落胆も失望も引き受けるから

今の私を覆っている薄暗い感情の理由が分からない。この薄暗い感情について見つめすぎてしまったら、見つけてはいけない何かを掴んでしまう気がする。でも、その「何か」から目を背けることが正しいことだとも思わない。どうしたって苦しいのだろうと思う。でも、逃げる覚悟はない。私は、私が選んだ苦しみを、うまく引き受けられずにいる。選んだつもりはなかったけれど、逃げないという選択肢を取り続けた結果が、今の苦しさなのだろう。

学校を辞めたい。高2から変わらず思っている。高校に入っても大学に入っても、説明しようのない苦しさがある。学校の何が嫌なのかと聞かれても分からないのだ。人混みは嫌い。でも花火大会だったりライブハウスには行ける。知ってる人がたくさんいる場所が嫌い?同年代の人がたくさんいる場所が嫌い?たくさんの人が狭い空間に詰め込まれている場所が嫌い?でもバスや電車は学校ほどではない。何がだめなの、どうすればいいの。私が知りたい。

どうしようもないで終わらせたくないよ。だからずっとここにいるよ。高校もその気持ちでなんとか頑張ってきた。もうどうしようもないのかもって言ってしまうこともある。そんな私の絶望に、諦めたらどうしようもないなんて言わないで。そんなこと分かっている。

どうやったら私が学校に通えるのかを誰よりも必死で考えてきたよ。私が私のやりたいことを何ひとつ諦めないために、たくさんたくさん考えて動いて頑張ってきたつもりだよ。たくさん考えたことも、どうしようもないなりに頑張ったことも認めてもらえなくてかなしかったよ。ひとりで闘っていることを私以外知らなくてもよかった、でももっと頑張れなんて言わないでほしかった。何も伝わないから、何も頑張っていないふりをして笑った。そのことを、自分が絶望を茶化したことで二重に生まれる絶望を、私だけは私のせいだなんて言いたくなかった。そうするしかなかった。笑うと決めたときも笑っていたその瞬間も笑っていた自分を忘れていない今も、私は絶望を茶化すしかなかった私の選択を認めてあげたいと思うよ。

理由を添えた十分な説明をして、病院に通っていることや薬を飲んでいることを証拠として突き出して、回復するための努力やこれからどうしていくかについてしっかりと考えていることを伝えなければ、休む権利はないと思い続けている。苦しいだけでは私の苦しいは認められないし、休む権利も弱音を吐く権利もないと思う。そう思っていることが、そう思うことしかできない私が、そんな私をつくってしまった過去が、どうしようもなくかなしい。

少しずつ、背負っていたものをおろすことができてきたような気がする。もう何も背負いたくないと思う。耐えられる私ではないから。そんなに強くない。いつのまにか背負っていることに気づいたいろんなものを、どうにか引き受けることだけで精一杯だ。これ以上何も、私にやってこないでほしい。でも、私は生きていて、いつまでも休学しているわけにも、学生でいるわけにもいかない。私は私の道を、どうにか選びとって生きていかなければいけない。考えないといけないこと、やらないといけないことがたくさんやってくる。苦しいね。立ち止まることが許されていない感じが、とてもとても苦しい。

私こんなにぼろぼろです。ずっとひとりで闘ってきたつもりです。これ以上頑張らなくちゃだめですか。下を向くのはいけないことですか。ずっとずっと、なんとか前を向くために頑張ってきたつもりでした。心から前を向くことこそできなくても、後ろ向きな気持ちで大切なものをだめにしてしまわないように、考え続けてきたつもりでした。間違っていたんでしょうか。間違っていたから、こんなことになってしまったんでしょうか。もしそうならば、どこからが間違いだったのでしょうか。間違っていないということならば、間違っていないのになぜこんなことになっているのでしょうか。そんなに私が何か、悪いことをしましたか。生まれてくるべきじゃなかったのでしょうか。生まれてきたこと自体が間違いだなんて思いたくないけれど、そうとしか思えないことが、そう思わないと納得できない現実が、私にはたくさんあるような気がするんです。

努力は必ず報われるとか、神様は見ていてくれるとか、やまない雨はないとか、もう飽きました。ずっと信じるために頑張ってきたつもりでした。でももう無理です。頑張ってきたけど、ここでやめちゃったら無駄になるんですよね。でももうそれでいいです。頑張れなかった残念な人間で構わないから、落胆も失望も引き受けるから、どうかどうかもう、私を苦しめないで。私はもう疲れた。私に、生きることに、人生に疲れてしまった。

人生の手綱を放すことも、自分の人生を諦めることも、不幸のヒロインになったつもりで誰かに助けを求めることもしない。静かにひとりで引き受けたい。それ以外に、私が生きる方法はないように思える。生きたい。置いていくしかない大切なもの、大切だったもの、全部覚えていたいし、全部言葉にするよ。今はできなくても、いつか全部言葉として、私の生きる糧としていくよ。

何ひとつ無駄と思いたくない。苦しみたくはないけれど、苦しまなければいけないのなら、引き受ける覚悟を決めて見晴らしの良い地獄で生きたい。

どうしたらよかったんだろう。それだけ。
もう、疲れたね

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