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「たくさんの“好き”に触れて、共通項を探していく」cocorone編集長とみこさんの自分らしい世界観のつくり方

こちらはライターmadokaさんからの寄稿文です

「統一感が大事」とよく聞くけれど、世界観の作り方もイメージを統一させる方法もよくわからない。そもそも、私の“好き”って、なんだっけ?

統一された世界観がまるでない自分のInstagramの投稿欄を開いては、頭を悩ませて結局投稿せずに画面を閉じてしまう。なにが“好き”なのかがしっかりわからないから、どんな世界観をつくれば良いかわからない。そんな風にInstagramの世界観に悩んだ経験をお持ちの方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

2020年6月7日(日)にオンライン配信で開催した、オンラインコミュニティ「.colony」の主催イベント“ .colony × Photoli × GENICの「写真のはなし」その4 - 世界観のつくり方ってどうしてる?編 –” では、自分の“好き”がわからない、世界観を統一できないと悩んでいる方にヒントとなりそうなお話がたくさん出てきました。

ゲストが今までどうやって“好き”を見つけてきたか、撮影時にどんなことに気をつけているか、撮影時に必須なアイテムなど詳しくお話いただいたので、そのイベントをレポートしていきたいと思います。

○ 「.colony」について知りたい方はこちらから: https://note.mu/nontsu/n/nf072479c9872
○ 以前のイベント内容が気になる方はこちらから: 
https://note.com/shino74/n/nb1038b87ea94

今回のゲストは、ライフスタイルメディア「cocorone」の編集長とみこさん。「うつわで暮らしに彩りを」をコンセプトに日々の暮らしが楽しみになるうつわの情報をInstagramで発信しているメディアです。

cocoroneさんを開くたびにいつも感じるのは、柔らかな統一された世界観。温かみのある投稿が忙しない日常の中に小休止をつけてくれるかのようです。今回はその世界観の秘訣を編集長のとみこさんにお話していただきました。

4回目となる今回も、登壇者は「.colony」主催の古性のちさん、コミュニティゲストである写真メディア「Photoli」編集長の横尾涼さん、カメラとトラベルのライフスタイル雑誌『GENIC』を発刊するミツバチワークス株式会社代表の光山一樹さん、前々回のゲストであるフォトグラファーのコハラタケルさんの5人でお送りします。

「自分らしさ」の迷子にはまっている人に、次に踏み出す一歩のヒントを持ち帰ってもらえたら嬉しいです。

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古性 のち(@nocci_84)
1989年生まれ。写真を通じ⽇々に⼼を寄せる⼈々が集うオンラインコミュニティ「.colony」主宰。世界中を旅しながら「写真と言葉」を組み合わせた作品を作るフォトグラファー / BRIGHTLOGG,INC 取締役。世界の青を集めるのが好き。最愛のパートナーはFUJIFILMのX-T3。SNSの総フォロワー数は、11万人ほど。
■ 横尾 涼(@ryopg8
写真のコツとフォトスポットを紹介するwebマガジンPhotoliの編集長・フォトグラファー。写真の楽しさを広めたい人。マーケと写真が好きです!
■ とみこ(@tomiko_tokyo
ライフスタイルメディア「coconone」の編集長。IDENTITY所属、フリーランスとしてプロジェクトマネジメント、SNSコンサルティング、編集などに携わる。noteで運営しているオンラインコミュニティ「SNSバルコニー」にて、個人発信のアドバイスなども行う。SNSの総フォロワー数は、累計6万人。
■ 光山 一樹 (ミツバチワークス代表取締役
2005年ミツバチワークス株式会社設立。2010年より雑誌の発行を開始。カメラとトラベルのライフスタイル雑誌「GENIC」の発行人で、全体のコンセプト、企画、SNSの運用などを担当。
雑誌 GENIC
Twitter @genic_web
instagram @genic_mag

■ コハラ タケル(@takerukohara_sono1
フォトグラファー。1984年、長崎県生まれ。フリーライター時代に写真撮影も始め、その後、フォトグラファーに転身。企業案件や家族写真を撮影するだけでなく、会員140名を越える月額制noteサークルの運営も行っている。現在SNSの総フォロワー数は12万人以上。


