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自分だけの基準

ウェルビーイング(well-being)という言葉がある。1946年の世界保健機関(WHO)憲章の草案の中で、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあることをいいます(日本WHO協会:訳)」。満たされた状態だから、幸福もしくは幸福度と日本語で翻訳される場合がある。

確かに精神的にも肉体的にも社会的にも満たされていたら、幸福な状態だ。
そこで考えたのが、「人間は何をもって、満たされていると感じるか」。健康、経済面、仕事、恋愛、人間関係…あげたらきりがない。自分が満たしたいものは何か?その優先順位は?答えは人それぞれだろう。

わたしの場合だと優先順位が母としてか、一個人してか、一社会人としてか、はたまたひとりの女性としてか、状況によって違ってくる。

わたしの今年の目標の一つに「精神的にも肉体的にも、セルフケアをすること」を掲げている。息子が成長し、少しずつ親離れと子離れをしていることで、自分のための時間が取れている。

週末、天気が良ければ散歩に出かける。時間を見つけて、ストレッチやピラティスをやる。昨年の11月から月1回のペースで漢方を扱う薬局に行って、体調面の相談をしている。全部、自発的にやるように心がけている。

自分の心身の状態を見つめることに、他人の許可は要らない。自分の心身の状態を見つめることで、ありのままの自分を少しずつ受け入れる土台が出来てくる。

自分に足りないところばかり見ていたり、他人と比較ばかりしていたら、悲しくなったり、怒りが湧いてきたり、嫉妬も生まれる。けれども、「自分に今あるもの(住居、健康、仕事、友人、食物、衣服など)」に目を向けてみると「大丈夫だよ」と思えてくる。繰り返し自分に今あるものに目を向けてみると、足りないところに目を向けていることや他人と比較することが無意味に感じてくる。

だからこそ、自分の心を見つめる大切さに気づける。そして、ありのままの自分を受け入れているなと感じる。

自分を受け入れられないと、他人をなかなか受け入れられない。

世界的にみて、日本人の幸福度の順位が低いと言われている。いろいろな説があるけど、もしかしたら「ないものねだり」で今この時、自分にあるものに目を向けていないからかなと、個人的には思っている。

幸せの基準、満たされているという感覚は、自分だけしかわからない、他人が決めることではない。答えは「自分の内側」にあるから。自分だけの幸せの基準がわかってくることが、充実した人生を送るきっかけかもしれない。



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