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相手に花を持たせるようにしたら、会話はきっともっと面白くなる。/お笑いコンビ ラフ次元 梅村さんから学んだこと

先日、お笑いコンビ「ラフ次元」のツッコミ 梅村賢太郎さんとお話しました。
というのも、ラフ次元さんが行っているクラウドファンディング企画に私も支援いたしまして、そのリターン品として、60分梅村さんとお話できるという機会を頂いたのです。
今回のラフ次元さんのクラファン企画は、現役塾講師でもある梅村さんが楽しく学べるオンライン授業を、劇場の舞台がなくなって仕事がない仲間の芸人さんや作家さんにお仕事として依頼して一緒に作り上げていくというもの。
そのための資金を吉本興業が運営している「SILKHAT」というクラファンページで募っています。

お話してみて分かったのですが、梅村さんは本当に素敵なエネルギーを持ってらっしゃる方でした。
学んだことが多かったので、お話してみて感じたこと、教えてもらったことを書き留めて、みなさんにシェアしたいと思います。
本当にいろいろお話させてもらったんですが、今回は主にコミュニケーションに焦点を当てて書くことにします。

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まず、お話するためにインスタライブのライブ配信に参加する。
入る前から、いつも配信してるときと変わらないあの顔で「入って来はるかな~」とワクワクして待ってくれてはるのが一瞬見えた。
すごい、誰かも分からない素人の1ファンと話すのをものすごく楽しみにしてくださっている。そしてそれがちゃんと伝わってくる。
まずここで一つ、「あ、人を楽しませるプロってこういうことか」と思った。

実は直前までどんな話をしたらいいのかをずっと考えていた。
絶対にいい時間にしようと意気込んでいたので、ノート見開きにびっしり聞きたいこと話すことを書いて準備してたんですが、梅村さんがパッと話始めると、舞い上がるでも緊張するでもなく、自分の言葉がポンポンと気持ちよく出てくる感じがした。

いろいろ話を聞かせてもらう前のライトな話題に困らないように、用意してた掴みどころの日本酒を出すとしっかり拾って笑ってくださるし、気づけば自分が話したいことを話させてもらってた。
さすが、やっぱりコミュニケーションのプロや、と思ってコツを聞いてみた。

「あんま質問しないようにしてるねん。その人が探り探り喋ってる中で『ここや!』っていうポイントを見つけはったなと思ったら、そのポイントにめっちゃリアクションするねん。
そこがたぶんその人が一番話したいポイントやから。」

目から鱗。
話って、どんどん質問していかないと広がらないと思っていた。

「そんで、お互いの遠慮がぶつかって会話が止まったときは、先に自分が腹出すねん。相手がほんまに思ってることを聞きたいから、まず自分がほんまに思ってること言うねん。

開幕15分くらいで、聞きたい言葉がもう聞けてしまった。
最近ずっと考えている、「見栄や思惑にとらわれてないときが一番人が面白くて会話していて楽しいはず」という仮説の裏付けを得た気がした。

そしてちょっと気づいた。梅村さんは他の芸人さんとの配信でも、話を回す方に立ちまわってることが多い。
梅村さんとの会話の魅力は、相手を主役にしてるからかもしれない。
実際私は気持ちよく話さしてもらってる(そら楽しい)。

上手な「フリ」がおしゃべりの鍵

会話が自分にしか向かってるんじゃなくて、ちゃんと外側に向かってる人の話って魅力的ですよね、と切り出した。

「そやねん!芸人さんでもフリが上手い人って面白いねん。
ちゃんと相手に打たせてあげられるボールを投げる。相手が打つまでがセットやねん。試合じゃないし楽しく盛り上がればいいんやから、どれだけ相手を勝たせてあげれるかなんよ。」

フリ!芸人さんらしい考え方。
そして、やっぱりお笑いは価値基準が「面白いか面白くないか」の世界だから、ストライク取って「言いくるめる」「論破する」みたいなのより、「打たせてその球の行方を楽しむ」の方が価値が高そう。
でもこれって芸人さんの世界だけじゃなくて、コミュニケーションの基本的な部分なような気がする。
自分のガチガチに固めた意見を言い、アドバイスをもらう。また相手の考えを聞いて、アドバイスする。そんな会話が今まで多かった気がするな。
それはもうピッチャーとキャッチャーの、試合に向けての練習でしかなかったのかもしれない。

