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育児によるパートナーとの溝の埋め方

育児をしていると、パートナーの考え方が理解できなかったり、考えがズレたりすることってあると思うのだけど、その小さい溝を埋めたり、些細なズレを直したりって、皆さんどうやっているんだろう。

いつも私の布団からでも届く位置に、子のワセリンを置いていたのに、昨晩はあんなに遠くに置いてあった。子が寝ているすきに、伸びている爪を切ってあげたくてポーチを開けたら、爪切りが見当たらない。家中を探し回って、ようやくソファの隙間に見つけた。使ったら戻してよ。私が子とお風呂に入っている間に、サラダをテーブルに並べてくれたり、冷たいご飯を温めてくれたり、下味をつけたお肉を焼いてくれたりしてくれていたら、乳液やボディークリームをゆっくりつける時間もあるけれど、実際の私は、ご飯の支度が整った後、全身カサカサの肌にそれらを塗っている。今月は家族写真を撮影してもらう予定なのに、毛穴は開いているし、ニキビはできたし、足には原因不明の湿疹も出ている。さっさと夜ご飯を済ませて授乳を始めると、スマホで動画を見ながらゆっくりご飯を食べるあなたの姿が、羨ましくて涙が出る。今日の朝ご飯は、食べる時間がなかったっけ。今日のお昼ご飯は、台所に立ってしゃもじで食べたっけ。なんて、悲しくなる。お皿洗いを頼むと、残り物はテーブルの上に出しっぱなし、テーブルは食べカスや油で汚れていて、私が夜間授乳で飲みたかったお茶は、冷蔵庫へ片付けられてしまった。奇跡的に22時前に寝かしつけが終わっても、0時近くに夫のお風呂を洗う音、消毒液を交換する音、扉を閉める音、食器を片付ける音で、私は目を覚ますし、子はモゾモゾと動き出す。しばらくすると、子はフニフニと声を出すので、そっと起きてお腹をさすったり、顔を撫でたり、足をトントンとしたりしてみる。夫は3時の授乳のときには起きてきて、寝かしつけを交代してくれた。と思いきや、寝かしつけが終わった後に、彼が部屋に戻る音で、子は起きてしまった。モゾモゾフニフニ…結局私による寝かしつけが始まる。

一度だけ、「仕事もあるからこれ以上は…」という話をされたことがある。わかる。わかるし、私もそう思う。私にも短いけれど社会人経験があって、責任のプレッシャーに耐えられなかったり、人間関係が上手くいかなかったり、仕事にミスがあったり、注意を受けたり、辞めたいと思ったこともあるし、実際に辞めたこともある。だからわかる。仕事もしながら、家では妻のご機嫌取りなんて、やってられない。

これを、皆さんどう解決しているのだろうと思う。Twitterには、キラキラママさん達がいて、育児をしながら働いていたり、読書をしていたり、ネイルを楽しんでいたりする。半年間育休を取ってくれたり、毎日朝ご飯を作ってくれたり、子と一緒にお風呂に入ってくれたり、家中ピカピカに掃除してくれたりと、奥さん顔負けの家事育児をこなすパパさん達がいる。何をどうしたら、こうなるのだろう。公式さんが、ときにプロポーズや結婚式のツイートをオススメしてくるのも腹立たしい。プロポーズは無かったし、結婚式に関しては、夫を説得して式場まで話を聞きに行ったけれど、それだけ。9割方、現世では花嫁になんてなれないと踏んでいる私に、何の嫌がらせだろうと思ってしまう。今日もキラキラカップルと我が家との格差に絶望し、ズボラママさん達のツイートに励まされ、ママさん達のキレッキレの不満に共感し、彼女達の愚痴に対して「我が家はここまでじゃないな」と安堵する。

