足助のおばさんと介護 117
新婦人の活動に「トイレウォッチング」というのがあって「汚くて使いにくいトイレをなくそう」と要求していたことは知っていましたが、トイレの洋式化がそんなに重要だとは、正直思っていませんでした。
先日、英語の生徒を名古屋へ連れて行ったとき、子どもたちが洋式トイレしか使えないというので、一つしかない洋式の個室が閉まっていたので、「多目的トイレ」という表示のある、障碍者の皆さんの利用するトイレを使わせました。すると、水を流すボタンと間違って、緊急呼び出しのボタンを押してしまい、にわかにピーピーとやかましい音がし出したではありませんか。梅坪駅のことです。
そこで、駅員さんに「間違いです」と言いに行こうとして、ここが無人駅だったことに気づきました。
我が家でも20年前トイレを水洗にする際洋式トイレを取り入れましたが、実は私は和式の方がよかったんです。当時まだ存命だったおじいさんが、男子用トイレを使えなくて、便器に腰かけて用を足していましたので、おじいさんと同じトイレを使うことに、ものすごい抵抗がありました。結局それは口に出しては言えなかったので洋式になったんですが、私はトイレを使うたびにトイレ用の濡れティッシュで拭いていました。むしろ、公衆トイレの方が気が楽でした。
案の定、その後おじいさんはトイレを大便で汚すことが度重なり、私の憂鬱は増していきました。
トイレを共用できる仲というのは、よほど気を許すことのできる中でなくてはいけません。今は、おばあさんの使った後は同じように濡れティッシュで拭いています。
果たして私は「家族」の中で暮らしているのかが、怪しくなってきました。(2016年6月1日 記)