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「50年に一度の記録的な大雨」

こんばんは、nooooon(@nooooon_met)です。


今日は夜になってから、こんな情報が発表されてました。

大雨と落雷及び突風に関する山口県気象情報 第4号
令和2年7月13日18時55分 下関地方気象台発表

(見出し)
萩市見島では、50年に一度の記録的な大雨となっています。
(本文)
なし

(※1)


この気象情報が発表される直前の『大雨警報(土砂災害)の危険度分布』を見てみると、長門市の北の方に位置する見島では、濃い紫の「極めて危険」、警戒レベル4相当の領域が現れていました。

2020_07_13_22_15_34_気象庁_大雨警報_土砂災害_の危険度分布_および他_2_ページ_個人_Microsoft_Edge

※2

この濃い紫(「極めて危険」)は、土砂災害警戒情報の基準に到達していることを示していて、濃い紫の領域が現れた時点で、過去の重大な土砂災害発生時に匹敵する状況になっていることを表しています。


しかし、冒頭で示した「50年に一度の記録的な大雨となっています。」というのは、それよりも危険な状態となっていることを表現しているようです。というのも、以前の気象庁長官会見で、このような発言が・・・。

島しょ部において局地的に特別警報に準じるような大雨になった場合には、府県気象情報に、例えば「○○島では50年に一度の記録的な大雨となっている所があります」といった形で、住民の方々にも危機感を伝えるよう、その旨の短い内容の情報を発表することとしています。
(※3)

もう7年程度前の会見なので、その後この方針がどうなったのかは分からない(HPを見ても載っていなさそう・・・)ですが、特別警報の解説ページ等も参考に読み解くと、今日は見島で特別警報級の大雨になったと解釈できそうです。


ここで、「『特別警報級』というなら、どうして特別警報は発表されなかったの?」という疑問が生まれると思いますが・・・
これには特別警報発表の指標が関係しています。

(1)48時間降水量及び土壌雨量指数において、50年に一度の値以上となった5km格子が、共に50格子以上まとまって出現
(2)3時間降水量及び土壌雨量指数において、50年に一度の値以上となった5km格子が、共に10格子以上まとまって出現

のいずれかを満たすと予想され、更に雨が降り続くと予想されることを発表指標としています。
(※4)

つまり、ある程度の範囲で基準を満たすと予想されないと発表されないんですね。


また、今回の見島での大雨についてのネットニュースを見ていると『記録的短時間大雨情報』のことを併記しているものがありましたが・・・これはまた違う情報で、数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測または解析した場合に発表される情報です。確かに、気象庁HP上では、同じ「気象情報」のページに掲載されますが・・・
『○○県気象情報』ではなく、ちゃんと『○○県記録的短時間大雨情報』のようなタイトルで発表されます。

なお、こちらの情報は、(災害の危険度をもとにしているのではなく)降った雨の量について言及しているところがポイントです。いずれにせよ、それだけの量の雨が降っていれば、かなり危険な状況になっていること変わりはありません。


いろんな情報の種類がありますが、ひとつひとつの情報の違いをなるべく理解しておきたいところです。


そんな、今日このごろ


1:気象庁HPから抜粋→http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/345_index.html

2:画像は気象庁HPから→https://www.jma.go.jp/jp/doshamesh/

3:気象庁HPから抜粋→https://www.jma.go.jp/jma/kishou/tyoukan/2013/dg_20131121.html

4:気象庁HPから抜粋→https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq18.html