視覚、板、身体

僕が目を覚ますと、僕の顔の上には知らない兄弟がいた。兄弟は僕を気遣いながら、視神経を抜き取るから僕は目が見えなくなった。

僕は目が見えなくなったので体が潰れた。潰れた体。かつて腕だったものとかつて足だったものがくっつき、僕はベニヤみたいな板になった。

耳も聞こえるし、においもわかる。声だって出せる。動くことはできない。僕はベニヤ板になった。