テーブルフォトを撮る活動が企業コラボにもつながった

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とみこ:まず、自己紹介をさせていただけたらと思います。
私は普段、ライフスタイルメディア「cocorone」の編集長をしていて、その傍らでフリーランスとしてプロジェクトマネージャーやSNSのコンサルティングなど、様々なお仕事をさせていただいています。

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具体的なお仕事としては、スライドにある3つの事業です。まずは、うつわを中心に情報発信をする「cocorone」から紹介させてください。

cocoroneは、主にInstagramで日々の暮らしが楽しみになるようなうつわの情報をお届けしています。2020年3月にはメディアと並行して、オリジナルのうつわをつくるプロジェクト「きほんのうつわ」も始めました。

あとは、個人のお仕事でスキンケアを中心に情報を届けるインスタメディア「Miilabo」にも参加。こちらは編集部3人のリアルな口コミを発信するメディアで、私は補佐的な役割を果たしています。

3つ目は個人活動なのですが、「SNSバルコニー」というオンラインコミュニティも運営しています。Twitter、Instagram、noteを中心に、SNSを楽しみながら続けるために、みんなと日々情報交換しています。

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次に、いくつか作例をご紹介させてください。
この写真は2018年にキリンさんとコラボしたときに撮影したもの。cocoroneではテーブルフォトが多く、個人のフィードもフード系の写真が多いので、このようなご依頼が多いですね。余談ですが、「秋味」本当に美味しいんですよ。今年も秋頃に出るはずなので、もし良ければみなさんも買ってみてください(笑)


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他にも、「#紅茶のある風景」のテーマで、noteを書かせてもらったりもしました。「#紅茶のある風景」は「午後の紅茶」が、紅茶文化をより身近なものにするために企画したnoteの投稿コンテスト。お手本投稿を書いた際、撮影したものです。


古性:え、おしゃれ……! うつわは、とみこさんの自前ですか?

とみこ:わ、ありがとうございます! そうですね、自前です。グラスとかは無印良品のものなんですよ。こうやってみると、やっぱりテーブル周りの撮影が多いですね。


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とみこ:昨年夏には、化粧品メーカーの「RICE FORCE」さんからご依頼いただいて、化粧品の撮影もさせてもらいました。化粧品単体で物撮りというよりは普段使っているものと一緒に撮影して、暮らしの中で使うイメージがつくようにしました。


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こちらの写真はお仕事ではないのですが、個人のInstagram用にお気に入りのうつわを撮影したものです。

古性:どれもおしゃれですね。スタイリングにはどれくらいかけていますか?

とみこ:この写真のときは20分くらいですかね? スタイリングは決めきらずに撮影しながら微調整を繰り返していく感じで撮っています。


世界観をつくるには、自分の「好き」を見つけること

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とみこ:今回、のちさんから「世界観を作るために何をしているか」というお題をいただいていたのですが、私はふたつあるのかなと思っていて。

一つ目は、「自分の好きを見つけること」かなと。やっぱり好きなものだと、写真も心なしか綺麗に撮れるような気がします。

私の場合、「ガラスの器が好きっぽいぞ」と最近気付いたので、ガラスの器を撮ったりとか。あと、白っぽい写真も好きなので、レタッチも含めて自分の好きな写真に近づけられるように写真を撮るようにしていますね。

古性:私もよく相談されるのですが、自分の“好き”の見つけ方がわからない人が多いのかなと思っていて。とみこさんは好きを見つけるときに意識していることはありますか?

とみこ:いろんなことに挑戦するかもしれないですね。最近だと、stand.fmという音声メディアを始めたりとか。やったことがないことに挑戦しながら、自分にとって心地よいポイントを探していっています。

考えてみたら、うつわも一緒ですね。今まで「この作家さん好きだな」と思うことはあったのですが、どんなうつわが好きかは言語化できていなかったんです。でも、去年の春に益子焼の陶器市に行ったときにたくさんのうつわの中から、自分の好きなうつわを見つけられたことがあって。とにかく量をみる中で、「自分が好きだな」「心地よいな」と思えるポイントを見つけて、共通項を探し出しておくと、“好き”が見つかりやすいのかなと思います。


架空の書き手をつくり、しないことを決める

とみこ:もうひとつ、「しないことを決める」ことも大事だと思っています。リリースして3年が経つcocoroneですが、実はコンセプトを少しずつ変えているんです。

最初は「明日の朝が楽しみになる」をコンセプトにコーヒーやお掃除、お出かけ情報なども出していたのですが、扱う範囲が広すぎて軸がぶれてしまう可能性が出てきて。途中から「テーブルから半径5m以内の暮らし」に変更しました。その後、「もっと範囲を狭めよう」となり、去年の夏頃からうつわにフォーカスした情報を発信するようになりました。


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古性:確かに、cocoroneさんの投稿をさかのぼると、いまと雰囲気だいぶ違いますよね。どういうプロセスで、しないことを決めたのですか?

