は恥を忍んでやばいと言います。その代わり、大丈夫になったら大丈夫だって言いますので。

　とは言え、まだこれからおよそ300話をnoteに移植したり、準備に時間がかかりそうなので、それまではケイクスに掲載させて頂くつもりです。更新が終了する、7月31日まではケイクス掲載になるかと思います。

　本当は、今すぐnoteではじめた方が良い事は分かりつつ、とにかく準備が全然終わらないのでもう少しお待ち下さい。