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足助のおばさん in 熱海 4

予定通り息子がやってきて、親子水入らずの夕食が始まりました。食事を運んでくれる仲居さんに「結婚40周年なんです」と記念撮影のお願いをして、私のスマホで写真を撮りました。

贅沢なご馳走を、私も可能な限り食べました。食べきれない分は夫や息子に平らげてもらい、程よく満腹になったころ、テーブルを片付けて布団を4組敷いてもらいました。4人で枕を並べて寝るのは何時ぶりだろうと感慨深かったです。

部屋に一つしかないテレビで、息子は卓球の世界大会を見ていました。この日は「のど自慢」のチャンピオン大会も放送予定でしたので、7時半にはNHKにチャンネルを変えてもらいました。そうこうしているうちに花火の上がる音が聞こえてきました。障子を開けると窓一面に打ち上げ花火が見えるのでした。テレビも照明も消して、皆で花火を堪能しましたが、暗がりで夫はすでに眠っていました。

花火が終り、部屋の内線電話が鳴りました。予約していたエステの時間になったので、部屋まで迎えに行くと言われました。エステルームは大浴場の隣にあり、私はエステが終ったらそのまま入浴してくるつもりでした。

アロマオイルを贅沢に使った「アロマタッチ」というメニューは、私の想像していたものと少し違ったようです。大変気持ちのいい施術を受けた後「オイルはすぐに洗い流すと効果がなくなるので、今日はこのまま寝た方がいい」と言われました。私はそのまま部屋に戻って、翌朝に備えて早めに休みました。

ぽかぽか陽気の土曜日から一転して翌日は雨でした。午前5時半から入れる大浴場に一人で浸かり、出かける用意をしました。私を除く3人で、沼津でサッカー観戦の予定だったのですが、サッカー場に屋根はありません。すでに高齢者の年齢になった夫に野天での観戦は難しそうでした。まあ、みんな大人ですので私があれこれ言う必要もありません。娘と息子に暗がりでお礼を言って、ホテルを出発しました。

熱海駅の売店はまだ営業前でしたが、夫が焼酎を買い込んだコンビニで朝食や弁当を買い込んで帰路の「こだま」に乗り込みました。9時半には予定の場所に着いたのですから、なかなか乙な旅程でした。

夫はやはりサッカー観戦をあきらめて一人名古屋駅から足助に戻っていました。娘と息子は予定通り試合を見てきたそうです。

子どもたちが小さかったころ、お盆休みにしか休暇が取れない夫に合わせて観光地を巡ったものでした。束の間昔を思い出した三日間でした。(終わり)(2024年3月1日 記)

(元ブログ 家族で熱海 4: Here Come the 足助のおばさん (asukenoobasann.com)

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