真実無目むゆ

本を読むのが好きで自分でも少し書いたりします。

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最近の記事

「大暮維人展 Oh! Great Exhibition」に行った感想を今更ながら記す

今年のお正月に地元・宮崎に帰省したのは、単なる里帰りという意味だけではなくて、人生においていろいろと大きな節目となる通過儀礼を全うするためでもあったのですが、それは別として、どーしてもどーしてもこの機会に行きたいイベントがありました。 それが、まさにこの「大暮維人展 Oh! Great Exhibition」だったわけです。 宮崎が生んだ偉人、大暮維人先生。 テレビチャンネルがNHK2ch以外は民放2chしか映らない宮崎県、12個あるリモコンのボタンのうち実に3分の2がお

    • アニメはためにならないからこそ良い―『天元突破グレンラガン』を今更見た感想

      今更見ました。 と言っても、見終わったのは2週間くらい前の話で、昨年からチマチマ数話ずつ分けて見ていたので、感想を書くのも今更かな~と思っていたのですが、酔った勢いで何も考えずに文章を書きたくなったので書きます。 と言ってもざっくりした感想は、もうタイトルで語った通りで、一言で言えば、まじでこのアニメは一個も人生の役に立たねえ話だなあ、と思いました。 「無理を通して道理を蹴っ飛ばす」????? 「壁があったら殴って壊す、道が無ければこの手で作る」??????? は?

      • 『機動戦艦ナデシコ―ルリ aからbへの物語』を読んだ簡単な感想

        劇場版の感想をいろいろ見て回っていた時に、「劇場版はナデシコクルーの同窓会。テンカワとユリカが死んだときに、ほとんどのクルーがナデシコからの卒業をしたけど、ただ一人ナデシコに乗り続けたルリが前を向く話」というブログを見かけた。(ような気がする。探しても見つからない。) そのときは、そうかな?と思ったけど、TV版と劇場版の空白を埋める小説版を読んだら、すっと筋が通った気がした。 端的に言うと、こんな感じで描写してある。 「あのコたちは、まだナデシコに乗ってるのかもしれない

        • 男の義務教育と呼ばれる『スクライド』を見た感想

          全26話 放送:2001年7月~ 監督:谷口悟朗 21世紀初頭。横浜を中心に、半径30Kmの大地が突如として隆起し本土と隔離された。やがて、そこは、「ロストグラウンド」と呼ばれるようになり、日本という国家にありながら、特殊な発展を遂げることになる。そして、そこでは、生まれながらにして「アルター」と呼ばれる特殊能力を持つ者たちが現れるようになった…。 『スクライド』はニコニコ動画なんかでは、俗に「男の義務教育」と言われている。 すなわち、その意味するところは、とにかく熱く、

        「大暮維人展 Oh! Great Exhibition」に行った感想を今更ながら記す

          『劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』を見て、深い寂寥感に包まれた人の感想

          アニメシリーズのラストから3年後、木星との間の戦争は終わり、世界には平穏が訪れた。 だが、その世界に、テンカワ・アキトとミスマル・ユリカの姿はない。 飛行機事故によって帰らぬ人となったのだ。 そんな世界で、一人残されたホシノ・ルリは、ナデシコの艦長になっていた。 ……のっけから重い。 アニメ版最後の、これからも彼らの冒険が続いていきそうな夢のある終わりはどうなったのだ……。 しかもこのあと、テンカワ君とユリカちゃんは実は生きていて、ボソンジャンプの実用化のために、適性のあ

          『劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』を見て、深い寂寥感に包まれた人の感想

          『機動戦艦ナデシコ』を見て、3話足らずで戦争の何たるかを思い知らされた人の感想。

          人生で一度も「スーパーロボット大戦シリーズ」に触れてこなかったことに、こんなにも感謝する瞬間が来るとは思わなかった。 『機動戦艦ナデシコ』第3話「早すぎる『さよなら』!」……。 なんで死んじまうんだよ!ダイゴウジ・ガイ!!!!! ダイゴウジ・ガイこと山田二郎さんのこと、好きになってきたところだったのに。主人公のテンカワ君との熱い友情を、これから見せてくれると信じていたのに。 あまりに早すぎる退場。そして、あまりにあっけない退場だった。 もちろん、アニメにおいて、最序

