岡山県の港町で二拠点の暮らしを始めました
タイトルそのままの通り、岡山県の港町にちいさなお部屋を借りました。
東京と岡山にひとつずつお家があり、行き来している状態です(※)
実は東京のお家についても報告があるのだけれど、それはまた次回のタイミングで。
※ 現在は仕事以外での不要不急の外出・移動は控えています。
わたしの住んでいるエリアは、栄えている岡山市内からさらに、ローカル電車で30分ほどゆっくり行ったところ。
田舎に暮らすのは実に7年ぶりで、
荷物の時間指定はできないし(最初驚いたけどすっかり慣れてしまった)、
かなりノスタルジックな2Kの間取り。
周囲には何も建物もないし、やってくるのは見たこともない虫と、イソヒヨドリくらい。
そして静かな港のある海まで5分。
それだけ。
映画「めがね」の言葉を借りるのであれば、 ここは黄昏が得意なひとたちが集まる場所なのだと思います。
なぜ二拠点先を岡山県にしたのか
岡山に通い始めたのが2017年。
はじめて訪れたキッカケは、当時わたしが開催していた全国6箇所を回る写真展。
そしてこの港町のエリアにはじめて訪れたのは2020年くらいからで、たまたま撮影で立ち寄ったこの場所に強烈な懐かしさを感じたのでした。
「工藤くん。懐かしいって感情はね、恋に似てると思うの」
九龍ジェネリックロマンスの主人公、鯨井の想い人、工藤に言い放ったセリフに、そうそう!懐かしいと恋ってセットなのよね、と思った。
これまで度々足を運ぶようになった場所も人も店、ああこの人といると懐かしいなあとか、思っていたから、鯨井のこの感覚はよくわかる。
つまり多分、一目惚れなんです。
わたし岡山に恋したんです。
「なんでこの場所にしたんですか?」と何度も聞かれたけれど、恋だと言ってしまえば全てに説明がつく。便利な言葉だ。
1. 出会った人たちの取り組んでいることや、世界観に共感した
もう少しだけまじめに二拠点を始めた理由を並べてみると、まずは多分、人との出会いが最高だった。これはこの港町に限らず、岡山全体で出会った人達に当てはまる。たまたま運が良かったのだと思うし、必然だったのかもなあとも思う。
まず岡山に興味を持つきっかけをくれたのが、瀬戸内かわいい部のやすかちゃん。そしてその部員のみなさま。
そこから「岡山に暮らす」を加速させてくれたのが、岡山市内で不動産を運営しているフクシマ宅建グループの犬飼さんや岡田さん。
そこから繋がった畑でとれるアイスのお店aobaのおとちゃん。
奉還町でスムージー屋モアフルを営む橘さん。(おとちゃんはそれこそ昔からの友達のような気になるし、橘さんにはついつい会いに行ってしまう)
移住を決めた港町では、なんといってもうのまち珈琲のオダさん。
そこから繋がった、圧倒的世界観を持つカフェbelkの北村さん。
児島の有名宿Floatのお2人。
今ではなくてはならない存在になったFさん。
そして移住コンシェルジュのMさんの存在も大きい。
月並みな話かもしれないけれど、知り合った人達の表情や選ぶ言葉、作るものが私にとっても大事にしたいものだったし、お手伝いできる事があるなら、一緒にやりたいなあと思ったし、できるならば、この人たちとずっと付き合っていきたいと思った。
それをするならば、やっぱり私自身がこの土地に、お邪魔するのが早いなあと思ったからこそ、今回「根を張る」という意味合いで、部屋を借りました。
ちなみに近所(?)には、あかしゆかさんの素敵な本屋さんaruもopenしました。
2. 世界中で最も愛した好きな「あの町」と同じ匂いがした
あとはなんと言っても、この港町はわたしが世界の中でも愛してやまない、タイ・チェンマイに似ている。
わかる!という人もいると思うし、逆にどこが?とおどろく人もいると思う。(だけれどどっちだって良いのだ。大事なのは本人がどう思うかなのだから)
何が似ている?と聞かれるとなかなか言語化がむずかしいのだけれど、やっぱり懐かしさかなあ。初めてチェンマイに行った時もわたし、ひたすらに懐かしいと感じたんだよなあ。
「懐かしい感じがする」と、チェンマイに引っ越してきたり、ふらり旅をしたみんなが口を揃えて言う。「なんだか、初めてきた気がしない。すっと暖かい気持ちになる」と。私も初めてこの土地を踏んだ2年前、身体中に安心感が走ったことを覚えている。いつも海外へいくと、やはり背筋が伸びて「よしっ」と少なからずの気合いが入るのに、この町はなんだかそういうものを「まあまあ、肩の力抜きなって」とふにゃっと捻じ曲げて、ゴミ箱に捨ててしまう。
