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2留既卒の就活戦記③ 内定辞退ダイバー

前回のあらすじ!
夏が終わった

■就活のかたち 内定のかたち

 業界研究を頑張り、自己PRと自信を手に入れた……とはいえ、内定はなかなか出ませんでした。秋が過ぎ、冬になりました。
 この間、様々なことがありました。引っ越しやらなんやらでしばらく就活どころではなかったり、それに伴いバイトも変わったり、あと孤独な就職活動に頭がおかしくなってインターネット・アライグマになったり。そんなこんなで(エージェント就活も含め)四十社近く受けたでしょうか、年が明けてついに内定をいただいたのです。

■内定辞退ダイバー

 Twitterではたくさんの祝福メッセージをいただき、僕自身就活の成果がようやく出て嬉しかったです。しかし、内定した企業の勤務条件(主に勤務地)は、僕の志望とは大きく異なっていました。今にして思えば、とにかくひとつでも内定が欲しくて焦っていたのでしょう。なにしろ季節はもう冬になっており、来年度の採用広告まで出始めていましたからね。

「この内定は辞退して、納得のいく勤務条件の求人を探す」

 そう言ったとき、両親(特に母親)は激怒した後に泣きました。親からすれば当然です。僕は学費の面で親に多大な迷惑をかけていましたし、当時の生活費も援助してもらっていました。手のかかるドラ息子です。それが四十社受けてようやく内定を取り、自立すると思ったら、「条件が気に入らないからやっぱり就活続ける」と無謀なことを言い出したわけです。親からすれば理不尽この上なく、不安でたまらなかったでしょう。
 しかし、僕としてもどうしても譲れなかった。勤務条件に拘りたかったのもそうですが、内定をひとつもらえたこともあり、僕は自分の就職活動にようやく手応えのようなものを感じていました。新卒には負けない。面接での立ち振舞い方もすべてわかっている。あとは応募するだけ。ここまできてどうして引き下がれようか? しかし、肝心の求人がもうほとんど残っていないことも確かに事実でした。おそらく、今選考中の企業を落としたら、もうチャンスは無いだろう……

「2月某日 最終面接」

 予定帳に書かれた文字を見て、僕は決意しました。これが最後の勝負だ。絶対に内定を、俺の未来を勝ち取ってみせると。

 

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