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広報は信頼から。社内の関係づくりで大切なポイント5つ

2021年1月は、「人との信頼関係」について考えることの多い1ヶ月だった。
考えるきっかけは仕事だったり、プライベートだったり、周りのできごとを見てだったり、自分のことだったり、いろいろ。でもなんだかやたら重なったなーと思う。

広報職に限らずビジネスパーソンなら、信頼関係を作るのは必須。
私は社内広報の目線が強いからその経験で語るとしたら、社内広報を推し進めるのに、経営者にもメンバーにも信頼されなければならないなあと思う。よりよく「変える」には信頼関係はマストで、まさに私も向き合っている最中なのだが…「身内」だからなのかジャッジはなかなかにシビアだ。

そんなところから今実感している、主に社内広報を意識した、社内の信頼関係づくりに欠かせないことを改めてまとめてみる。


1:「自分に近づいてもいい」サインを出すこと

当然だが、近づいてコミュニケーションを取らないと信頼関係は深まらない。そのきっかけが作れているのかをまず確認したい。

私自身は結構人との距離を広めに取るタイプ。なので接点が少ない人には(こちらからわかりやすくぐいっと行かないし、地味に静かにしているので)近づきづらいようである。
ただ、社内広報においてはメンバーと会話ができないと仕事にならないので、最近はできそうなところからサインを出すようにしている。たとえば、randomにぼやきを書いたり、仕事に関係がない趣味の情報などをメンバーに送ったり、オンライン打ち合わせに早めに入室してみたり、など。


2:弱みを見せること

完璧に見せたい願望がある人もいるだろうが、隙がないととっつきにくいもの。「この人のダメなところをやってあげよう、そしてこの人のここがすごいから、自分のことを支えてもらおう」とならないと、信頼関係は築けない。

なおこちらには、弱みを人に見せるために必要な「弱みとの向き合い」も含む。弱みに触れられて辛いようだと、弱みを人に見せようとはなかなかならない。弱みに向き合えていない人は鎧を被る、殻にこもる傾向もあり、いったん自分の弱みをうまく扱えるようになることが大事だ。


3:共通の知識を増やすこと

人の価値判断には持っている知識とその分野が大きく作用する。いろいろな専門性を持ったメンバーのことを見ているからこそ、その違いを痛感している。

その中で、相手の専門分野について「うんうん、それ必要よね」と思うには、その相手が持つ専門分野知識を増やす必要がある。すなわち、信頼関係を築きたい相手がいるならば、その人との共通の知識を増やすこと。

共通の知識を増やせれば、お互いやっていることの必要性をお互いが確認でき、その過程・延長で信頼関係が深まっていくはずだ。

ちなみに、この話は別分野のメンバー同士連携を深めるにあたり社内でもっと知って欲しかったので、社内でスピーチしてみた。すると、数人から「良かった」「納得した」と反応が。
新しもの好きなどの好みがあるとはいえ、分野外の学習をできていなくて信頼関係が深まらない事例はそれなりにある気がしているので、このロジックを知ればいくつかは解決できるはず。肌感覚でしかないが、これは盲点のような気がしているので、社内広報・人事に携わる方には是非このロジック活用いただきたい。


4:距離感を知り、接触回数を重ねること

人との距離感の好みは人それぞれ。私も前述の通りわりと距離広めなので、どんどん入ってこられると戸惑う気持ちはすごくよくわかる。とはいえ、社内広報では徐々に近づき信頼関係を重ねる必要があるので、お互いが持つ距離感の中で、どれだけ接触回数を重ねられるか、である。

相手のキャラクターによるが、私が心掛けているのは以下である。

●相手にとってプレッシャーにならないところから会話をする。
●まずは雑談から入る。できるだけ聞く側に回るが、話がしやすいように広がるように、少しは自分の話をする。
●お誘いをするなら押しつけがましくせず、2割くらいは逃げられる要素を残す。
●自分が相手にできることを考える(Give精神)。ただし相手のことを思っていても、その伝え方は柔軟に。


5:自分をできるだけ健やかに保つこと

上述で偉そうに書いているが、私にも苦手な範囲がある。昨年から社内メンバーとの距離感の模索を始め、こういう状況だとストレスが溜まる、など含めて見えたことがいくつかあった。
目的に向けて全てを自分をやろうとするのではなく、場合によっては得意な他の人にお願いし、その人に進めてもらうこともひとつである。