- 当時のブログより抜粋
色に、人に、町に恋して、何度も何度も足を運んだ町。
あの空気感にちょっぴり、似ている気がしているんです。
3. 好きな場所に「居心地の良い巣」を作る経験をしたい
これまでずーっと長いこと、わたしは「旅」を人生の中心に置いて生きてきました。固定の家もなければ持ち物も最小限。国から国へ、大陸から大陸へ、鳥のような自由な生活。
身軽であることが最優先だったし、その人生を「最高」だと思ってきました。
だけれどやっぱりふと心が落ち着く瞬間は、ふかふかのベッドだったり、柔らかく光が入る机で仕事をしているときだったり。
そういう場所に出会ったとき、ふにゃっと心が緩むんです。
旅でぴんっと気が張っていたのが朗らかに緩んでいくような。
きっと今世、わたしの旅暮らしは長いスパンで続いていくのだけれど(まだまだ旅の途中)
そんな場所を自分でも持っていたい。
一度2019年にもバンコクに家を借りて住んだことがあるのだけれど、あのときは家具付き・プール付き・ジム付きのタワーマンションに住んでいたので(しかもこれで家賃3万円。人生で一度タワマンに住んでみたい人はおすすめです)
今度はもっともっと、鳥が枝をせっせと集めながら特別な場所を用意するように、0から自分が好きなだけで固めた「巣」を作りたいと思っています。
これから岡山でやりたいこと
1. お家のインテリアや二拠点の暮らしの発信
まず小さなところからだと、個人的に挑戦したいのが家づくりの発信。
人生初の家ができていく過程を、Youtubeでの動画やSNSでの写真でお伝えしていきたいです。きっと動画も上手になっていくはず...(笑)
写真は、人生で初めて買った机。アンティークです。可愛くてメロメロ。
(ちなみに部屋のコーディネーターは別途違う人にお願いをしています。こちらもまた紹介します)
2. わたしらしいアプローチの方法で、町づくりや、それに関連した発信に関わってみたい
大きなところだと、町づくりに関わっていきたい、というか関わってみたおです。
といってもものすごい壮大なビジョンがあるわけではなく、この大好きな町が、わたしだけではなく、もっと多くの人にとって特別なものになる、愛されるキッカケを私なりの方法で考えていきたいなと思っています。
その為にできることは試行錯誤していきたいし、巻き込める人は巻き込みたい。また時がきたら色々お声がけさせてください。
ちなみにこちらは個人で、というよりは私が取締役として関わっているブライトログのみんなと一緒に。
よくフリーランスだと思われるのですが、実は密かに会社所属です。
そんなに自由な働き方ありですか?と割と驚かれるのだけれど、またこの話はどこかで。
その他にも小さなやりたい事はたくさんあるのだけれど、長くなりそうなので別でまとめます。
一緒にわくわくしながらものづくりしてくれる人も探してます。
作ってみたいものが沢山ある。
直近の二拠点暮らしの写真は「CHOOSEBASE SHIBUYA」の公式メディアにて
実は9月にスタートする西武渋谷のスペースCHOOSEBASE SHIBUYAの公式メディアにて、連載枠を持たせてもらうことになりました。そこで二拠点暮らしの写真を、素敵なブランドさん達のプロダクトと共にたっぷりと公開していく予定でいます。理念も姿も美しいブランド達と一緒に成長していく我が家と拠点を、あたたかい目で見守っていただけたらうれしいです。
お話をくれたのはすみたさん。既に1作目は公開準備中です
とりあえず、今はほぼガランとした何もない部屋で、窓から海をみながらこれを書いています。これからこの土地で、どんな風に暮らしが広がっていくのだろう。
何もないけれど、ここにはわたしの求めていたものがある。
そんな気持ちでいます。
こんな世界だけれど、
わくわくも不安も、言葉や写真でおすそ分けしながら、
この二拠点生活を楽しんでいきます。
岡山のみなさま、港町のみなさま、
どうぞよろしくおねがいします。
2021年9月2日 古性のち
いつもありがとうございます。いただいたサポートの一部は書く力の原動力のおやつ代、一部は日本自然保護協会に寄付させていただいています。