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持っているものが自分を束縛する

・まるでミニマリストの言葉のようだが元ネタは『ファイト・クラブ』のタイラーダーデンだ。7,8年前からベイプ(ニコチンを含まない煙が出る玩具)を使っていて、部屋を甘ったるい煙でいっぱいにして十分楽しんだあと、彼の台詞がふっと思い浮かぶ。1時間かそこら煙を吸ったり吐いたりしながら映画を観たり本を読んだり音楽を聴いたり、これはベイプによって作り出された結果であり、まさに私はベイプに束縛……支配されているのではないか。シンギュラリティによって人類幸福を最優先することになった超コンピュータAIが支配する世界。それと遜色ない世界が四畳半ワンルームの部屋に広がっているのではないか。私の身体は無害なスモークを排出し続ける無生産のギミックでベイプは私を縛り付け、私というギミックを動かすエンジンなのでしょう。

・私は煙というものが好きです。タバコの煙はもちろん、なにかが燃えることによって発生する煙も大好きです。焼肉屋さんなんかは煙もさることながら匂いも楽しめるのでかなりお得な感じがします。できることなら部屋をいい匂いの煙で満たしていたい。
 煙とは違いますが霧も好きなのです。私の住んでいた場所は定期的に濃霧が発生して警報が出るほどでした。だからなのか濃霧に対して親しみと愛おしさに近いものがある。濃霧が発生したらその中を駆け回ってやりたいし、明るい光で照らしてやってライトがいかに無力か再確認したい。
 そりゃあ霧はあんまり良い印象がないですよ。『ペルソナ4』や映画『ミスト』なんかじゃそれはもう悪いですよ。私にとってはしとしと降ってくれる雨とか重たくゆっくりした雪みたいなもので、愛すべき自然現象の1つなのです。

寿命が伸びます