          『機動戦艦ナデシコ』を見て、3話足らずで戦争の何たるかを思い知らされた人の感想。

          『TIGER & BUNNY』を放送から9年も経ってようやく見た感想

          『TIGER & BUNNY』って2011年4月放送のアニメらしい。 『まどマギ』の次のクールに放送されたアニメらしい。 マジか、時が経つのって早すぎる……。もっと最近のアニメだと思ってた。 この作品の芳名はかねがね聞いていて、大学時代に所属していたアニ研でも『TIGER & BUNNY』ファンの人は多かった気がする。幹事を次の代に譲るときのお疲れ様会の時に、タイバニグッズを同期のお祝いのために買っていったような記憶がある。 まあでも、機会が無くて、なかなか見るまでに

          『TIGER & BUNNY』を放送から9年も経ってようやく見た感想

          『ヱヴァンゲリオン新劇場版:序』『:破』『:Q』を見た感想

          5、6年前に一度見たきりで、記憶も定かではなくなっていたので、Youtubeでの無料公開をこれ幸いと、新劇場版の三作品を(ほぼ)一気見した。 『序』『破』(の中盤まで)は、まだアニメ版等の展開をなぞる部分が多かったので、エヴァの代名詞とも言えるような名シーンの数々を、待ってました!とばかりに楽しむことが出来ました。 「あなたは死なないわ。私が守るもの」でウォォォォッ!って盛り上がったり、「笑えばいいと思うよ」でウォォォォッ!って盛り上がったりする、感じですね。 後は、『

          『ヱヴァンゲリオン新劇場版:序』『:破』『:Q』を見た感想

          『結界師』と『MAJOR』と『サイケまたしても』と『うえきの法則』と『うしおととら』と『GS美神極楽大作戦!!』を読んだ感想

          この1か月、かのウイルスが本当に多くの良くない出来事を世の中にもたらして、嫌なニュースばかりが世間を騒がせてきたけれど、その中で唯一楽しいことがあったとすれば、幾つかの出版社が、休校措置で家に引きこもらざるを得ず退屈しきっている(はずの)小中高生向けに、漫画を無料公開してくれたことだろうと僕は勝手に思っています。 特に小学館のサンデーはものすごくて、「サンデーうぇぶり」という公式アプリで、完結済みの漫画を週替わりで公開してくれていたのです。 僕は別にいつもと変わらずの出勤

          『結界師』と『MAJOR』と『サイケまたしても』と『うえきの法則』と『うしおととら』と『GS美神極楽大作戦!!』を読んだ感想

          『ミッドサマー』の感想

          先週、『ミッドサマー』を観に行った。 その感想を東京帰りの新幹線が暇すぎるので書きます。(ネタバレします。) まずこれ一緒に観に行く人を選ぶ映画だなーと思った。 怖いしグロいしエロいし、オチは後味悪いしで、気まずい雰囲気になりそう。ましてそれが自分から「観に行こうぜ!」と誘ったものだったら、なおさら。 ちなみに、僕は珍しく自分で大学時代の友人を誘って観に行ったけど、そーいう気まずい雰囲気には絶対にならない人たちだと確信してたので、上映中も全く焦りませんでした。 案の

          『ミッドサマー』の感想

          『て』を見た感想追記(2019/09/02)

          ここからはネタバレあり。 なので、フォロワーの○○君はやめといた方が良いと思う。 というかさっきのもちょいネタバレだったのでまずかったかも。 リプをぶらさげておこう。 「天気の子」については、見に行く前から、事前情報とも言えない事前情報をちらちらと耳にしていた。 曰く、 後ろの席にいるデートとして見に来た、「君の名は。」しか知らなさそうなカップルが、ラストを見て呆然としていた だの、 「君の名は。」は売れ線狙った新海作品としては異色のもの。「天気の子」はそれと

