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【開催報告】かみいけ・ゆる読書会vol.5 「村上春樹作品」と読書ー(新作発売前に)村上春樹作品を知ろうー

4月8日土曜に、「かみいけ・ゆる読書会」を、上池袋のコミュニティスペース・くすのき荘にて開催しました。


かみいけ・ゆる読書会は、「本を持たずに手ぶらで参加できる読書会」、「答えを出さず、問いを出す読書会」をコンセプトに、カジュアルな読書と対話を楽しむ読書会です。

4月13日に、小説家・村上春樹の新作「街とその不確かな壁」が発売になるため、これまでの村上春樹作品を学ぶことをテーマに、「村上春樹作品」と読書ー(新作発売前に)村上春樹作品を知ろうー」を開催しました。

今回は、村上春樹作品の7〜8割読んだことがある熱心な読者の方や、2割程度読んだことがある人、まったく読んだことがない人まで幅広い参加者にお越しいただいて、村上春樹作品を時系列順に追いながら、作品の印象や感想などを語り合いました。

読書会の中で、主に紹介された作品の一部は、こちら。

ノルウェイの森(講談社)
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000203588

ダンス・ダンス・ダンス(講談社)
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000203624


1Q84(新潮社)
https://1q84.shinchosha.co.jp

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(文藝春秋)
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784163821108


蛍・納屋を焼く・その他の短編(新潮社)
https://www.shinchosha.co.jp/book/100133/


神の子どもたちはみな踊る(新潮社)
https://www.shinchosha.co.jp/book/100150/


読んだことがある人からは、

☑︎村上春樹作品において1995年の阪神・淡島大震災と2011年の東日本大震災を区切りとして作品を読むと、その前後で作風が変わっているところが面白いと思う

☑︎友人が貸してくれたノルウェイの森・上巻を高校の授業中に読み耽ってしまい、面白くて帰り道に下巻も買って帰ってしまった

☑︎村上春樹の長編作品は読み終わったあとに、しばらく経つと、あらすじがうろ覚えになってしまうこともあるが、読んでいる間はつい没頭してしまうことがある

☑︎作品を時系列に追うと、震災やオウム真理教の事件がモチーフになる話が出てくるので、その時々の社会状況とリンクしているところが見えて面白い

☑︎1Q84などの作品では、パラレルワールド的な別々の話が並行して進んで、途中でリンクする内容になっている。別の話が後から意外な繋がる面白さがある

☑︎最近の村上春樹作品では、かつての作品では出てこなかった「家族」や「地元」といったキーワードも出てくるようになった。阪神・淡島や東日本など2つの震災や時代状況の変化を踏まえて著書の考え方も変わってきたのかもしれない

☑︎洋楽やジャズに引きつけた文章を多用しているが、「それは、ジャズの○○の音楽のような○○であった。」というような、その音楽をさも聴いたことがあるような人でないとわからないような表現も多い

というご意見やエピソードなどを聞かせていただきました。 

また、初心者向けのおススメ作品としては、

☑︎最近の村上春樹作品の長編は長いため、「蛍・納屋を焼く」といった短編集から入ると読みやすいのではないか。また「神の子どもたちはみな踊る」も短編集かつターニングポイントの阪神・淡島大震災をテーマにしているためおススメ

というご意見もいただきました。

さらに、村上春樹作品の中の登場人物の面白い話として

☑︎「ノルウェイの森」という作品の中で、「苺のショートケーキ理論※」というものがある。登場人物の緑という女性が語るで女性の心理を表すエピソードで、とても特徴的なもの

というエピソードを紹介してくれた方もいました。

※詳しくはこちらのリンクからご確認ください。ちなみに、私には、ショートケーキ理論の女性心理が難しくて女心の勉強がまだまだ足りてないと思いました😅

なお、村上春樹が翻訳した海外作家の作品と、もともと訳されていた本とを比べる読み方をされたり、村上春樹がパーソナリティのラジオを聴いている方もおり、色々な村上春樹の楽しみ方を伺うことが出来ました。

村上春樹作品だけでなく、村上春樹作品が出てくる漫画や評論本などを持ち寄りました


作品を読んだことがない人からは、読んだ人の話を聞いて村上春樹作品に興味を持ったため、さっそく「ノルウェイの森」や「ダンス・ダンス・ダンス」をさっそく読んでみたい、といった感想をいただきました。

村上春樹作品については、長編作品が多いことで一見読みにくそうな印象を持たれることも多いですが、読んでいる人から読みやすい作品をご紹介いただいたり、読んでない人からは作品のあらすじを聞いての印象を伺ったりと、フラットに作品を語る場を持てて良かったです。


今回、一人の作家を掘り下げて語る機会を持ててたことで作家やその時代背景に関する理解が深まったので、また機会ありましたら同じような形式で開催出来ればと思います。


#上池袋
#読書会
#村上春樹作品を読んでみよう
#くすのき荘

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