ブルーピリオド/山口つばさ

美術に興味がなかった青年が目覚めていく様に共感を覚える。
きっと作者が経験してきたことを忘れずに表現しているのだろう。
理論的な思考と感覚的な感性の捉え方に引き込まれる。
救いのあるキャラクターが多く魅力的で、読む手が止まらなかった。
今後、どのような結末を迎えるのか期待して待ちたい。

◎MEMO
あなたが青く見えるなら、りんごもうさぎの体も青くていいんだよ。
好きなことに人生の一番大きなウエイトを置くのって普通のことじゃないでしょうか。
自分の絵を持つ人が良い方へ行ってくれるよう祈りを込めて描いてるんだ。
芸術に失敗は存在しないんですよ。
話術で本音を隠すんじゃなくて、本音を技術で武装したらいいんじゃないか。
色を乗せればいいわけじゃない。選ばないっていう選択をすることも同じくらい大事。
努力と戦略は俺の武器だと思ってもいいの。
作品は諦めたら、そこで完成よ。
すぐに役に立つものだけが良いものじゃないよ。
自分と全く同じ世界が見えている人なんて、この世にいないんですよ。
美術はもう選ばれしモノの特権じゃないはずでしょう。

2022.12.5


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