とみこ:cocoroneはSNSのメディアなので、ジャンル特化の方が、他のユーザーからもわかりやすく、アルゴリズムも伸びやすいと思ったんですよね。うつわは当初から人気のコンテンツでしたし、事業を立ち上げたときから「地域にあるうつわをもっと発信したい」という想いが根底にあったので、原点に返ろうという話にもなりました。

コハラ:しないことを決める」ことは僕もかなり重要だと思っているのですが、決めるときはどういう基準で“しない”と決めているのですか?

とみこ: cocoroneには「ふみの」というひとりの架空の書き手がいて、その人の暮らしの中にうつわが出てくるイメージで投稿しています。

とみこ:ふみのは、結構インドアな性格で家の中で読書を楽しんだり、季節のことを楽しんだりするような、ちょっと物静かな性格の人なので、そこから外れるようなコンテンツは取り上げないように、と。

コハラ:え、面白いですね……!

とみこ:あとは、Pinterestで「ふみのってこういう人だよね」と共有できるようにイメージボードを作りました。明るい色味で天然素材のものを着ているイメージが共通認識だったので、ピンクでかわいらしすぎるお皿とかはあまり使わないようにしています。

光山:面白いやり方ですね……! cocoroneさんの編集部は現在、何人くらいいるのですか?

とみこ:編集部は15人くらいで、書き手は4人ですね。タイムラインがイメージと外れてきているなと感じると、以前作ったふみのの詳細な設定が書かれた資料を見ながら、みんなで何が違うかを話し合い、軌道修正をしています。


パキッとした写真から、落ち着いた色合いへ 〜とみこさんの写真の変遷〜

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とみこ:次に、写真の変遷についてお話できればと思います。
最初に「写真楽しいな」と思ったのが、Instagramが出始めたくらいのiPhoneで写真を撮り始めたタイミングでした。当時はInstagramのフィルターを使って、レトロ調の写真を投稿していましたね。

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この写真は、スマホで撮影したものです。いまと違って、パキッとした写真を撮ることが多かったですね。その後、ライターの仕事を始めたときに「スマホだと取材先にかっこがつかないから」とカメラを購入しました。

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とみこ:こちらは過去の投稿と最近の投稿を比べたものです。最近は、彩度低めの落ち着いた色合いの写真が多くなってきましたね。

古性:それに、余白も広いですよね。

とみこ:確かにそうですね。2018年のころは友達同士でつながるくらいだったのですが、cocoroneに入ってからは「cocoroneに流入させるアカウントを作らないと」と思って本格的に使い出すようになりました。

お気に入りを見つけて、自分らしい世界観を作る

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とみこ:次に、世界観を作るために必要なものを、もの編とアプリ編に分けてご紹介できればと思います。

もの編として最初にご紹介したいのが、お気に入りのうつわ。白いお皿とガラスのうつわ、あとは写真にも写っているCutipol(クチポール)のカトラリーは登場頻度が高いですね。

真ん中にあるのが、最近よく使っている白い天板です。この上にうつわを載せたり、BAKEのように直置きしたりして撮影しています。以前は白い布を使っていたのですが、シワが目立ってしまうので、天板を購入しました。

カメラは2年前に購入したSONYのα7III、レンズはTamronの28〜75mm f2.8を使っています。旅行でも、テーブルフォトでもこのレンズ一本でできてしまうので、すごく便利ですよ。あ、でも最近FUJIFILMが気になっているんですよね。

古性:お…!ぜひぜひ! でもその話をはじめると、このイベントがただのFUJIFILM愛を語る会になってしまうので、この場ではやめておきますね(笑)


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古性:ちなみに、お気に入りのうつわはあるのですか?

