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はじめまして!みみず書店です。

ナンセンス絵本の神様「長新太」の絵本・童話・関連本のみを取扱うネット古本店みみず書店です。2023年5月にオープンしました。


長新太(1927-2005)
東京生まれ。1949年、東京日日新聞の漫画コンクールに入選。東京日日新聞の嘱託社員となり、4コマ漫画『ポン君カン君』連載スタート。1955年、東京日日新聞の休刊を機にフリーランスとなる。1958年、『がんばれさるのさらんくん』(作・中川正文 福音館書店)で絵本作家デビュー。1959年、『おしゃべりなたまごやき』(作・寺村輝夫 福音館書店)で第5回文藝春秋漫画賞を受賞、以降受賞多数。1994年、紫綬褒章受章。 作品にあふれるユーモアと奇想天外な展開からナンセンスの神様の異名をとった。


みみず書店オープンまでのことを書いていきたいと思います。

それは、遡ること2006年。
運良く、地元福岡の出版社からはじめての絵本を出版していただいた私は、「これからは、絵本の文を書いて生きていきたい」と強く思い、仕事をしながら書店や図書館に通う日々を送っていました。
そんな中、紀伊國屋書店福岡天神店(2007年3月末閉店)で出会った絵本が、長新太の遺作『ころころにゃーん』(福音館書店)です。

ねこ好きであるため、ねこの本はすぐに目に留まります。でもそれ以上に、ショッキングピンク1色のフェルトペンで描かれた絵が衝撃的で「この絵本かいたのだれー⁈」と心の中で叫んでいました。
すぐに購入し、付録の『絵本のたのしみ』を読み、著者である長さんが前年(2005年)に亡くなられ、『ころころにゃーん』は病床で描かれた最後の作品であることを知ります。そこから長さんの作品を追いかける日々がはじまりました。元々お笑い好きで、子どものころの夢が「吉本新喜劇」入ることだった私は、なんじゃこりゃな長新太ワールドに魅了され、その内、「長新太屋さんになりたい」を思うようになりました。多くの長新太作品に囲まれて生活したいと思っていました。その頃、「長新太屋さん=新品の長新太作品を取扱う書店(実店舗)」という発想しかなかった私は、「ムリばい……。ムリやもん……」とあきらめ、数年が経ちました。

その数年の間、ありがたいことに地元の出版社から子ども詩集を出版していたたいたり、短歌をはじめてみたり、再婚してみたり、更年期障害に陥ってみたり……いろいろあって本のことから離れている時期もありました。

2020年夏、体調は戻ってきたものの、まだうつうつしていた私は、「これはあたしじゃなかなー。こげんじーっとしとうのあたしじゃなかもん」と思うようになり、また絵本を手に取るようになりました。

そんな中、絵本のイベントを通して知り合った方が、シェア本棚に出店してみないかと誘ってくださいました。
「そうたい!あたし長新太屋さんになりたいって思いよったったい!」
すぐに、シェア本棚に並べる本を探すため、古本店めぐりがはじまりました。シェア本棚で販売する本は、長さんの作品のみとは決めていなかったものの目に留まる本は長新太作品ばかり。その内、「自分で古本屋さんばはじめればいいっちゃないとー」思うようになり、今に至るです。

長さんが亡くなられて20年が経とうとしています。書店や図書館の本棚に並ぶ長新太作品は少なくなってきているなあと感じます。

こちらで、「へんてこで美しい長新太の世界」を、みなさんと一緒に楽しんでいけたらと思っています。よろしくお願いいたします。

『ころころにゃーん』 作:長新太(福音館書店)
左:2006年こどものとも0.1.2.発行 ボードブック
右:2011年0.1.2.えほん第1刷 上製本 本編ボード

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