          『て』を見た感想追記(2019/09/02)

          『て』を見た感想(2019/09/02)

          うぁあああ、『て』だ!!! 『て』を見てきた!!! 『天気の子』をようやく見てきた!!!! 今日は代休を利用して『て』を見に行った。昨日が誕生日だったのに、休日出勤でフツーに仕事をしていたので、その代わりみたいな感じ。 新海誠作品は、『君の名は。』と『言の葉の庭』しか見たことがない、にわか。 しかし、2作品という作家論を語るにはあまりに少なすぎる蓄積から、私は、新海誠作品によく見られるんではないか(予想)という手法を看破した。 それを「新海メソッド」と呼ぶ。今、呼

          『て』を見た感想(2019/09/02)

          『汚れた赤を恋と呼ぶんだ』(河野裕/新潮文庫)を新たな気持ちで読み返して

           階段島シリーズの読み返しもようやく第三巻目まで来た。これでやっと、現状の最新刊『凶器は壊れた黒の叫び』を読むことが出来る。  このシリーズは本文中の一節をタイトルにしているのだが、『凶器は壊れた黒の叫び』ってどんな文脈で使われているのか、とても気になる。  『いなくなれ、群青』『その白さえ嘘だとしても』『汚れた赤を恋と呼ぶんだ』は、パッと見ただけで何となく意味が分かるけど、『凶器は壊れた黒の叫び』ってなんだ?  全く予想もつかないけど、不穏な空気だけは感じる……。

          『汚れた赤を恋と呼ぶんだ』(河野裕/新潮文庫)を新たな気持ちで読み返して

          『図書館の魔女 烏の伝言(上・下)』(高田大介/講談社文庫)を読んで

           『図書館の魔女』第一部を読み、「面白い」という以外の感情を奪われてから、はや1ヵ月半程の時間が流れた。  ようやく、第二部『図書館の魔女 烏の伝言』を読み終わった。第一部ほどの鮮烈な感動は無かったものの、やはりその面白さは健在であった。  自分のやっていることに引き付けがちなのは良くないことだとは思うが、このシリーズを読んでいると、読本を読んでいる気分に襲われる時がままある。  どこが、とは言えないのだが、それらしきモノを考えてみたこともある。その時は、「勧善懲悪的な

          『図書館の魔女 烏の伝言(上・下)』(高田大介/講談社文庫)を読んで

          『その白さえ嘘だとしても』(河野裕/新潮文庫)を読み返して

           『いなくなれ、群青』から始まる階段島シリーズ第二巻『その白さえ嘘だとしても』を読み終わった。多分、三回目。  初めては、全く新鮮な気持ちで。二度目は、第三巻『汚れた赤を恋と呼ぶんだ』を読むための復習として。そして、三度目は第四巻『凶器は壊れた黒の叫び』を読むための再復習として。  最新刊が出るたびに、「あれ? どんな話だったっけ?」という疑問に取りつかれ、読み返す羽目になってしまっている。  国文学生という身分上、古典作品を読む機会が多いのだが、そうした古典作品と比し

          『その白さえ嘘だとしても』(河野裕/新潮文庫)を読み返して

          『図書館の魔女』(高田大介/講談社文庫)についての覚書

           先週一週間の間、僕のことを掴んで離そうとせず、日常生活のあれこれを妨げてくれたこの魅惑の時間泥棒について、その感動が冷めないうちにここに書き残しておこうと思う。  万が一にも有り得ないとは思うが、初読の際に感じたこの本への熱意を忘れてしまった時には読み返して思い出して欲しい。  まさしくこれはそういう場合の為の「覚書」というわけだ。  はじめに端的に述べると、この本の一番すごいところは、ずばり「面白い」ということである。もう、本当に面白いのだ。手の出しようも手の施しよ

          『図書館の魔女』(高田大介/講談社文庫)についての覚書