「旦那さんを教育する」みたいな話もあるけれど、正直ピンとこない。なんで母も新人なのに、旦那を教育せなあかんねん。新人が教育担当にはならんやろ。というリプに同意してしまうし、母は子が産まれる10ヶ月も前から、不安なことわからないことを調べまくってようやく母になれたんや。というコメントに、そうだそうだ!と拳を突き上げたくなってしまう。…というか、できない。旦那さんを教育なんて、している余裕がないのだ。毎日のお洗濯、ご飯の準備に加えて、トイレ掃除やお風呂掃除、排水溝の掃除、余裕があれば拭き掃除や片付けやクイックルワイパーやコロコロもしようか、なんて雑用が入ってくる。今月はワクチンの準備、100日お祝いの準備、お宮参りの準備、両家と共有のアプリに子の写真を追加してコメントして、お礼の葉書を書いて、市の健診には何が必要なんだっけ。あ、今月の写真印刷頼まなきゃな…と、やらなきゃいけないことは常に頭の中をグルグルしているのに、子が泣いて、抱っこして、おむつを替えて、着替えさせて、寝かしつけて、と思ったらまた泣いて。気がついたら14時で、今日まだご飯食べてなかった。なんて、ザラにある。気分転換に散歩に行こうか、とも思うけれど、着替えて抱っこ紐に子を入れて、腰を痛めて汗だくになってまで外に出たいかと言われると、そうでもない。近所のスーパーでの買い物も、子は寒くないか、体勢は苦しくないか、下の物を取るときは子が起きないようにゆっくり屈んで…なんて、全く気分転換にならなかった。睡眠時間確保のために、お風呂と夜ご飯は最速で終わらせたいし、そのために髪の毛も切った。貴重な空き時間のYouTubeは、“HISAKOさん”の育児動画か、“てぃ先生”の育児動画に限る。来たる離乳食を食べさせる日のために、アプリを調べてダウンロードしたり、作り方を調べたりもした。育児は毎日夜勤ありの24時間勤務、土日祝休みなしのブラック企業なのだ。夫婦生活なんてもってのほか。チューはおろか、ギューもしてる暇があるなら寝かせてくれ!と思う日があるのも事実だ。仕事で忙しいとはいえ、スケジューリングは自分でできるやろ。困ったら相談もできるし、育児の心配をしてくれる人もおるやろ。行き帰りの移動はウォーキングみたいなもんやし、家では少なくとも会社のストレスからは開放されて、お風呂でゆっくりYouTube観る時間もあるやろ。子のおむつは替えられるときだけ替えたらいいし、夜はしっかりまとまって寝られるやん。コロナが流行ってるこの時期に、休みの日は友達とラーメンも食べに行くし、今月も来月も結婚式に参列するやん。子の命を毎日懸命に守り抜いてる私を置いて、飛行機乗って一泊するやん。体調悪いなんて言い出した暁には呪ってやるほんとに。こういうストレスを、言葉の通じない子と2人きりのママ達は、どうやって発散しているのか。ていうか、毎日毎日羨ましいんだよなぁ。

ここまでいろいろ書いておいて何だが、夫婦仲が険悪かと言うと、そうでもない。おそらく夫は家事も育児もよくやってくれるタイプだと思うし、私の健康の心配もしてくれる。私のいわゆるリア垢というやつでは、夫を褒めまくっている。リア友にだけは、キラキラママに見られたいというのももちろんあるが、本当に良い旦那さんだと思う気持ちに、嘘はない。でも、体力の限界に加えて、メンタルが崩壊気味のときは、割と読書家であった夫がスマホを見ている日が多くなって、共通の読書の話題も無くなったことが無償に寂しくなるし、私が出産を頑張ったら、俺は筋トレを頑張る!なんて意気込んでいた、出産前のやる気はどこへ行ってしまったのかと思う。「言わないとわからない」という意見も、わからないではないが、本当にそうだろうかとも思う。やらなきゃいけないことは毎日決まっていて、私がやっている姿を見ているはずなのに、私の機嫌が悪くなるまでダラリゴロリとしているのは、「言わないとわからない」からなんだろうか。そうやってダラリゴロリとする時間が、ブラック企業に勤める母には無いということは、想像できないことなんだろうか。と、考えてしまう日にも、子は成長している。日に日にふっくらもちもちとしてきて、今日も可愛らしい喃語で、たくさんお喋りしてくれる。

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