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映画ドラえもん

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2024年1月の記事一覧

映画感想『ドラえもん のび太の恐竜2006』(2006年)

2023年4月23日 Amazon Prime Videoにて鑑賞。

 小学1年生のとき生まれて初めて劇場で観た映画作品であり、思い入れが強すぎる。

 改めて観ると、絵柄があまりにも普段と違うので驚く。アニメ表現としては間違いなく面白いんだけど、普段見慣れているキャラクターが極端に崩したタッチで描かれるのは困惑する。非現実的でぶっ飛んだ表現も多くて、砂浜に埋まった5人が這い出る場面の描写なんか

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映画感想『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い』(2007年)

2023年12月16日 Amazon Prime  Videoにて鑑賞。

 リメイクものの中では一番改変の大きい作品。
 原作になかったキャラクターの投入、ゲストキャラ同士の家族愛や絆の強調という要素は本作以降のリメイク作品恒例といってもいい追加要素となっている。
 加えて本作では、追加されたゲストキャラに絡むツイストの効いた展開が新しく用意されて話がやや複雑になっており、それに伴って原作にあっ

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映画感想『ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』(2009年)

2023年12月22日 AmazonPrime Videoにて鑑賞

 アニメとしては前3作からグッとおとなしい作りになった。前作が大暴れしすぎたのもあるけど、今作がそつのない作画になった原因のひとつは、物語のモチーフにもあると思う。
 今作のストーリー上、いちばん重要な要素は「重力」だ。そのため、物理的な動きを正確に描写しなければ、話自体の説得力に関わる。だから物理的な動きのリアル度を高くする必

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映画感想『ドラえもん のび太の人魚大海戦』(2010年)

2023年12月24日 AmazonPrime Videoで鑑賞

 子供の頃観た時もつまらなく感じたけど、今観ると積極的にダメな作品だなと思った。ドラ映画シリーズのマラソンしてるとこういう作品にぶち当たることもあるのか。厳しいぜ……。

 色々と思うところはあるけど、絞って書くことにする。

 まず話がよくわからない。
 ソフィアの家出、故郷の星探し、王者の剣探し、静香誘拐、怪魚族との戦争…と、

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映画感想『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ天使たち』(2011年)

2024年1月6日 AmazonPrime Videoにて鑑賞

 前作『人魚大海戦』があまりにもあんまりな作品だっただけに、今作のクオリティの高さにはホッとする。
 まず最初に、本作はこれまでのドラ映画と比べて“ギャグセンが高い”ことを指摘したい。
 のび太のママが「狭い家」と何度も言われてだんだん怒る(しかしのび太は気づかない)とか、ジュドの頭脳が暴れて翻訳コンニャクがずれ落ちるので会話が成り

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映画感想『ドラえもん のび太と奇跡の島〜アニマルアドベンチャー~』(2012年)

2024年1月10日 AmazonPrime Videoにて鑑賞。

 ここまでの個人的ワースト作品『人魚大海戦』と同じ監督によるもう一つの作品で、やっぱりこっちも良い作品とは言えなかった…。
 この2作の良くなさはどちらも根深いものがあると思うんだけど、それが別ベクトルの根深さなのが興味深い。『人魚大海戦』は戦争や美醜や世襲といった、現実世界でセンシティブな事柄に対する倫理的な甘さが良くなかった

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『のび太のひみつ道具博物館』(2013)とドラえもんがひみつ道具でない理由【映画ドラえもん感想】

2013年公開『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』
2024年1月13日 AmazonPrimeVideoにて鑑賞。

 全編が能天気な調子で進み、とにかく多幸感に溢れたエンタメ全振りの作品で、シリーズの他作品と一線を画している。未来が舞台ということもあり、テレビの誕生日1時間スペシャルに雰囲気が近い。
 絶対的な敵役がいないのも異例で、最終的にゲストキャラ全員に好印象を持

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『新・のび太の大魔境』(2014年)と、結果を先取りする約束【映画ドラえもん感想シリーズ】

2014年公開『映画ドラえもん 新・のび太の大魔境~ペコと5人の探検隊~』
2024年1月16日 AmazonPrimeVideoにて鑑賞。

 今をときめく八鍬新之介の初監督作品。雨の降りしきる暗い夜の街をお腹を空かせた主人公がとぼとぼと歩くアバンタイトルや、爆撃や火炎の恐怖を容赦なく描くクライマックスは『窓ぎわのトットちゃん』に先駆けている。

 映画ドラえもんシリーズにおいては、今までのリメ

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