お金じゃ無いモノを稼ぐと、お金もついて来る。
さっき「株式会社なつやすみ、4周年」という記事を書きましたが、ふと思った事を追記します。
「ただ働く時間を減らせば良いワケじゃない」という当たり前の話を、もう少し深掘りして書こうと思います。でないとHYPEになってしまうので。
「コスパ良く働く」と言うと、お金の事しか考えていないみたいに聞こえるかも知れませんが「コスト」には色々な意味があるはずだし、得られるものは「お金」だけでは無いですよね。「微妙な仕事を大量にやり続けると消費されてしまう」みたいな話の本質ってこの辺だと思ってて、ぼくにとって50万円の仕事を受けまくる事は全然コスパが良く無い事で「働く時間に対して稼ぎが悪い」だけでなく「接触頻度に対して信頼が上がらない」とかそういう観点もあります。この記事を読んでる方はビジネスマンが多いと思うので(知らんけど)今更「信用経済とは」みたいな話はしませんが、とにかく「お金」以外にも「信用」を稼がないといけない今、50万円の仕事を連発するのはコスパが非常に悪いと思います。
50万円の仕事を10本やるより、500万円の仕事を1本やった方がいい。もっと言うと、50万円20本より、500万円1本。目先の1000万円より、信用も稼ぐ500万円を取るべき。ただ、いきなり500万円の仕事なんて来ませんよね。それは、この考え方を繰り返し実践した結果です。つまり最初は「5千円の仕事をたくさんやるより、5万円の仕事を待とう」から始めました。5万円の渾身の仕事をすれば、次は30万円くらいが来ます。今はそろそろ、一本1000万円の仕事が来る気がしてます。それは、ビックリする事に最初の「5000円の仕事」と同じ労力で。同じ時間をかけて、同じ情熱をかけて、でも報酬は全く違う。それが「コスパ」で、信用の話です。
ちなみに、ぼくが最初に描いた漫画は、本当に5000円でした。
先日のクラウドファンディングの大成功は、正直ぼくの手柄でも計算でも無く恥ずかしながら「想定外」というのが本音だったんですが、それでも多分やるタイミングを間違えていたら1000万円も集まっていなかったんじゃないかと思います。いいタイミングでやれたから、5300万円集める事が出来た。あるいは、ぼくが50万円くらいの何とも言えない「ふーん」って仕事を連発してたら、きっとクラファンも集まりにくかった気もする。これは検証の仕方が無いので「気がする」としか言えないんですけど、そう思います。
ちなみに、これ本当の話なんですけど、クラファンはコミックスの装丁にこだわり過ぎて5300万円集めたのに予算ギリっていう凄い事になってます。「これだけ集まったら、ちょっとは余るんじゃ無いかな」とか思ってたら、マジでそんな余ってない。余ったとしても、多分ストレッチゴールの「ルーシーの、あの動画」制作に充てるので。でも、ぼくはクラファンをやったお陰で「5300万円分の信用」を稼いだんですよ。5300万円分の信用って、本当は自分で5300万円稼がないと得られないですからね、すごい事です。
ぼくは仕事を受ける時に、執筆料の話はもちろんなんですけど、それ以外にどんな栄誉(得られる信用)があるかを考えます。ただ、これ勘違いしてる方が多くて、ここに書いても意味無いと思うんですが「うちの雑誌は、メディアは、これだけ多くの人に見られてます、あなたの知名度も上がります、宣伝になります。」みたいなのは本当に言わないで欲しいです。超冷める。あの、知名度別に欲しく無いし、むやみな宣伝もしたく無いんですよね。読むべき人が読んでくれて、その読者が自然と周りにオススメしてくれる事が億倍ありがたいので。それで言うと、少年ジャンププラスなんて「最高の作画」「優秀な編集者によるチェック」「作家想いの原稿料」「その他様々なフォロー」が付いてて、更に「毎週数十万人に読まれる」という宣伝も兼ねているんですよ。ぼく、集英社にお金払った方が良いですよ、本当は。でも、お金くれるんですよ、すごく無いですか?
それと比べても尚「うちで仕事したら栄誉になるぞ」と思うなら、そうメールしてくれても良いんですけど…。なんか、そういう事じゃなくて「うちとかっぴーさんが仕事したら、めちゃくちゃ面白く無いですか?」と口説いて欲しい。この前「バナナジュース屋さんやるので、コラボして下さい!」って言われて「分かんないけど面白そう、何しますか?」って聞いたら「分かんないけど面白く無いですか」って言われて、分かんないけどやりますってなった。
「お金」と「信用」って難しくて、ぼくも分かんないんですけど、ほんの4年間の活動で思った限りの事を言わせてもらえるなら「お金だけ稼いでいても信用にはならない」んだけど「信用があるとお金は稼げる」っていうのもあって「信用を貯めておくといつかお金にできる」というのもあります。または「信用があると、本来お金が無いとできないはずの事ができる」というのもあります。これは具体的には、ドラマ化とか。実写化とかぼくがお金払ってでもやりたい事なのに、それを誰かがお金出して、誰かが作ってくれて、しかもぼくにお金までくれるっていう意味が分からない謎現象なので。
ぼくの広告業界の後輩が、独立しない理由に「会社員じゃないと大きなプロジェクトに参加できないから」って言ってたんですけど、それは会社に信用があるからそういう大きな仕事が来ているわけで、それをやったからって自分の信用が稼げるのかな?というのは、少し気になりました。ただ、そいつ話してる時鼻毛が出ていたので、そっちの方が気になって突っ込めなかったです。ぼくも最近、鼻毛が出てます。
えーと、以上です。
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