オンサイトの価値

クライミングの完登には複数の種類があります。フラッシュ(一撃)、レッドポイント、ピンクポイント、オンサイト‥。今回は自分が思う完登について、まとめてみようかなと思います。

スタイルの話

フリークライミングは「岩の特徴と自分の体を使って登る」というスタイルの世界です。『Rot Punkt』/patagoniaでは

「こういうことだ、おまえらもうハーケンを引っ張るんじゃないぞ。ハーケンを引っ張って上に行くんじゃない。それでは登ったことにならないから。何にも頼らずに岩の特徴だけで上に登るんだ」
「クライミングの進化は『頂上に達すること』から『どうやって達するか』に変わった」

と語られています。フリーのスタイルに則った上で、さらにオンサイト(事前の情報なしで登ること)は記録的な価値があります。単純なクライミング能力の他にも、オブザベーション能力、リスク管理、恐怖に打ち克つ精神力等々、評価される理由はさまざまな観点で挙げられます。これは個人的に思うことですが、オンサイトできる能力を培うための研鑽が賞賛されている、数多の積み重ねに価値があると広く考えられているのかなと‥。

トレーニングにおいて

普段のトレーニングで登る課題のオンサイトは、効率の観点から意識すべきだと思っています。少ないトライで登れれば、体力と時間の節約ができるため、トレーニング時間の効率が上がります。また、トライ数を減らそうとすれば自然と1トライの質を上げようと考え始めます。できない理由を明確にして、解決策考え、実行するのPDCAサイクルをはっきりと意識して回すことができるようになります。長期的に改善しなければいけない問題ももちろんありますが、ムーブなどのその場で修正・習得できる部分が増えることによって、より多く登れるようになるので非常にメリットは大きいと考えます
それから、外に行ったり、遠くのジムに遠征したり、といった成果を出したい場面でも活きてきます。特に外の岩では天気やタイミング等も関係するので、良い時に登り切ることは非常に大事です。トライ数というよりも日数の方が個人的には気になります。

まとめ

オンサイトは価値としても、意識としても大切な考え方だと思っています。
限界グレードでのレッドポイントも当然大事なものなので、
オンサイトグレード、レッドポイントグレードをバランスよく高めていきたいですね。

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