別れのメッセージを送った翌日。私は発熱する。超健康体の私が発熱するのは数年ぶり。きっと、これは知恵熱だ。彼の声をもう聴けない苦しさで熱が出たのだと思う。
彼の声が聴きたい。彼を想って心は痛く、でも会ったこともない人を想って泣けず体の中にどんどん熱が溜まっていく。熱は39度近くなる。
頭はぼんやりして倦怠感いっぱいに体が怠い。思考は停止して彼のことばかり考えている。私は堪えきれず彼にLINEしてしまう。
「ノラ辛い。知恵熱出た。」「そっか。冷えピタ貼っておやすみなさい」「うん」
短いやり取り。突き放した言葉。やはり終わったんだ私たち。
熱に任せて眠りの世界へ逃げる。
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