こんなことも話してくださった。
「テレビで活躍されてる芸人さん見てていいなと思ったのが、コメント振る前に先に名前呼んでるのよ。『これについてどう思います?○○さん』じゃなくて、『○○さん、これはこういう話でしたけど、これについてどう思います?』って。先に名前呼んで、準備する時間をあげてはる。こういうのがめっちゃ大事やと思うねん。

で、俺はこないだのスタッフさんとかも出てもらってる配信(下記リンク参照)でフリをミスりまくった!(笑)どぼちょん!

リターン品のオリジナル学生証などに使われる校章を決める頂上決戦「校章-1グランプリ」の配信。
大人の本気のおふざけ。こんな愉快なスタッフさん達が周りに集まるのも梅村さんの人柄やろうなぁ。

梅村さんは自分がミスしたときなんかに「どぼちょ~ん」と言うギャグをお持ちなんですが、私これがすごく好きなんです。
失敗ってしたら落ち込むし、毎回「この経験を生かして次頑張る!」と思うのも重たいなと思ってしまうんですが、「やっちゃった!どぼちょん!」くらいの軽さだと、なんか明るく昇華される感じがしません?

「笑い」は「救い」

そう、お笑い芸人さんの配信や発信されてるものをいろいろ見るようになって思うのですが、つくづく笑いに変えることで救われることってたくさんあるなと思うんです。

梅村さん、こんなことも教えてくださりました。
「仲いい先輩の芸人さんが言ってくれはったことなんやけど、
『どんな無茶なフリでもどんどん投げて来いと思う。絶対こんなん返されへんやろ、みたいなフリが来ても、絶対みんながドーンと笑える魔法の言葉があると俺は思うねん。お笑いしてる人は、みんなが笑えるその魔法の言葉を探す旅に出てるねん。』って。
めちゃめちゃかっこいいと思わへん?
どんな言葉が来ても、それをみんながハッピーになる笑いにするって言わはるねんで。めちゃめちゃかっこいい。」

いや、ほんま、めちゃめちゃかっこいい。
その投げられる言葉は、取るに足らない言葉かもしれないし、悲しい言葉かもしれないし、もしかしたら誰かを傷つけるような言葉かもしれない。
それを、魔法の言葉で笑いに変えて、場が笑いに包まれる。
そうやって誰かの投げかけた言葉や、その投げかけられた言葉によって面白くない空気になるかもしれなかった場が救われる。

みんなが笑うその瞬間のため、魔法の言葉がポンと出てくるようになるように、芸人さんたちは芸を磨く。
時には大勢の前でスベッたり、絶対いけると思ったものがウケなかったり、自分の力ではどうにもならない偶然性に身をゆだねながら、試行錯誤する。
全ては、関わる全ての人に楽しんでもらうために。
なんて尊い仕事なんだろう。

心の中に芸人さんがいると、多少の無茶も恥も失敗も悲しい出来事も、後から「あんなことあってん」って笑えるエピソードになると思える。
そうやって、自分の価値が下がっていると感じる瞬間がフッと救われる。
笑いの力ってすごいな。人を笑わせられる人ってすごいな。
そんなすごい人にもっともっと会いに行って話したいな。
そう思えた時間でした。

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たっぷり60分、ここに書いたコミュニケーションの話や未来を後押ししてくれるようなお話、その他こぼれ話を楽しくさせていただきました。
いち大学生の私にとって、本当に貴重な経験になりました。
せっかく繋がったこのご縁、大切にして、いつか梅村さんに恩返しできるようになりますね。
本当にありがとうございました。

ここまで読んでくださった皆さんは、ぜひラフ次元さんのYouTubeで配信されているクラウドファンディング企画をご覧ください!
支援金で作られているので、広告がなく快適に見られます。
ラジオ代わりにぜひ!

(クラファン企画以外の動画も面白いですよ。個人的に好きなのは移動中の車内で行われる「いってきますラジオ」「おかえりラジオ」です)


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