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自転車で寿司をもって帰る

近所のスーパーまで自転車で10分ほどかかる。
家の周囲は畑や田んぼが多いせいか、路面が凸凹だらけで段差も多い。
前かごに荷物を入れるとガタガタと音を立てて買ったものたちが大騒ぎする。
そのため、卵はトートバックに入れて小脇に抱えて持ち帰らないと割れてしまう。
買い物の際は段差と路面の凹凸に耐えられる者たちを選んで買っていた。

先日、どうしても惣菜コーナーのお寿司の詰め合わせが食べたくて持ち帰りのことなど忘れて購入してしまった。
袋詰めの際に、これ持って帰るの大変だな…絶対ぐしゃぐしゃになるでしょ…
と冷静になるが買ってしまったからには持って帰らないといけない。
スーパーの前のベンチで食べて帰ろうか?とも思ったが人通りの多いベンチで1人寿司を食べる勇気など出ず。
出前の際に使われる「おかもち」をイメージしてハンドルに寿司をかけて走り出してみた。
「お、いいぞ!このまま順調に頼む。」と思った瞬間突風が吹き、寿司袋が風に煽られ完全に縦になったのだ。
お寿司は儚く片方により、いくらが転げ落ちているのがチラッと見えた。
やはり、カゴの一番上に乗せて段差に注意しながら慎重に走る作戦に切り替えた。
路面を慎重に見ながら、段差の少ない場所を選び自転車を走らせる。
「いいぞ、その調子だ」
順調と思ったが、少しの段差と思って乗り上げた段差はお寿司にとっては無理な段差だったようでゴツん!!とネタとシャリが宙に浮き分解された。

もう、家に帰って握り直そう。
そう思いながらも出来る範囲で慎重に自転車を走らせた。

寿司を確認すると、ネタとシャリは分解され、いくらは自由に動き回っていた。
ネットで、「寿司 自転車 もって帰る」 で調べるとみんな苦労しているようで、片寄ったりバラバラになった寿司の画像が出てきた。

こんなに苦労するなら、徒歩3分のはま寿司に食べに行けばよかったのだけど、スーパーで寿司を見た瞬間に買わずにはいられなかったのだ。
美味しそうな食べ物の前で人は無力なのだ。

スーパーの寿司は、苦労も相待ってかとても美味しかった。
寿司と同じく、デコレーションケーキも路面の凹凸に耐えられなさそうだ。
今回のように衝動買いした時のために持ち運び方法を研究しておく必要がありそうだ。





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