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キャッチ・コピー・キャッチ

突然ですが、僕は電車の吊革広告やビルの看板広告などに一言添えられているような「キャッチフレーズ、キャッチコピー」と言うものがとても好きで、良いなと思うものを見つけると、写メをして収集すると言う癖を持っています。

例えばこんな感じのものです。

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この写真は3年くらい前に撮ったもので、何の広告だったかは忘れましたが、教室に不自然なほど巨大なサイズでいる女優と、この言葉の意味合いは考えれば考えるほど、僕に物語を感じさせ、思わずパシャリ。
大人なってしまった一抹の寂しさやノスタルジー、抗えない時の流れ、そして何よりも

この女優のパンツはとても巨大なパンツなのだろう、と強く感じました。

そう感じた時、僕の好奇心がムクムクと膨れ、まだまだ僕も捨てたもんじゃあないなと再確認し、このキャッチコピーに感謝さえしました。
ちなみに、パンツと言えばウーロンがシェンロンに「ギャルのパンティー」おくれと願い、その時にシェンロンが出してきたギャルパンティーセンスには呆れてモノも言えません。
ここにシェンロン童貞説を提唱したいと思います。

好奇心の量、大きい?小さい?
ギャルパンセンスって大事じゃない?

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そんな街の言葉達を収集し、携帯に収めて行く行為を

「キャッチコピーキャッチ」

と密かに命名し、略してCCCとフォルダ名につけています。
そんなキャッチコピーキャッチを繰り返す事早5年以上が経ち、僕のCCCフォルダも気づけば数百枚になっていました。
基本的に、上手い事言おうとしていないモノ、狙っていない風のモノが好きなので、そんな街に埋もれて行きそうな言葉で、僕に物語を感じさせた広告を数枚紹介します。

まずはこちら。

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好きにしなさいよ!!と、思わず突っ込んだらきっと負けなんだと思い、思わずパシャリ。
これ、よく会議通ったよなぁ、とか思いながら見ていましたが、良く考えていると物語を感じさせると言う意味合いに置いては余白がありまくりで、色々な事柄を勝手に想像してしまいます。
気づけば、僕の脳内は

1人で海を見ている哀愁漂う中年男性の背中を想像していました。

今年の夏は、何しよう

汽笛の音と潮の匂いが、男の記憶を呼び起こす。
去年の夏、病室のベッドで横たわった妻が、最後にこの海をみたいと言ったので、2人で病院を抜け出し、車椅子を押しながらこの海岸をただゆっくりと歩いた。
あの日、乾いた夏の風と、柔らかい日差しの中で妻の手をそっと握り、妻もまた僅かな力で私の手を握り返して来たあの感覚が今でも残っている。
その時、妻は私に
「あなたはまだ若いから、私が逝きましたら、どうぞ、違う人を好きになって下さいね」
と、笑いながら言った。
妻が逝き、気づけばもう一年、私は妻以外の人を愛する事など考えていない、しかし、時間が経てば経つほどに、妻の記憶は薄れていき、また何か忘れそうになる度、私はこの海を見に来る、今日もあの日のように乾いた夏の風と、柔らかい日がさしている。
妻が残して行ってくれた、私達の最愛の娘が波際からこちらに走って来て、遠くを見つめていた私の手を、急に力強く握り締めて来た。
私も力強く握り返し、海岸をゆっくりと二人で歩いて行く。
ワゴンで売っていた、かき氷を娘に買ってあげようと、店員の女性に話しかけると、その女性はとても素敵な笑顔で、可愛いエクボを作りながら気さくに話しかけてくれた

「こんにちは、可愛いお子さんですね、何歳ですか?」

娘が、そっと、私の手を離した。

今年の夏は、何をしよう。
かき氷が器に積もる様を見ながら、そんな事をただ、考える。

どう考えてもドラマが始まる気しかしません、CCCで切ない物語を脳内に思い起こすと、電車の中とかで急に泣きそうになったりするのできつかったりします。

急ですがここまで言うとちょっと気持ち悪いな、と思い始めたので、ちょっとまともな事を挟んでおくと、僕がCCCをする最大の理由は、物語を感じ、想像して、脚本のネタになったりするからです、変な事を言っているように思うかも知れませんが、これは良いギターフレーズを聞いたりしたらコピーして、そこからアドリブに派生したり、曲を作るネタになったりするのと全く同じ思考だと思います、音楽でなければ、料理でも同じではないでしょうか、知らない調味料を味見して、何かのレシピに派生したり、材料素材の使い方に新しいインスピレーションを得たり、そう言ったニュアンスと同じように感じています。

みたいに、急に正論ぶり始めてブワッと喋りながら自分を擁護するタイプは大体コミ症です、気をつけて下さいね。

今年の夏は、何しよう。
(家でゲームかな)

