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北京入院物語(11)


入院したのが木曜日の夜で、明けて金曜日は問診以外は何もなかったのですが、さっそくヤージンというのが必要だということが分かりました。
ヤージンというのは漢字で「押金」と書きますが、入院保証金のことです。
日本でもホテルでデポジットと言って先払いするシステムがありますが、病院で先払いするシステムは聞いたことがありません。

 このあたりが国情の違いで、中国では絶対に損をしないようにお金を先取りします。
お金を払わずに夜逃げする中国人がいかに多かったかを物語ります。
保証金は日ごと取り崩され、少なくなってくるとまた保証金を要求されます。
そして退院の際に、清算され残金が払い戻されると言うシステムです。
決済は中国元かクレジットカードですが、カードの場合は5%加算されます。
その当時(平成12年)長期入院が10,000元(15万円)元、短期が5000元でした。
以前言いましたが、物価が1/10の国です。
日本の物価感覚ですと、100万円以上の保証金になります。

 話は医学的になりますが、昭和60年(1985年)京都大学付属病院で初めて病変を発見したきっかけは、CK(CPK)が1000を超えていたことです。

 これ以降、CK値を下げることを中心として、副腎皮質ホルモンを長年飲み続けました。
10年近くの服用中、体感として筋萎縮はとまらず、CK値も400を切ることはなく、あるきっかけから服用停止して、3年が過ぎており、中国渡航時に中国の医師の参考データーにと、血液検査をして、その検査データーを用意したのですが、久しぶりにCK値を測定すると、皮肉なことに330程度に低下していました。

 話はさかのぼりますが、主治医に黙って服用を停止して1年後、薬を飲んでいないと打ち明けたわけですから、その先生の治療法を拒否したことと同じことです。
ですので打ち明けて以降は病院に行くことなく、障害年金の申請のときだけ顔を出すだけとなり、今回漢方治療のためのデーターを持参するために検査だけ受けたので、先生としてはきっと面白くなかったことと思います。

 ただこの決断が、乱暴にせよ病気の全責任を負う自覚を促したことは確かです。
北京入院物語(12)

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