美肌と皮膚(最大の臓器)の役割

カイロプラクティックとリラクゼーションの仕事をしていると、施術後の効果として肌の色、ツヤ、むくみなどが改善されることがあります。骨格や筋肉のバランスがよくなることにより、体液(血液、リンパ液、脳脊髄液)循環がよくなることも一因です。

では体を覆っている皮膚(肌)はどのような役割があるのでしょうか?

皮膚は最大の臓器といわれるほど、体にとっていろいろ大切な機能を果たして、外観からわかる健康のバロメーターともいえます。

そして自らも徐々に「皮膚」についての関心が高まり、数年前に日本エスティック協会の美肌検定にチャレンジして、美肌エキスパートの資格を取りました。


▼まずは美肌度チェック

美肌検定の教科書(日本エスティック協会発行)に掲載されている美肌度のチェックリストです。

私の美肌度はレベル3でした^^;

   0個        :美肌レベル1
        1~5個    :美肌レベル2
        6~10個   :美肌レベル3
     11~15個  :美肌レベル4
     16~20個  :美肌レベル5

  □ 肌色にむらがある
       □ シミ・ソバカスがある
       □ くまができる
       □ 乾燥している
       □ くすんでいる
       □ 肌がざらつく
       □ つやがない
       □ きめが乱れている
       □ 敏感に傾きやすい(敏感肌)
       □ 毛穴の開きが目立つ
      □ テカりやすい
      □ 毛穴の黒ずみが気になる
      □ ニキビができやすい
      □ 肌にはり・弾力がない
      □ ほうれい線が目立つ
      □ 目もとに小じわがある
      □ ニキビ痕が残りやすい
      □ たるみが気になる
      □ フェイシャルラインがぼんやりしている
     □ むくんでいる

▼皮膚の役割(生理的機能)

皮膚には大切な機能があります。皮膚(肌)をみれば大体の健康状態がわかりますね。

1.外からのいろいろな刺激に対し、からだを守ります。物理的、化学的刺激には皮脂、角層、色素細胞が、炎症反応や免疫反応にはランゲルハンス細胞や表皮細胞が役目を果たしています。 

2.からだの温度を一定に保つことを、皮膚の血管(夏はこれがひろがり、冬には収縮します)、発汗がつかさどっています。冬、寒い風に当たると鳥肌が立つのも、皮膚の面積を縮めて、表面から熱が発散されるのを防ぐためです。 

3.分泌排泄(はいせつ)作用として、汗、皮脂を皮膚の表面に分泌します。また、表面から角質がはがれていきます。 

4.知覚作用には温覚、冷覚、痛覚、圧覚、触覚の5つがあります。皮膚感覚の特徴に痒み(かゆみ)があります。おおまかには、痒みは痛覚の弱いものです。 

5.弱い呼吸作用があります。 

6.弱い吸収作用があります。 

7.外から入ってくるものに対し免疫反応を起こします。有害なものからからだを守る作用があり、このため、予防注射として皮内注射がおこなわれます。 

8.ビタミンD形成作用があります。皮膚が日光に当たると、そこでビタミンDがつくられ、体内に吸収されます。これは骨の発育に大切なもので、不足すると、“くる病”になることがあります。

出典:https://medical.jiji.com/medical/015-0001-11


▼皮膚の全体の構造

図1

出典:アルメディアWEB
https://www.almediaweb.jp/stomacare/medical/contents/selfcare/016.html

皮膚は表皮、真皮、皮下組織からなり、個人差や部位の差はありますが、脂肪を除くと、皮膚の厚さは平均約2ミリ。成人では、肌全体を一枚に広げると約1.6㎡(畳1枚くらい)の面積があり、重さは皮下組織も含めると体重の約16%にも及びます。

▼美肌の秘訣1:ターンオーバー(turnover)

表皮は絶えず生まれ変わり、古くなって剥がれ落ちた角質細胞は垢として洗い流されます。

この繰り返しをターンオーバーいい、約4週間で新しい表皮に生まれ変わり、これがスムーズに生まれ変わることが美肌の秘訣。


▼NASCAP(浸透技術)


一般の化粧品は、この表皮部分の一番外側の角質層に働きかけます。

しかし、最近の化粧品の中にはアメリカで開発された医療レベルの浸透技術NASCAP(Nano Some Capsule)を用いることにより、肌の奥深くまで化粧品の有効成分を安定して浸透させることができます。通常の化粧品は皮膚のバリア機能によりはじかれてしまいますが、NASCAPとよく似た成分の化粧品は、皮膚細胞と馴染みが深く角質層の奥まで浸透します。

https://hbi.jp/nascap

表皮の下にある真皮は、数年から数十年かけて入れ替わります。真皮を構成しているのはコラーゲン、エラスチンで、その間にはヒアロルン酸やコンドロイチンなどがあり、水分や栄養分があります。

加齢や紫外線により、これらの機能が低下します。


▼シワ(表皮性と真皮性のシワ)

