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ときどき届く

鳴り止みはしない。そんな風に感じる。

望んだほどにはきっちりとやってくるわけではない、自分宛ての呼び出し音。いつであってもあれば応えてしまうもので、届いたものはこの時間と同じように照らしてくれている。結局、宝物については説明できないまま宝物なのだ。

今日も猫の視点から草むらを見つめ、猫の「もう少し」という気持に共感するように家の中に招き入れる時間は延び延びになる。テクノロジーがそんな何でもない情報まで届けられるように進化したのかどうかは分からないけれど、幾らかやわいだ心は自然と行き先を求める。昭和のなにか、平成のなごり、なきゃないで欲しくなってしまうものだけれど、案外なにもかもが共存しているかのような時代性は心地よいのかも知れない。

交わされてゆくものは、とびきり間違ったもの。そんなものを抱える方が珍しいはず。

間違ってはいるかも知れない。それでも変な鳴き声をしてくれた方がちょっと嬉しい。

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