とみこ:この写真の右下に写っている白とカーキのオーバル皿はよく使っています。三重県四日市市にある「光泉窯」さんという窯元の作品をプロップスタイリストの菅野有希子さんと西村有さんと一緒に益子の陶器市に行ったときに見つけて。この2枚は気づけば全員購入していました(笑)

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とみこ:次は、よく使っているアプリを紹介させてください。
私は、Lightroomのスマホアプリをよく使っていて、TwitterにはLightroomで加工した写真をそのままあげることが多いですね。あと、真ん中に書いたVSCOもよく使っています。

古性:そうですよね〜、VSCOはめっちゃ使える。この中でVSCO使っている人〜?(登壇者に呼びかける)はい、ほぼ全員です〜(笑)

とみこ:便利ですよね。みなさん、お気に入りのフィルターとかありますか?

横尾:僕はE3を使っています。むしろ、E3しか使わないですね。

古性:私は、A1をよく使っています。最初、涼くんからA1をおすすめされてずっと使ったいたんだけど、今E3といわれて、裏切りを受けた気分(笑)

横尾:え、僕A1使ったことないよ、たぶん(笑)

コハラ:僕はアプリではなく、PC版のVSCO「Kodak Ektar 100 Cool +」をよく使います。

古性:みなさん、それぞれ好きなフィルターがあるのですね。

とみこ:あとは、Instagramで投稿の並びをチェックできる「UNUM」もよく使っています。前後の色味が被らないように確認することが多いですね。cocoroneもフレームあり・なしを交互に投稿しているので、どんな見え方になるかを確認しています。

古性:わかる......! これも便利ですよね。どれもめちゃくちゃ使えるアプリなのでもし持っていない方がいたら、ぜひダウンロードしてみてください。


想いを軸につながる日々の活動

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古性:それでは、登壇者のみなさんや視聴者の方からの質問に答えていきましょうか。

Q. とみこさんは俯瞰撮影も多いと思うのですが、三脚は使っていますか?うつわの撮影時に気をつけていることやおすすめの撮影グッズがあれば教えてください。

とみこ:実は三脚は持っていないので、天板を床に置いてわりと高いところから手で撮影しています。だから、あとで加工のときに水平とかは直している感じですね。

古性:三脚ない人も勇気が出る発言ですね(笑)ちなみに、天板はどこで買ったのですか?
アイリスオーヤマさんで購入しました。以前、プロップスタイリストの西村有さんが「こっそり教える、お洒落な物撮りを叶える5つのこと|背景編」というnoteを書いていたのですが、そこで紹介されていた商品です。


とみこ:ええっと、気をつけているポイントかぁ。なんだろう。
あ、白いうつわは、結構暗くして撮っていますね。露出とかであとで直すようにしています。あとは、白いうつわを使いたいときは、白い料理を持ってこないとか。

古性:確かにそれは大事かも! 


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光山:とみこさんのお話を伺っていて、好きなものがクリアな印象を受けたのですが、自分の“好き”が形になり始めたのにはきっかけがあるのですか?

とみこ:実家を出て、自分で選ぶ楽しさに気づき始めたときから少しずつです。といっても、実家を出てすぐは一式無印良品などで揃えていてあまりこだわりはなくて。cocoroneに入ったころにSAKUZANという美濃焼のうつわに出合って、「うつわを変えるだけで気持ちがこんなにも変わるんだな」と気づいたんですよね。

光山:実家を出てから今まで、大きな変遷みたいなものはありましたか?

とみこ:陶器市に行って目で見て触って好きなものを探した経験は大きかったです。洋服でもそうだと思うのですが、多くのものから意志を持って選ぶ経験を重ねると“好き”が見えてくるような気がしますね。

古性:好きなものを見つける練習は大事ですよね。とみこさんのお話にも出ていましたけど、Pinterestは好き探しに最適なツールだと思っていて。ある程度のクオリティが集まっている場所だから、その中から選ぶことが好き探しの練習になるのかなと。私も朝20分間「ピン活」と称して、自分の好きを集める活動をしていたこともありました。

とみこ:それは面白そう……! どういう視点でやっていたんですか?

古性:そのときはコミュニティメンバーと一緒に日曜に食べたくなるお菓子とか、生活を彩る器とか、共通のテーマを決めてやっていました。

とみこ:楽しそうですね! あと、コハラさんや涼くんが、どういう歴史を経て今の作風にたどり着いたのかを聞いてみたいです。

横尾:僕は2年前か3年前の秋、栃木の中禅寺湖に行ったときに、めちゃくちゃ良い写真が撮れて、良いレタッチができて。それ以来ずっと同じやり方ですね。

古性:そういえば、前回のイベントのときに「最近はレタッチ迷子」と言っていたけど、その後どう?