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お次はこちら。

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好きしかない恋なんて。
イイですね、思わずパシャリ。

この新宿LUMINEの広告は東京に住んでる人なら一度は目にした事あるでしょう、僕は南口にあるこの看板が四季折々のキャッチコピーに変わって行くのを観察しながら、春が来たなぁとか、夏になったなぁと思い、都会の時間の移り変わりの速さをしみじみ感じたりしています、なのでこの南口の写真はCCCフォルダにやけに多くあります。
ちなみに、LUMINE自体のキャッチコピーはこちら

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常にアップデートをしている私を、見たいな事なんでしょうか。
そう考えた時、ハッとしました。
やはりアップデートの最終形態は小林幸子さんなのだろうか。
アップデートをし続ける女性のトップランナーと言えばどう考えても幸子嬢の他に思い当たりません。

毎回いつもアップデートして紅白歌合戦に出場する幸子嬢を見て、この人は一体何処まで行ってしまうのでだろうと幼心に並々ならぬ不安をいつも感じていました。
聞いた話ですが、最早ファイナルファンタジーのラスボスの様相となった幸子嬢がTVに映った時、知り合いのおばあちゃんが、合掌して、伊達巻をなぜかTVの隣にお供えしたそうです。

つまり、信仰の始まりです。

現人神となった幸子嬢で分かるよう、アップデートは構いませんが、しすぎると人は神の領域に足を踏み入れてしまうようです。
昨今、何から何までやれアップデートだ、やれ、デートだ、やれ、アップだ、やれデートだ、やれデートだ。
何がデートだ!!春だからってみんなイチャイチャしやがやって!!僕もデートがしたいよ!!!神様!!現人神様!!信仰するよ!願うよ!!あぁ!!恋って素敵!!
(当方35歳、特技は街の看板に向かってぶつぶつ独り言を言う事、恋人募集中)

好きしかない恋なんて
いや
恋なんて好きしかない

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それでは、最後はこちら。

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これを考えた人は「今年の夏は、何しよう」を考えた人と絶対同じ人だろ!と思い、思わずパシャリ。
実際はどうなのか知りませんが、CCCをしているとこう言ったもしかして考えた人同じなのでは?と言う謎のシンクロニシティ的瞬間が割とあったりします。

後、妙にカメラ目線で写真に映り込んでいる女性の方にはとにかく申し訳ない気持ちでいっぱいですが、ちょっと怖いんで、もう少し上を向いて生きて行って欲しいと切に願います。

この余白の多さ、どうにでも料理してくれと言わんばかりで、投げっぱなし感がやはり凄い気がしますが、どんな物語が思い浮かぶでしょうか。
リストラされたサラリーマンの話し、いじめられっ子が少しだけ勇気を持てた話し、彼氏彼女に振られた人の話し、死刑囚の話し、ete…。
とにかく追い詰められた感じの主人公ならなんでも行けてしまう気がしてくるこのお題に僕は敢えて、こんな物語で挑んでみたいと思います。

上を向く、きょうも 

私は、覗く。
ただ、覗く。
この、覗きは犯罪か?いや、犯罪ではない。
何故なら、覗く相手は私が産んだ私の息子なのだから。
これは母親としての真っ当な務めだ、息子の成長を、最愛の息子の生活を、親として見守っている。
つまりこれは犯罪ではく愛の形、親だから許される特権。

この天井穴、通称へその緒、から息子の生活をじっと見ていると、いつも安心する。
健やかに無事曲がる事なく、育って来た息子がとても誇らしい、もう高校1年生になる最愛の一人息子、ずっとずっと私が見守ってる、このへその緒で、ずっと繋がっていようね。

今日、息子が友達を連れて来たいと言っていた、どんな友達なのかしら、あの子にもし悪影響があるような子なら、縁を切らせなきゃ行けない、これは親としては当然の事だから。

何故ずっとキスしているの?
そのお友達は、男の子よ?どう言う事?
やめなさい、それは、違うわ、何してるの。

あの子は、きっと女性を知らない。
それは全然構わないけど、知らない事によって、違う道に走ってしまったなら、私がその道を強制しないと行けない、それが母親の務め。

あの子、本気で凄く嫌がってたけど、ちゃんと出してくれたわ、私の中に帰って来てくれたみたい。
おかえりなさい、ここにずっと居ていいのよ。

私が家に居ないと思って、ずっと家庭をほったらかして来た、あんな無責任な父親に相談するなんて、あの子どうかしてるわ、あの人に相談なんかしても何も解決するわけないのに。

何故?なんで!?
私だけ違う家で暮らさないと行けないの!?
やめて!私はあの子と一緒にいたいだけなのよ!!これは愛なのよ!?


「どうした?部屋の天井ばかり眺めて、もうお母さんはこの家にいないし、不安な事はないだろう?」

「…お母さんが、まだ見てる気がする」

上を向く、今日も

昔書いた脚本を端折りまくった感じになり、ちょっとよく分からない消化不足感があります、このちゃんと書いた方の脚本を撮りたいので、誰かお金下さい。

と言うわけで、キャッチコピーキャッチ、略して、CCC、皆さんもやって見ては如何でしょうか?
街を歩くのがほんのちょっだけ、楽しくなりますよ。

上を向く、今日も
明日も、明後日も
それが
人生のコツってやつかもしれない

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