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パンデミックは意味を知らなければ美味しそうな言葉

ず~っとおセンチ、なときはとにかく映画を観ることにしている。
日に2本、月に60本近く映画を観ているわけだがおセンチになるとこれが加速して日に3本とか4本とかになる。始めましての映画も久しぶりの映画もごちゃまぜにしてとにかく観る。やけ食いならぬやけ映画。嗚呼ムービー飯。
ハリウッドで血と汗とジャンクフードがもっとも似合う男、ブラッド・ピット主演『ワールド・ウォーZ』。役者を観察するだけの映画というものがこの世にはある。お粗末な内容のせいで役者のカッコ可愛い姿を眺めるだけの90分。水槽のクラゲや焚き火の動画を眺めるよりもそこそこアドレナリンが放出されるぐらいしか良いところがない。『ワールド・ウォーZ』はポスト・アポカリプスものとしては少々物足りない。アクション映画としても微妙だ。しかしながらゾンビ映画の姿勢で観てやるとそこそこ良い。ありきたりな感染爆発と出所不明のウイルス。感染からの無茶苦茶な治療方法、間の悪すぎる妻からのラブコール、超人と化した主人公、彼が行く先々で死にまくるモブキャラ達。余韻ガン無視で次々と打ち出される大迫力シーンによって大作ハリウッド映画と錯覚させられてしまいそうだが、これはまごうことなきゾンビ映画なのだ。だが、お色気シーンや齧り付いた勢いで飛び出す肉汁などと言ったお約束シーンがないこの映画を、ゾンビ映画として評価することはそこそこに難しい。けれど私は、されど私は、この映画をゾンビ映画として評価したい。射撃シーンのカメラアングルは最悪だし、必死な顔をしているブラッド・ピットばかりだし(これは最高)、ゾンビとまともに対峙したシーンもしっかり映さないし、正直ゾンビ映画としてもあんまり褒められるところはない。ありがとう、ブラッド・ピット。この星4はあなたのためにある。叶うなら、ちゃんと濡れ場があるゾンビ映画に出てください。

寿命が伸びます