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#3- 文型の扱い方と『英語の構造』

3-0. 最初に全体のまとめ。

文型を”どう特定するのか”を学んでいきます。
・文型(コアの並び方)は動詞と品詞によって決まります。
・動詞によって、コアの並びが決まります。
・品詞によって、コアの中身が決まります。

「#2- 文章のコア、飾り、そして意味」では、「あらゆる英文はたった4つのコアとその並べ方5種類(5文型)で説明できる」ことを学びました。文型は英語学習を丸暗記から解放してくれる、とんでもなく重要な発見だということを学びました。

「どうして文型か」を知った今、いよいよ「どうやって文型を扱うのか」について学んでいきます。

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(本 note、前置きがめちゃ長いです。恐縮ですがお付き合いください)

さて、文型を作るコアは4つ、主語(S), 動詞(V), 目的語(O), 補語(C)です。エス、ブイ、オー、シー、です。この4つのコアの並び方が5種類で5文型。文型が5種類=英文の意味(つまり日本語訳)も5種類、でしたね。

感覚的な説明すると、主語(S), 動詞(V), 目的語(O), 補語(C)、はそれぞれこんな感じです:

主語(S) 誰が
動詞(V) どうする
目的語(O) 何を
補語(C) どんな

これを踏まえて、文型、意味(日本語訳)、例文を提示します。

第1文型 SV「誰はどうする」 I sleep. 
第2文型 SVC「誰はどんなだ」  I am happy.
第3文型 SVO「誰は何をどうする」 I bought a flower.
第4文型 SVO1O2「誰は何に何をどうする」 He gave me books.
第5文型 SVOC「誰が何がどんなであるのをどうする」 It makes me sad.

主語(S)と動詞(V)は日本語で「誰が」「どうする」の部分です。ちなみに人以外のものが主語になる場合は「何が」「どうする」です。
主語(S)と動詞(V)は全ての英文に必ず出てきます。

目的語(O)は「何を」です。動詞(V)「どうする」の”対象”、なんて呼ばれたりします。I bought a flower. の a flower が「何を(花を)」の部分です。

補語(C) は「どんな」です。楽だ、嬉しい、退屈だ、などなど。第2文型 I am happy. の happy が「どんな」の部分ですね。補語(C)は 主語(S)や目的語(O)の状態/状況を表すのに使われます。

ちなみに補語(C)は第5文型にも登場しますが、第5文型だけしんどいです。「誰が何がどんなであるのをどうする」って、ちょっと微妙な日本語になりますよね。例えば第5文型 It makes me sad. で言えば「それが私が悲しい気持ちである(状況)を作る」になります。これは自然な日本語に言い換える必要があります。例えば「私を悲しくさせる」です。(ちなみに意味上、O=C (me = sad) が成り立っています)

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さて、さて。導入がかなり長くなりましたが、ここまでは、まともな参考書には必ず書いてありますし、まともな英語の先生は必ず教えてくれます。しかし、これでは足りないのです。重要なのは「文型とは何か」ではなく「文型を”どうやって”特定するのか」です。

私たちが本当に知りたいのは「It makes me sad. は第5文型だね」という結論ではなく「そもそもどうやって It makes me sad. を第5文型(S)と判断したのか」、その判断方法なのです。

「どうやって It makes me sad. が第五文型だと判断したのか」
「どうやって me = sad が成り立っていると判断したのか」
「どうやって同じく4単語で出来ている He gave me books. と It makes me sad. が別の文型だと判断したのか」

つまり、文型の特定の仕組みなのです。ロジック、プロセス、思考の流れ、そしてそれに必要な知識、材料が知りたいのです。

これを知ることは、最終的には、本当に正しい英語の「考え方」「見方」を学ぶことと同義です。「知っているから分かる」は根本的に有用ではありません。普遍的な基礎原則を元にあらゆるレベルの英文を扱えるようになる、のが最も有用な学びの方向性です。

教育現場では「はい、I bought a flower は第3文型ですね、flower が bought の目的語ですから」みたいな、もはや事後報告のような説明が横行しています。これは説明としておかしいでしょう。これで教師とバトって、授業妨害で月1回は呼び出しを喰らって指導を受けていたのはもちろん私だけではないですよね。

この note では、ずばり「どうやって文型を特定するのか」に対して、明確な答えを与えたいと思います。「これとこれで文型を特定します」と言い切ります。

そして最後に、この世のあらゆる英文に共通する『英語の構造』を導き出したいと思います。


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3-1. 動詞が文型(S,V,O,Cの並び)を決める

まず最初に考えていただきたいのは、「なぜ”5”文型」なのか、です。なぜ4でも6でもなく、5なのか。実はこれ、英語に動詞が5種類しか存在しないからなのです。

自動詞、他動詞、なんて聞いたことがあると思いますが、実は自動詞に2種類、他動詞に3種類あります。

自動詞は2つ
・完全自動詞 → 第1文型を作る
・不完全自動詞 → 第2文型を作る
他動詞は3つ
・完全他動詞 → 第3文型を作る
・授与動詞 → 第4文型を作る
・不完全他動詞 → 第5文型を作る

(↑それぞれの動詞の名前は覚えなくてOKです)

これは例えば「完全自動詞を使えば、その文章は第1文型(SV)にならなきゃいけないよ」というルール/約束があるということです。

これはつまり、動詞が上の5つのどれなのか(つまり何文型を作る動詞なのか)を知っていれば、動詞だけを見て即座に文型を特定できる、ということです。

文型の特定の方法①:動詞が文型を決めるので、どの動詞が何文型を取る動詞なのか知っていれば、動詞だけで文型を特定できる。


一応、「動詞で文型がわかる」という基本は、一部の参考書は教えてくれています。

しかし、これでは足りないのです…。

動詞で文型を特定する方法には、2つ、大きな問題があります。そしてこれを解決する明確な方法が存在します。

この解決方法を学んだ上で、この2つの知識から導かれる、この世の全ての英語に共通する『英語の構造』とご対面です。

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3.2 動詞だけでは足りない!

動詞で文型を特定する方法が持つ、2つの大きな問題を確認します。

<問題1>

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