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#2- 文章のコア、飾り、そして意味

2-0. 最初に全体のまとめ。

あらゆる文章はコアと飾りのみで作られ、根本の意味はコアの並びで決まる

英文を読む時、「知っている単語を拾って文章の意味をなんとなく推測」している人は多いです。もちろん、これで事足りる場合はあります。

しかしこの読解スタイルは、文章を詳しく正確に理解したい場合には通用しません。また「自分の理解が正しいのかどうか」も判断できません。読解も作文も常に「なんとなく」のまま進むことになります。

このスタイルを維持したまま「なんとなく」を解決する方法はたった一つ「全ての文章やフレーズをそのまま丸暗記する」だけになります。しかしこれでは英語の学習は一生終わりません。これは聞いてるだけで辛いですよね。

こんな負のサイクルから抜け出し、より理性的な英語の学習を達成するために、文章のコア飾り、そしてそこから紡がれる文章の意味について学んでいきましょう!

【重要】
本 note では、シリーズ全体を通じて、日本語と英語、両方の例文を使って構造原則を解説します。
日本語と英語の根本的なルールは同じであり、その感覚的な認識が、英語学習において極端なアドバンテージになります。その感覚的な認識を、読み進める中で身に付けていただくので、日本語の例文を読み飛ばさないでください。

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2-1. 文章の意味は「単語の並び」で決まる

例えば、以下の文章:

あの犬はよく吠える
That dog often barks (*1)

この文章では、単語を別のものに変えても文章の根本の意味「OOはXXする」は変わりません。

文章に登場するそれぞれの単語を変更してみましょう:

・「犬」→「狼」

あのはよく吠える
    ↓
あのはよく吠える

That dog often barks
    ↓
That wolf often barks

・「吠える」→「泣く」

あの犬はよく吠える 
    ↓
あの犬はよく泣く

That dog often barks 
    ↓
That dog often cries

・「あの」→「その」

あの犬はよく吠える
    ↓
その犬はよく吠える 

That dog often barks
    ↓ 
The dog often barks (必ずしも「その=the」ではありませんが)

・「よく」→「たまに」

あの犬はよく吠える
    ↓
あの犬はたまに吠える

That dog often barks
    ↓ 
That dog sometimes barks


このようにそれぞれの単語の中身を替えても、その根本的な意味「OOがXXする」は変わっていないことが分かります。

ちなみに、 #1-前提でお話しした通り、「犬は/dog」「吠える/barks」はコア、それ以外は飾りです。あらゆる文章はコアと飾りのみでできている、という前提を再度確認しましょう。

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しかし一方で、単語の 「並び」を入れ替えると、根本の意味が変わってしまいます。

例えば「あの犬はよく吠える」の「あの犬は」と「よく吠える」の並びを入れ替えると、

あの犬は よく吠える
    ↓
よく吠える あの犬は ... ???
 
That dog often barks
    ↓ 
Often bark(s) that dog ... ???

このように 単語の並びを変えると、元々の「OOがXXする」という文章の根本の意味が変わってしまいました。そもそも、これは文章として成立していませんね。

つまり、単語の中身を変えても文章の根本的な意味は変わりませんが、並びを変えると根本の意味が変わる、ということです。

これを言い換えると、単語の並びが文章の意味を決めているということであり、単語自体の意味と、文章の根本の意味は別に存在しているということでもあります。単語を別の単語に置き換えて変わるのは文章の表面的な意味であり、文章の根本の意味ではありません。

2-1 まとめ:
単語の中身が変わっても、文章の根本の意味は変わらない。
単語の並びが変わったら、文章の根本の意味は変わる。
つまり、単語の並びが文章の意味を決める!

さて、ここまでは「まぁ、言われてみれば」という程度かもしれません。(それでも認識しないと使えないので、とても重要です)

しかし構造の本当の凄みはここから始まります


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2-2. 文章の意味は「"コア"の並び」で決まる

あの犬はよく吠える(根本の意味:「OOはXXする」)
That dog often barks

上の文章に限らず、そしてさらに言語に関わらず(つまり英語でも日本語でも)、この世の全ての文章は、たった二つの要素でできています:

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