2、ヶ月の新居

時を遡ること1年半前。

私は、新たな生活を当時付き合っていた21個歳上の彼と送る事になった。
年が明けた1月の中旬、バタバタしながら越してきた1LDKの新居は間違いなく今まで生きてきた中では一番広くて、快適な家だった。

前の記事にも書いたように、私は自身の適応能力の低さが災いし、新しい環境には慣れることができなかった。

仕事の事、彼のこと、なんか頭がいっぱいで、だけどせっかく手に入れたこの幸せであろう感覚を失くすのも怖かった。

2月9日、彼と付き合って2年目になった。
なんだかんだでちゃんと記念日らしいことをしようと、事前にハートのバルーンなんかも買って、ご馳走も作って彼とお祝いしようとした。
内心、これが最後だな、こういうのは…とも思いながら。
多分、よくインスタとかで見る感じのをやってみたかったのだろう。

案の定、おじさんな彼のリアクションは低くただただ虚しくなったただけ。
でも、本当は喜んで欲しかった。
そこで完全に私も冷めた。
彼への2年分の気持ちを描いて渡したお手紙も彼は読むだけ読んだら、そのまま机に置きっぱなしにされて、頭にきたからビリビリに破いて自分で捨てた。

彼の私への扱いも、普段の態度も変わる事なんてなくてなんだか二人で暮らしているのに私だけが大変な気がして毎日憂鬱だった。
それにプラスして職場の人間関係にもストレスを感じ、完全に参っていた。
鬱モードになり、仕事も休みがちになった。
辛いこと、胸の内を一番近くにいる、一番理解してほしい彼に言えなかったことが苦しかった。

睡眠薬を過剰摂取いて、記憶を無くしたりもした。
もちろん、彼はいない。
いや、いたのかもしれないけど記憶から消えているのかも。
もう、逃げたい。だけど、ここから離れられない。
辛かった。


数日後、最後に些細なことで彼と言い合いになって、もう限界だった。


何が原因とかじゃなく、もう積もりに積もった不満が爆発した。
一方的に私は彼と別れた。
勝手に終わらせた。
かなり強引に。メチャクチャノープランだった。
それくらいもう無理だった。

思い出すと、気持ちが悪いのだが、幼稚な41歳の彼氏は私が別れると言い出してから
馬鹿みたいに媚を売ってきた。
泣きながら花束を渡してきたのには流石に怒りを通り越して笑えてきた。
バカにしてんのか?と、憤りとはこのことかと、はっきりわかった。

一緒に住んでは居たものの、私が夜勤をしていたので彼とは生活リズムが違うのが不幸中の幸い。彼とはほとんど顔を合わすことなく暮らしていた。
どうしても彼に会いそうな時は、近くに住んでた祖母の家に泊まったり、すすきのの安いビジホに泊まった。

あと少しの辛抱だ、そう自分に言い聞かせた。

結局、彼との新しい暮らしは2ヶ月足らずで終わった。
私は、空いた時間に一人必死に一人暮らしをするための物件を探した。
皮肉にも、その新しい物件を探すのをサポートしてくれた不動産会社の男は、彼との新居探しを担当してくれた人だった。
なんか、もう笑うしかない。
後にこの不動産会社の男もなかなかの嫌な思い出を私にプレゼントしてくれるのだが。




続きはまた今度。
綴りたいことが本当は溢れてて、今ここにいる私が生きた人生を残したい。
それを全て書き終わったら、次に行く。
おじさん彼氏と別れてから、ここまでの期間の出来事は風化させるには勿体無い。
苦しみ、涙を流した私が無駄になりそう。
今だって、毎日なんだかしんどいのはこの2年間に向き合わなかったから。
今の私がいまに生き方に至る意味。


しんどいな、書いてても。





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