目を閉じ星になっても


大切な人が目を閉じ星になっても


朝の光は容赦なく平等に爽やかで

お客さまとこの上ない笑顔で言葉を交わし

同僚と天真爛漫な明るさで冗談を言い合う

昨日と同じ世界が私を通り過ぎていく。


わたしのこの言葉にならないかなしみは

花弁が開きやがて落ちていくように

わたしの心からゆっくりと剥がれ落ち

流れないわたしの涙の代わりに

固形の雨粒となって

沈んでいくのでしょう。


わたしの奥深くには

わたしにさえ触れることのできない

仄暗くそれでいて何よりも純真な窪みがある。

心のかけらはこの世界の二十四分の一の速さで

そこへ沈んでいき

わたしは息を浅く止めて

その美しい時を眺めているのでしょう。


こうしている間にも

私は24倍速の世界で笑顔を被りながら

昨日の続きを生きていく。

大切な人をゆっくりと沈めながら。

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