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「形而上学的道普請活動(metaphysical road improvement。略してMRI)」の話

これまでの振り返り


 今回は前回、前々回の続き。

 前回、橋渡し型ネットワークの形成は必ずしも地域団体の持続可能性を高めず、むしろ内部留保を外部へ吸い出すストローとして機能してしまわなかったか、という話を書いた。

 しかし、それは前々回書いたように、コミュニティ政策の目標設定がでかすぎるというか、やや風呂敷を広げすぎた結果だったのではないか、と考える。それはどういうことか。再度、京都市の条例に再度目を戻そう。

京都市のコミュニティ活性化条例の想定するコミュニティ形成の機序

 本条例では、よく使われる言葉を以下のように定義している。

「地域活動」= 「良好な地域コミュニティの維持及び形成に資する活動」のこと。

「地域自治を担う住民組織」とは主に「地域活動に取り組むことを主たる目的とするもの」のこと。

 これ、文章だけ読むとわかりにくいかもしれないけれど、「地域自治を担う住民組織」とは具体的には例えば自治会・町内会などの地域組織のことをイメージすれば良い。

 とすると、この条例は面白い事を言っていることに気づく。つまり、町内会のような地域組織の主たる目的とは、「良好な地域コミュニティの維持及び形成」だっていうことなんだね。

 さて、「地域コミュニティ」とは「本市の区域内における地域住民相互のつながりを基礎とする地域社会」だっていうことだった。つまり基礎となるのは、人々の間にあるネットワークだということだった。

 じゃあ「良好な地域コミュニティ」ってなんだっていうと、逆に「険悪な地域コミュニティ」ってなんだ、というところから考えることができる。

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