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注目記事に選んでいただいた記事

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『今日の注目記事』に入れていただいたものをまとめました。
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記事一覧

ハレの日の美術館

よく晴れた5月のある日、私たちは美術館で結婚式を挙げた。 結婚式といっても、参加者は私と…

如月桃子
1年前
267

サンタになった日

季節外れにもほどがある。 ということは、私も重々承知しているのだが、今日はクリスマスの思…

如月桃子
1年前
143

いつだって、甘やかしごはんだった

対面キッチンのある食卓は、実家の東側の一番大きな部屋にある。 食卓に朝日が差し込む前に、…

如月桃子
2年前
237

わからなくてもいい。それでも聞いてほしい女性の話。

これは、女性の体についてのお話です。 でも、男性にも読んでいただけたらいいなと思いながら…

如月桃子
3年前
348

ありがとうのチャンスを君にあげる

まだ私が恋を知らなかった頃、私はいくつもの恋を経験した友人の話を聞いていた。 彼女の好き…

如月桃子
2年前
330

先輩の芥川賞受賞に寄せて

夕飯を食べながら、何気なくテレビを見ていたら、芥川賞のニュースがやっていた。 今年は直木…

如月桃子
2年前
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母、絵日記はじめました

母が、フジコ・ヘミングに感銘を受け、あることを始めた。 ピアノを弾き始めたのではない。 母は、絵日記をつけ始めたのである。 母は、ある日、図書館から、フジコ・ヘミングが小学生の頃に描いたという絵日記を借りてきた。 すごく面白いんだよ!と熱く語っていた。 私は、お母さんも絵日記を描いてみたら、と冗談半分で提案してみた。 次の日、母は100円ショップで色鉛筆とクロッキーを買ってきた。 母はとても素直なのである。 正直言って、母の絵日記が、フジコ・ヘミングの幼少期の日

「妻」と呼ぶ人は、ちょっとかっこよく見える

とても個人的な好みの話なのですが。 男性が、その方の奥様のことを話すとき、「妻」という言…

如月桃子
2年前
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もういちど学芸員になります

私は、5月からもういちど学芸員になります。 地元の美術館で。 このお仕事は、1年という任…

如月桃子
3年前
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「個」展

展覧会へ、ようこそ。 どうぞ、扉の向こうへお進みください。 Photo by Philipp Berndt on U…

如月桃子
3年前
311

健康第一、家族第一

少し前に、私は体調を崩した。私の父は、私が体調を崩すとすごく怒る。 最近、夜寝るのが遅か…

如月桃子
3年前
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体型コンプレックスに苦しむ私を救ってくれた言葉

私は、あまり自分の体型が好きではなかった。 私のように、自分の体型を好きになれない人は、…

如月桃子
3年前
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雨降る美術館

ひとりで静岡の美術館へ旅をしたことがある。 その美術館は、いつか行ってみたいと思っていた…

如月桃子
3年前
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青色に魅せられた日々

高校生の頃、憧れの先輩がいた。 その人は、一つ学年が上の、美術部の先輩だった。 彼女は、ナウシカのような声をもっていて、よくとおる声で歌ったり、おしゃべりしたりしながら、いつも楽しそうに絵を描いていた。 いつも背丈ほどもある大きなキャンバスにむかって、腕まくりしながら、力強く筆を走らせる。 弱っちい腕で、かぼそい線を引く私とは対照的だった。 先輩は、いつもアクリル絵の具で描いていたけれど、水彩を使っても、アクリルや油絵具で描いたような重厚な仕上がりになる。筆には水を