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ヤドリギの3つの魅力&育てる事についての山暮らし的考察

信州の山奥に移住してから、様々な植物に出会ってきたが、ヤドリギはその中でも特にお気に入りの植物の一つだ。

なんとも不思議な魅力を持った植物で、ついには育成にも着手したのだが、そんな事を書いてみたいと思う。

ヤドリギの3つの魅力

採取したヤドリギたち。

信州の山奥で暮らしていると、たくさんのヤドリギを見かける。

また、伐倒作業の際には身近に見る事もあるので、この数年で数十個のヤドリギを手に取り、観察してきた。

そうすると、知れば知るほどヤドリギという植物に惹かれるようになった。

その魅力は、大きくは3つあると思っている。

(その1)独特な容姿

ヤドリギの魅力、まずはその容姿だ。

他の木々が落葉する中、冬でも鮮やかな緑色を保ち、枝はカクカクとして幾何学的な容姿をしている。

他に似ている植物はないのでは?と思う程、独特な姿だ。

冬は実をつけるのだが、その黄色い実がアクセサリーのようになって、さらに鮮やかになる(欧米の西洋ヤドリギは白い実)。

我が家では、採取した時はいろんな飾り方を試してきたが、室内に飾ると熱帯植物のようでもあり、また和風にも洋風に合うような、その雰囲気も好きだ。

(その2)希少性

ヤドリギの魅力、2つ目はその希少性だ。

ヤドリギはその性質上、花屋さん等で気軽には手に入らない。

木々の高所にいる事が多く、採取が難しく、採取できたとしても親木から切り離すとすぐに枯れてしまうからだ。

なので、立派な個体になると数万円で取り引きされている。

我が家のような信州の山暮らしをしていても、実際に手に入れ、間近で見る機会は少ない。

(その3)儚さ(はかなさ)

3つ目は、2つ目と少し重複するが、その儚さもまた魅力だと思っている。

ヤドリギは半寄生植物なので、親木が枯れるとヤドリギも死んでしまう。

まさに「宿る」植物なのだが、そうした特徴もまた、入手できた時には「大切に扱おう」と思わせてくれる。

春のソメイヨシノは一瞬で花が散るからこそ美しく感じる、とも言える。

ヤドリギを愛でるのも、そんな感覚に似ていると思う。

ヤドリギを育てるというチャレンジ

樹齢3年くらいのヤドリギ。

こんな風に、ヤドリギに魅了された我が家は現在、ヤドリギの育成に挑戦している。

育成、といっても種を木に付着させ、あとは放置するだけなのだが、一節育つのに一年かかるので、気長にやっていこうと思う。

実をつけるまでには5年くらいかかるらしいが、数年後には実を採取して、また付着させて、どんどん増やしていけたら楽しいなぁ、と思っている。

「ヤドリギ、欲しいです!」とちょくちょく連絡をいただくが。。。

ヤドリギの育成に成功したら、欲しい人にお分けする事もできる。

夫のブログで「ヤドリギ差し上げます」という企画をやっていると、ちょくちょく「ヤドリギ、欲しいです!」と連絡をいただくのだが、前述の通り採取できる数は限られている。

いつか、ヤドリギをたくさん育てて、たくさんの人に喜んでもらえるようになったら。

そんな想いもある。

ヤドリギが持つ、遠くへ旅する能力

宅急便でヤドリギを送る準備。

最後に、植物が持つ「遠くへ旅する」という能力についても書いておきたい。

植物は、繁殖する為にそれぞれ、いろんな方法を持っている。

タンポポは風で種子を飛ばしたり、くっつき虫は動物に付着したり。

ヤドリギについては、鳥が実を食べて、消化されずに糞として出てきた種子が枝に付着し、(上手くいけば)発芽するという方法だ。

植物はそれぞれ、遠くへ旅しようとしている。

そんな中、我々夫婦がヤドリギを育て、種を宅急便で各地に発送して、受け取ったヒトがまたヤドリギを育てたりしたら、なんて面白いんだろう。

こんな風に人々を魅了するのも、植物が持つ「遠くへ旅する能力」の一つなのだと思う。

山暮らしの我が家のヤドリギはこうして、旅立つ日を待っている。

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