見出し画像

『気象業務法』等の改正

こんばんは、nooooon(@nooooon_met)です。


先週末(2月24日)、「気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。


『気象業務法』は気象庁の所管法令の1つであり、日本における気象業務についての基本的制度を定める法律です。


法案の概要は、前述した気象庁による報道発表に記述されているとおり、大きく2点にまとめられます。

 ①国・都道府県による予報の高度化
 ②民間事業者による予報の高度化

ポンチ絵付きの解説資料も提供されていて、こちらが分かりやすいかなと思います。

https://www.jma.go.jp/jma/press/2302/24a/01_gaiyou.pdf


今回の改正には、近年、毎年のように発生している激甚な自然災害に対して、より高度な予測等に基づいた防災対応をとれるようにしようという背景があります。

大学や民間企業による浸水シミュレーションはこれまでにも開発されていました(パッと検索しただけでも、以下のようなものが出てきます)、それらをより促進していこうという意図を感じられます。


また、個人的には、予報業務のために、検定済みではない気象測器を補完的に用いることができるようになるという点も気になります。

公共機関が気象観測を行うとき(一部例外除く)、又は、それ以外の人が気象観測結果をおおやけに公開したり防災に活用するとき、いくつかの届出等を行わなければならないことが気象業務法で義務付けられています。目的にもよりますが、誰でも自由に観測・公開(活用)しても良いわけではないのです。

それらの義務付けのうちのひとつが、検定済みの気象測器を用いることです。

検定によって、その測器が正常な測器と同等の観測を行えることを担保しています。異常な測器を使って観測してしまうと、それによる異常な観測結果が天気の予想に大きな影響を与えてしまう可能性もあるため、検定を行うことは重要だと考えます。

一方で、検定には費用時間を要するため、多くの観測を行う際には負担が大きくなります。今回の改正は、その負担を少しでも和らげてようという意図があると考えます。

実際には、検定済みではない気象測器による観測結果を活用する際は気象庁長官の確認をうける必要があり、かつ、あくまで検定済み測器の観測値を補完する形式にはなるので、ある程度の観測精度は担保されるものと思われます。


今回の改正により、(ビジネス的な面も含めて)気象業界の様相がまた少し変わっていくのかなと感じますが、いずれにせよ、より正確な気象予報によって的確な防災活動を行えるようになることが望まれます。

ところで、本件について気象庁から発表された際、気象庁のTwitterアカウントでも投稿がなされたのですが・・・

「読み合わせ」はれるん、かわいい・・・!



そんな、今日このごろ


※気象庁HPから引用(2023.2.28閲覧)→https://www.jma.go.jp/jma/press/2302/24a/20230224_press_kishougyoumuhou.html

この記事が参加している募集