暗い、闇に飲まれた夜に

耳が手持ち無沙汰になったときは洋楽がチョイスされる。歌詞の意味がわからないからボケっとした脳みそには心地良い。気分的にはインストを聴いているのに近い。ハーブ・アルパートの「ディス・ガイ」は韓国映画『キル・ボクスン』で使われてからファンになった。第一印象が映画のため再生するたびに映画のワンシーンが浮かび上がり、ちょっぴり悲しい気持ちになる。

ペルソナ4GAの挿入歌「Ying Yang」も悲しい気持ちになる曲。ゆるふわギャングじゃないよ。この楽曲、Spotifyにあるにはあるんだけど2年前の横浜アリーナでのライブ音源しかなくて残念。私が聴きたいのは張りつめた空気を濁流のごとく流れ、追いかける言葉なのであって、その瞬間を思い出すための音じゃない。原曲の配信を切に願っております。

相変わらず音楽を聴いている。集中していて頭が煩いとき以外はなるべく音楽を流していたい。沈黙は1人であっても気まずい。左胸のポンプがしっかり動いていることなんて知りたくない。血液が全身をめぐるドクドク音は好きだけど、心音は好きになれない。ASMRおじさん失格。

暗闇が温かい。明かりを消した玄関でうずくまっていると近くで火を起こしたかのような温かさがある。暗闇が心地良い。暗さは人に不安を与えるけど、暗闇はすっかり取り込まれているので安心する。きっと鯨に丸呑みされたらホッと一息着ける。産声が生涯一度だけなんてもったいない。

寿命が伸びます