横尾:変わらず迷子中(笑) 最近は、写真を撮れていないので難しいですよね。

コハラ:僕の場合は、Instagramを始めてから1年半くらいは赤いリボンを入れたりしてアーティスト感を全面に出した投稿をしていたんです。でも、アイデア勝負の撮影が続いて苦しくて続かなくて。それであるとき女性ポートレートを撮ったときがあって、「あ、これだったら続けられるかも」と思って、それ以来女性ポートレートをメインにするようになりました。


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改めて考えると、好きだから続けられるのではなくて、続けられることが好きなことだったのかなと。僕もたまにアドバイスを求められるのですが、「続けられることを探したほうがいいよ」と伝えることが多いですね。

Q. 「人のライフスタイルを豊かにしたい」というお話がありましたが、そう思うようになったきっかけは?

とみこ:スタバで働き始めたことが大きいですね。スタバには「人々の心を豊かで活力のあるものにするためにー」という全社のミッションがあります。6年半の間、1杯のコーヒーでお客様の心を豊かにできるように働いてきました。

SNSも接客の延長線上として捉えていて、スタバ時代には目の前にいる一人のお客さんだったけど、SNSでは一度にいろんな人に届けられるようになったような感覚でやっていますね。

Q. 自分に影響を与えた作家さんや作品、メディアはありますか?

古性:うーーん。思いつかないな。個人的に『GENIC』の世界観について聞いてみたいのですが、光山さんどうですか?

光山:ミツバチワークスは元々明確な目的がないまま、3人で始めたんですよね。ブログサービスの運営をしたり、10年ほど前から雑誌の発行を続けていく中で、人が表現していくことって素晴らしいなと思うようになりました。

それまで限られた人しか表現をする場がなかったものが、インターネットのおかげで誰もが自由に表現できるようになり、表現の幅がとても広がったと思います。GENICの世界観という意味では「表現することは、私らしく生きること」と考えているので、「表現」と「表現する人の想い」にフォーカスしてきたし、これからもそうありたいです。

のちさんみたいに自分の世界観を、写真はもちろんですが、言葉でもしっかり表すことができる人は本当にすばらしい。

とみこ:『GENIC』さんって写真のイメージだったので、7月号で音声メディアの特集( Internet Radio!「音声配信プラットフォームがキテる!」)をされたのが意外だったのですが、人にフォーカスしているんですね。

光山:音声メディアも『GENIC』でコラムを書いてもらっている市川渚さんがやっていたのを聞いたら面白くて。だから、何かのカテゴリーというよりも、人に興味があるのが、根底にあります。

古性:なるほど、ありがとうございます。他のみなさんは、どうですか?

とみこ:最近はSNSが発達している中で身近な人がロールモデルになっているような気がしますよね。

古性:確かに。色んなところからエッセンスをもらって、自分の中で昇華する感じだよね。

コハラ:僕も色んな人の作品から3枚くらい好きな写真があって、その集合体が自分みたいな感覚ですね。

古性:まさにピン活ですね、ピン活(笑)半年前に良いと思っていたものが刺さらないものに変わっていたりもするから、常にエッセンスを取り入れてアップデートすることは、たぶんみんなやっているのかなと。

Q. うつわにもトレンドがあると思うのですが、今年はどんなトレンドが流行ると思いますか?

とみこ:トレンドかわからないのですが、最近は海外のうつわが気になっていますね。最近、『Casa BRUTUS』さんでうつわの特集をしていて、北欧とは違う柄が特徴的な世界のうつわがたくさんあって気になりました。ちょっとずつ海外のうつわは来るのかなと。

古性:確かに!中東とかもめっちゃかわいいですよね。アジアっぽいのと、北欧系とヨーロッパ系のエッセンスが混ざっている感じ。私も最近、雑誌で見かけるので気になっていました!

古性:と、気づけば、もうこんな時間……! あっという間に時間が経ってしまいますね。

みなさま、1時間半も聞いてくださって、ありがとうございました。次は、7月くらいにできたら良いなと思っています。またそのときにお会いしましょう!

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text by - madoka ( https://twitter.com/onehap )

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