東京都千代田区

平成15年私は千代田区一番町で産まれた。
この町は、どこか居心地の悪い場所である。
私は自己紹介で出身地を伝える事をひどく嫌っている、理由は単純「千代田区」が嫌いだから。
外から見れば都内屈指の高級住宅地、内から見れば大人のプライドとエゴと歪んだ価値観が混ざり合う地獄。しかも外側の人から見ればこれが羨ましく恵まれた環境だという。私の「外側」という分け方も価値観が歪んでいるのかも知れない。

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小学生
休日、軍歌で目が覚める。靖国神社へ向かう黒塗りの大きなバス、母は何も言わず窓を閉める。朝は食事は取らず母の運転で塾に向かう、母は小学受験に落ちた私にどことなく冷たい。送りの車内では会話もなく、ただエンジン音と英会話のCDだけが聞こえる。私はこの時間が世界で1番嫌いだった。そんな最悪な車内で過去に一度だけ車内で吐いてしまった事がある。母は大きなため息を付き一言だけ塾は休めないと言った。この一言がいまだにふと思い出す。
別に嫌いではないし感謝もしている。ただどこか母に対する不信感のような物が常にある。