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教員とスポーツと情熱と・・・・

教員を目指す人の中で、自分の好きなスポーツに仕事をやりながら関わっていたいと思う人の割合は肌感覚ではあるが結構多いと思う。

かくいう自分も大好きなサッカーに関われる仕事として教員という立場を選んだくちだ。

スポーツの力は大きい。

一人の人間の人生を左右するほどに・・・

この話は、先日あった僕のちょっとしたエピソードである。


先日、昨年の教育実習で本校を訪れた教育実習生から唐突に電話がきた。現在彼は某銀行の銀行員である。

僕はお金を借りて欲しいといった相談をされるのではないかと思い恐る恐る電話に出た。

その子は礼儀正しく、

元実習生「すけーりょ(ペンネームで失礼)先生、ご無沙汰しております。今お時間よろしいでしょうか?」

僕「大丈夫だよ。(お金は借りれないけど・・・)」

元実習生「実は教員という立場でもう一度サッカーに関わりたいと思っています。今から雇ってもらうことはできないでしょうか」

僕「学校の空きがあれば大丈夫だと思うけど、多分この時期だと来年の採用が決まっていて空きがないよ。(銀行員の方がいいと思うけど・・・)なんで?」

元実習生「今やっている仕事が面白くなくて、自分が納得して働けていません。今思えば、プロになる夢をキッパリ諦めて銀行員になったのですが、サッカーしかやってこなかった自分にとってサッカーがない日常は思ったよりも辛い事に気付きました。昨年教育実習に伺わせてもらって、先生方が楽しそうに働いている姿を見て羨ましく感じ、自分も教員として働きたいと今改めてか感じています。」

僕「教員も大変なことも多いし、そんな簡単じゃないよ。お金は銀行員より安いし、楽しそうに見える僕でも楽しみながらも葛藤はある(葛藤に関しては色々別の記事で書いてます。)し、今辞めてもいいと言われれば全然辞められる。」

元実習生「それでもいいです、母校で働きたいです。そしてサッカー部の顧問になり、何年かかけて強豪チームにしたい。」


このような会話が続き、長い時間色々な話をしたのだが僕個人としてはこの青年と一緒に働きたい!と強く思った。

彼は本校の卒業生だが、高校のサッカー部のOBではなく某Jユースに所属していた。

リーグ戦はプレミアリーグで戦い、選手として実力があったので県の選抜選手にも選ばれるほどであった。

そして、関東一部リーグに所属する大学へと進学し、つい最近までプロ選手を目指していた。

一方で、うちの学校はサッカーをやる環境は整っていない。

グラウンドがないので小学校のグラウンドを借りて活動しており紅白戦もできない。

僕自信の指導力はないわけではないのだが、なかなか結果を出せておらず県大会の出場経験もない。

それにもかかわらず、彼がうちの学校で働きたいと思ってくれた事に加え、一から部活を強くしたいと願っている事に驚きと喜びを僕は感じた。

そんな話を聞いている時、若い頃抱いていた夢を思い出した。

『強豪校を作る』

長い間うまくいかない事が多く、環境のせいにして諦めてしまっていた。

失っていた大きな夢を彼は思い出させてくれた。

経験を積み重ねていくうちに「こんなもんか・・・」「県大会に出れるようになればいい」などといった小さな目標になってしまっていた自分が恥ずかしい。


もう一度、自分を見つめ直し高い目標を持って取り組んでいかなければならないと思った。

そして、願わくば彼のような青年と一緒に働けると嬉しい。

そのために、自分が出来ることを彼のために最大限していきたいと思う。

未来は明るい。




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