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「不適切にもほどがある!」とアンパンマンの共通点。結局ワガママな女が一番クール。

ちょい前に話題になったふてほどをNetflixで後追い一気見。

クドカン×阿部サダヲいいよねえ。
設定がファンタジーだし敵も悪者も1人も出てこないし、心がざわざわしたり共感性羞恥をぞわぞわ逆撫でされるシーンもなくて見やすかった。
あぁもう続きが気になるよ~!ってほどではなかったけど、たのしかった。
河合優実ちゃんがとにかくかわいくてサイコーだったよね。
いろんな広告で見るようになってきたけど、ジュンコ役でなければここまでヒットしなかったかもしれない。とか知ったような口をきいてみる。

3番目くらいの軸として描かれている、ジュンコを取り巻く男たちとジュンコの恋模様。
ねえ、ジュンコって誠実じゃなくない??
ムッチ先輩がいるのにキヨシと付き合う?し、令和行ったら速攻でナオキと連日デート。そしてクラブの帝王ユズルとデキ婚。
でも一郎が叫ぶような尻軽アバズレビッチな感じはないし、男たちをぞんざいに扱ったり振り回してる感じもなければ、あー!それ!浮気!とかって告発する気持ちも起きない。誰かを裏切るだ裏切られただという心の葛藤も感じも全くない。
どのシーンもとても楽しそう。
その時自分にとって一番イケてる人と一緒の時間を過ごす。
結果が例えGOODでなくても、自分の選択に後悔をしない。

存分にエンジョイしてる。
こんなにカラッと誰も傷つけない恋愛の描写もできるんだなあ~って思った。

先日、娘たちとあのアンパンのアニメを観るともなく観てたときのこと。
そういえばドキンちゃんとばいきんまんとどういう関係なん?居候ぽいホラーマンはドキンちゃんにベタ惚れだけど、ドキンちゃんは堂々としょくぱんまん様ラブ全開だし、でもホラーマンの好意を利用したりもする。「おねがあい♡」ってばいきんまんにくねっとお願いしたら、ばいきんまんも満更でもない様子で「うう~、わかったよ~」とか言ってる。
あらま!ドキンちゃんてば!!

ジュンコがねっとり甘えてお願いするのは一郎に対してだけだけど、自分に寄せられた好意を受け止めも拒否もせずいいように関係を続けて、利用はするけど悪用はせず、裏切りもしない。

もしかしてワガママってサイコーにクールな女性の生き方なのでは???

ワガママってワードがネガティブだけど、自分の欲望に正直に生きるってことかなと。

自分が好きなものは好き。嫌いなものは嫌い。
いま欲しいものは絶対に欲しい。何がなんでも手に入れる。
やりたくないことはしない。
自分がいいと思ったらいい。誰の価値観にも左右されない。

なんとなく近くにいた男に流されてほだされたり、世間体や人の目を気にして自分を取り繕ったり、他人の価値観しか信用できずに甘い言葉に身を任せたり、人が持ってるものを奪いたくなったり真似したくなってしまったり、そういう「恋愛のようなもの」は第三者の口の中でジャリっとする。たぶん当事者たちの口の中でも。

でもジュンコとドキンちゃんは、すべて自分の価値判断で動いてるから気持ちいいんだ。
親の気を引くための天邪鬼にはイラっとするけど、ただただ純粋に自分がしたくて駄々をこねてる子どもってかわいいもんね。


ここまで書いて、唐突に「哀れなるものたち」を思い出す。

ベラは娼婦。
色んなことを知らなかったとはいえ、自分で選んで、自分でいいと思って決断した道だ。なんなら時にめちゃくちゃ楽しんでいる。
自分の意思で決めた。
だから観客は誰もダンカンに同情しない。
執着してだっせーな、こいつ惨めだな、って思うくらい。



自分の価値観で選択する。

納得して決定する。

これって実は難しい。でも、できないことじゃない。
だから少しずつ練習するんだ。

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