若いときにはすぐに消えてしまう表情シワは、年齢を重ねると肌に残るようになります。

このシワは目のまわりから始まり、ほうれい線へと広がっていきます。

若い人のシワは乾燥による表皮性シワですが、加齢によるシワは真皮の機能の衰えによるシワです。

▼たるみ

皮膚を支えている筋肉が脂肪を支えきれなくなるために起こり、主に頬に見られます。

若いときは卵型だった顔の形も、頬のたるみにより丸形や四角形に変化していきます。

▼真皮について

図2

出典:https://www.kao.com/jp/skincare/skin/structure-04/

真皮は、その大部分を占めるコラーゲンや、エラスチンなどにより、肌(皮膚)を支え、その形や弾力を保つ働きがあります。

さらに「血管」「リンパ管」や、「皮脂腺」「汗腺」などの付属器があり、生理的な機能も営んでいます。

血管」は真皮全体に分布し、皮下組織にある動脈や静脈につながっています。

毛細血管」という細い血管が表皮の基底細胞や真皮の線維芽細胞などに栄養や酸素や水分を届け老廃物や二酸化炭素を運び去る働きをしています。

肌(皮膚)の血管はまた、体温調節にも働いています。暑くなると拡張し、血液を多く流して体外に熱を逃がそうとします。逆に、寒くなると収縮し、表面の血液を少なくして熱が逃げるのを防ごうとします。


▼美肌の秘訣2:4大ホルモン

女性ホルモンのエストロゲン、プロゲストロンが女性の美肌に関係することは知られていますが、それ以外にもセロトニンやメラトニン(睡眠ホルモン)が美肌に関係すると言われています。

私たちの体は体温の変動や睡眠と覚醒、ホルモンの分泌を約24時間周期で繰り返しています。この体内時計を「サーカディアンリズム」といいます。
実際は25時間周期で、このズレは朝日を浴びることでリセットでき、同時にセロトニンというホルモンを分泌します。セロトニンは心身の安定や心のやすらぎを促し、新陳代謝や老化を予防する働きがあります。


▼昼はセロトニン:抗重力筋の力を増強

セロトニンは抗重力筋をサポートします。抗重力筋とは、姿勢を支えるための筋肉で、重力に逆らう筋肉です。

背中や腰、お尻、お腹周りなどにある筋肉ですが、顔の目の周りや頬にある筋肉もその一つ。

セロトニンはこの抗重力筋のチカラを増強させる働きがあるのです。さっそくセロトニンを増やして、しわやたるみを解消しましょう。

さらに、セロトニンが増えると、それを材料とするメラトニンが増える=良い睡眠がとれる。良い睡眠が取れると肌の修復に役立ちます。


▼夜はメラトニン:睡眠ホルモン

逆にメラトニンは、夕方から徐々に分泌され、夜中の2時ごろピークになります。メラトニンの主な役割は良い睡眠を与えること。

でも実は、直接的に肌を修復してくれるスグレモノ。その理由はビタミンCやEよりも高い抗酸化作用があるからです。

このため、肌の表皮に蓄積されて肌ダメージを与える活性酵素やフリーラジカルを除去したり、さらに、肌のターンオーバーを促して修復を助けてくれるのです。

また、メラトニンと言ったらやっぱり睡眠。なんと言っても、しっかりとした良い睡眠が肌の修復には一番の薬です。メラトニンを増やして質の良い肌修復タイムを作りましょう!


▼美肌の秘訣3:表情筋

顔には、額や目を中心とした前頭筋、皺眉筋、目輪筋、頬を中心とした頬筋、大頬骨筋、小頬骨筋、笑筋、口を中心とした口輪筋、上唇挙筋、広角下制筋、下唇下制筋、などの表情筋があります。

表情筋は手足の筋肉と違って直接皮膚についているため、細かな表情を作ることができますが、そのくせが加齢とともにシワとなって深く刻み込まれてしまいます

加齢によるたるみは、角質層の保湿機能と真皮のコラーゲンをつくる細胞機能の低下や皮下脂肪の減少のほか、表情筋の衰えなども加わって起こります。

▼美肌の秘訣4:ヘッドマッサージ(またはフェイシャルマッサージ)

私は日本ヘッドセラピスト認定協会認定の1級ヘッドセラピストですが、このヘッドマッサージは、頭だけでなく首のライン、肩、鎖骨付近も行います。

美肌検定の教科書にも「実践!フェイシャルマッサージ」のページがあり、ここで紹介されているマッサージはヘッドマッサージの技術に類似している技術が多く掲載されています。

例えば、耳裏から鎖骨に向かってのマッサージ、これはリンパ管をマッサージするのでリンパの流れをよくする効果があります。鎖骨の下を内から外にマッサージするのも同じように紹介されています。額、頬骨の上、顎付近のマッサージも同じです。

表情筋を動かす動作も有効と言われます。


▼脳脊髄液

ヘッドマッサージにより脳脊髄液の循環もよくなります。この重要な体液のひとつである脳脊髄液は、脳と脊髄を保護する機能をもっていますが、その他、
  ー脳・脊髄の栄養の運搬
  ーホルモンの運搬
  ー老廃物の排出
  ー表情筋や三叉神経など、顔周りの神経の働き

にも作用します。脳脊髄液の流れをよくすることは肌にもいいのです。

▼その他

美肌の基本は、落とす(汚れ、化粧)、与える(水分、保湿など)、巡らせる(マッサージなど)、守る(ベースメイクアップ、UVカットなど)、と言われています。

適度な運動も有効ですが、ハードな運動は全身の酸化を促し、肌の老化を早めるので、年齢に合わせて負荷がかからないようにすることが大切です。

そして言うまでもなく食べ物のとり方にも気を配るることも大切です。基本は炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランスよくとること。

フィトケミカルを多く含む旬で新鮮な野菜を生で食べることや、発酵食品などもおすすめです。

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