残念ながらうまの合わない人はいる。その人にいろいろ、嫌なことを言われたりあしらわれてしまったりすることもある。だからといって感情的にならないこと。せっかく次元の高いことを理解されるように頑張っているのに、それはとてもすごいことなのに、感情に流されるだけでレベルが下がってしまう。

そういう人とうまく関わるやり方を模索しよう。直接関わらなくてもやり方はあるはず、信頼関係があればあるほどやり方の幅は広がる。
それでももしその相手と対峙してしまったら、自分を守りながら下手に出ておこう。リモートワークなど距離感があるのならば一呼吸置いて、別の人に返すようないつもと近い返事をしておこう。そのことを見ている人は必ずいるし、わかって支えてくれる人はいるはずだ。


まとめ:広報一人目で味方がいない中で、まずやったこととは

上記の学びは最近思ったことだが、6年半前に今の会社に入ったころの自分を振り返り照らし合わせ、まとめとしたい。

正直なところ6年半前、上記のうち無意識にやれていたことはひとつもなかった。強いて言えば、理解してもらおうと心がけて動いていたこと(4の一部)、理解者がひとりだけいたこと(5)、めげないこと(5の一部)といったところくらい。

今は代表や、社内の複数人に理解してもらえるまでになってだいぶやりやすくなった。遠回りしたけれども、上述の5つにある要素をステップとして踏んだことで今に至ったなというのは実感としてある。
自分が経験したことで大事だったなと思っていることを、上述の分類にあわせていくつか紹介する。

●唯一の理解者に話を定期的に聞いてもらい、励ましてもらった(5)
●相手の理解が少なくても、切り口を探して会話を重ねるようにした(3・4)
●定期の打ち合わせから、相手の弱みや悩みが聞けた。それまではまったくそういう風に見えていなかった、結果的に信頼関係につながった(2)
●広報という分野に囚われない成果を心がけた。広報より先に、人事の分野で成果を出した。(新卒研修のきっかけをつくり同行した)(3の一部)
●全社会議の運営を積極的に行い接点を作った。スキル不足も含め、ファシリテーションをがちがちに作らないようにした(1・4)
●あまり得意でないが、いじられを積極的に受けた(1・2)
●いちいちめげるのをやめた。メッセージングや働きかけは、数打つ必要が何より大事と切り替えた(4・5)
●「広報はこうあるべき」を探究し続け、そこを拠り所にした(5)

めげないのが多分一番大事なのだが、それにすごく重要なのが最後の「あるべきを拠り所にする」こと。
最初は特に、理解者が少ない。そこで拠り所を作らないと精神が保てないだろう。社外の方に話を聞いてもらうのも良いのだが、愚痴大会になり、安易に諦める選択になる可能性も。あるべきの実現を信じて突き進む方が会社の変化を起こせるはず。
私は「ここで諦めたら、職責上、自分の実力はここまでと認めたことになってしまう。それは悔しいから嫌だ」と思ってずっと数年取り組んできた。もちろん心が折れるような厳しい状況や環境にいる場合もあるだろう、そういう場合はリスタートしてもいいのかもしれない。でも、乗り越えられなければ広報人事担当として、実力はそこまでだった、というのは変わらない事実でもある。
私の場合、悔しさが功を奏したのか、一人だった理解者が二人、三人…と増えたら、一気に楽になった。

こうやって振り返ると、自分の精神を保つために(5)最初は経営者など目線・立場が高い人のコミュニケーションを重点的に行い、経営課題に対して役立つことを目指してきたなと思う。そして今、挑戦しているのは、その範囲を若手メンバーまで広げていくこと。これから、私にとって1や2はもっと大事になってくるだろう(そして、メンバーに、広報含めた目線の高さを一定求めることも)。

広報の立ち上げや、ひとり広報で苦しんでいる人の話も多く聞き、自分の経験からも大変に心苦しく感じている(人ごととして思えず、私もまたやるのはしんどくて無理かも…と思うくらい)。いち中小企業の狭い事例ではあるが、ぜひ参考にしていただきたい。

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