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舞台「いのち知らず」

こんばんは。

初投稿をしたっきりその後何も投稿していなかったのですが……

今回はふと思い立ち、備忘録も含めて、舞台の感想を記そうかと思います。

(以下ネタバレ含みます)

昨日、舞台「いのち知らず」の仙台公演を観劇して参りました。

月初に本多劇場で観劇させてもらったので、実は昨日が2回目です。

いや〜2回見ても難しい………笑

色んな感想が自分の中にあるのに、うまくまとめられないのがもどかしい、、


まずは俳優陣の演技力の高さは言うまでもなくただただ尊敬。

仲野さん演じるひたすらにまっすぐな青年、シド。

勝地さん演じるロクは、シドと一緒に同じ夢を叶えたいと純粋に考えているけれど、シドと自分の違いに少しずつ違和感とやるせなさを感じてしまっている。

光石さん演じるモオリは、人を信じられず、また他人に信じられることにも慣れておらず、ロクとシドとトンビをどんどんかき乱していく。ただどこか憎めないところがあったり。(ドラマ最愛のあの朝宮パパと同一人物…!?という感じ)

新名さん演じるトンビは、一見兄を探すためだけに居候しているように見えるけれど、ちょっとずつ周りをイラつかせる天才。

そして岩松さん演じる安西は、出演時間は短いものの出てくると少し安心する存在。一方で物語上は重要な鍵を握ってたりする。1人だけ名前が漢字表記であることに象徴されるように、他の4人とは少し立場が違う。

発せられるセリフを一つ一つ噛み砕こうとすると、どんどん置いてかれちゃう。1回目は噛み砕くのに必死になってたから昨日はあまり深く考えないようにして、会場の空気感に身を任せることしかできなかったけれど、それもなぜか居心地がよかった。あ、これが"舞台"の醍醐味の一つかもしれないって。


今回は舞台転換もなく、物語は全てロクとシドの寮内で進んでいきます。

同じ場所の中で進んでいるのだけれど、いつのまにか自分が今どの時間軸にいるのか分からなくなってしまうのです。時間と時間の間でフワフワ浮いている感覚。


その中でもやっぱり印象に残っているところは、最初のシーンでハンガーに掛かっていたシドの部屋着と、終盤に出てくる高校生の時によくしていた「学ラン遊び」の繋がり。ロクはお互いに楽しく夢を語っていたと思っていたが、シドはこの遊びにどこか恐怖を抱いていて、ロクが楽しそうにしていることに疑問を持っていた。しかも学ラン遊びをしている時に、葉山はもういなかった。ここから既にロクとシドの間に見えない小さな亀裂があったと考えると、なんだか切なくなります。

何より最後のシーンでカセットテープにシドの声が録音されていなかったこと。ロクはシドと話していたけれど、シドは実際にはおらず、ロクだけシドが見えていた。モオリとの会話も普通に聞いていると全く会話が噛み合っていないものの、モオリにはシドが見えていなかったと考えると辻褄が合う。(シドが安西さんはやっぱりいなかったんだ!と攻め立てるとモオリは避けていたから、腑には落ちてないけれど…)

たわいもない話をしている相手が、今見ている風景が、現在のことなのか過去のことなのか、現実なのか虚構なのか、はたまた嘘なのが真実なのか……

"いま"を生きることとは何を意味するのか、自分の生き方を問いただされているような気がしました。


「#家族募集します」の太賀さんの演技が好きで、ふと見つけたこの舞台。

舞台観劇の経験はあまりないけれど、素晴らしい俳優さんたちが作り出す岩松作品の独特な世界に酔いしれることができて、とても幸せな時間でした。 

[いのち知らず HP]
http://mo-plays.com/inochishirazu/


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今回は地方公演ということもあり、カテコでの挨拶もありました。

岩松さんが回す形で、仙台の印象を話す流れに。

新名さんは新幹線に乗り遅れてしまったそう。目の前で行ってしまったとか…笑

なにより勝地さんに見つめられすぎて恥ずかしそうに話す光石さんが可愛かった。 本多劇場よりも倍くらい大きな会場で緊張したとのこと。テンパって牛タンが言えず、会場の笑いをかっさらってました…笑

岩松さんは久しぶりの電力ホールで、楽屋が綺麗になっていたとのお話。同じ作品に出演していた太賀は覚えていなかったけどね〜とおっしゃってましたが、太賀さんはすかさず「覚えてましたよ!」と否定していました笑


あんなに激しいお芝居をされていたみなさんが和気藹々と話されている姿も拝見することができ、貴重な経験となりました。


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