佐久の農_食

信州佐久の「農と食」~協働で価値をほりおこしましょう!~

▼首都圏からアクセスが抜群にいい佐久市、でも「ふつう」がいいのだ

東京から信州佐久に仕事の関係で移住して早10年。いろいろ事情があって退職後もこの地にとどまっています笑。

佐久は人口10万人にも満たない地方都市。近隣の軽井沢は年間860万人もの観光客が訪れますが、佐久には特段の観光資源もなくふつうの街。その分、オーバーツーリズムの弊害もなく、そこそこ買い物も便利になり生活に困ることはありません。

東京からのアクセスもよく、新幹線と高速道路が使えます。しかし実感として東京からのアクセスがいのに、人の流れは10年生活してもあまり変わらず。私が住んでいる佐久平駅周辺が週末や通勤時間帯に多少渋滞が見られるようにはなりましたが、基本は大きな変化なし。

佐久は特段のカラーもなくふつうの街ですが、その方が生活しやすいし、東京からのアクセスの良さとライフスタイルと地域資源に利点があるので、ビジネスチャンスもあると考えています。

▼世代、業種、出身地を超えた人のつながりが楽しい

前職の関係で農と食に関わっている人(生産者やシェフ)と5年くらい前からつながり初めて、一気に生活が楽しくなりました。そしてイイトコというコワーキングのメインボディができて、世代、業種を超えていろいろな方との接点が生まれ、私のようなよそ者と地元の方との交流を通じて、いろんなことに巻き込まれたり、巻き込んだり笑。

今では農と食育のイベントも企画し、カトウツアーをしかけたり、美味しいものを食べ~本当にライフスタイルを楽しんでいます。

楽しそうにしている人に人が集まる! そういう街にしていかなければなりません。そういう人は何かをもっています

佐久にはIターンの若い家族経営の農家さんが増えていて、家族との時間や生活も楽しんで、背伸びしない経営をされています。「佐久の農×食は宝」で紹介している生産者は一部ですが、こだわりをもって楽しんで作物を育てている人は吸引力があります。

▼佐久の価値は自然のめぐみ:空気、水、寒暖差

東京の友人が来ると空気が違う!とよく言われます。長野市や軽井沢とも違い、晴天率が高く、年中、湿度が低いのでカラッとしています。清流も豊富にあります。

寒暖差がかなりあるので、植物生理学的に農産物のおいしさを引き立てます。私のように寒暖差アレルギーがある人には冬場は少々厳しいですが^^;。

この自然のめぐみのおかげで、東信千曲川流域には、コメ、野菜、果樹、川魚、畜産、日本酒、ワインの産地が形成され、地産地消をベースにした飲食店も多くあります。これだけの多様な産地を形成しているエリアは日本でも珍しい、いやここだけかもしれません、。

▼浅間山と田んぼに代表される癒やしの景観~佐久の人は穏やかな人が多い?~

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周りを山で囲まれて、田んぼもまだまだ多く見られ、日常の景色に癒やされます。だから佐久の人は穏やかな人が多い?。好きな景色は浅間山とはぜ掛け。

しかし残念なことに佐久出身者には普通に映るらしく、なんとも思わないようで^^;。

▼都会にないもの:食材のバリューチェーン、プロセスを楽しめる!

東京から移住して、日々口にする食材の産地に生活していること、はありがたいことだ!と気づいたのは移住してまもなくのこと。

私のように一応、農畜産業の専門家でも、これだけ多様な食材の産地で生活していると、それらがどのように生産され、収穫・調製され、さらにはレストランでどのように料理されるのか、一連のプロセスの中にいることの価値がすごいと思います。

▼農業の多様で多面的な価値

イタリアのローマで家族で生活しているときも、ブドウ畑がありワインが作られ、牛がいてチーズが作られ、小麦からパスタに作られる「プロセス」に日常触れられるというのは非常に価値のあることだと思っていました。

だからヨーロッパでは農業の多様な価値(食料生産だけでなく、環境保全、コミュニティー形成、文化・行事、災害防止、癒やしの空間など)が住民間で共有されているので町並みも美しい

家族で住んでいた首都ローマは大都会ですが少し車で走れば、農業地帯が現れます。都市と都市の間が緩衝地帯(畑と森林)になっているためで、これが私の中では理想の街の姿です。

佐久が位置する東信の千曲川流域はイタリアに似ているところがあるので、開発が進む中ですが、これからに期待しています。

▼農業の衰退と代償

佐久も年々、農家や田畑の減少傾向の歯止めがかからず、箱物、全国チェーン店、ソーラーパネルの建設、耕作放棄地の増加の流れを食い止めるのは難しかもしれませんが、農業の多面的な機能の喪失といった代償を払うことにもなりかねません。

農業の衰退は自然災害の発生リスクを高める場合もあります。田んぼは洪水防止天然クーラーとしての役割もあります。また、生き物の住処でもあります。日本はヨーロッパと違い街の景観規制がゆるいので、街づくりもマイナスの影響が出かねません。

今、日本全国に蔓延している金太郎飴のような地方都市になってしまえば、自分もここに住む価値を感じないと思います。

たんぼ

▼農と食育の絵本「いただきます」~春夏秋冬のイベント~

自然、農業、生産者、シェフに感謝して、地元の農産物をありがたくいただく、という意味を込めて、地域発?の農食育の絵本を編集しました。

親から子供に「佐久の宝」が継承されることを願って。

絵本

http://39agri-food.jp/site/ehon/

絵本を使った春夏秋冬のイベントを昨年からスタートしました。随時お知らせしていきたいと思っています。

▼協働で佐久のリソースをほりおこしましょう

自分のようなよそ者の移住者や域外の人を巻き込んで、佐久のリソースをほりおこして磨き上げていきたいと思っています。自分ひとりではできないので、多彩な人のつながりを大事にしながら。

よろしくお願いします。

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