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始まってしまえば、終わるだけ。

「始まってしまえば終わるだけだから」

高校生の頃、テスト期間になると呪文のように唱えていたこの言葉が、今の私を支えている。

もともとは友人が何気無く発した言葉だ。
テスト前、いくらやっても終わらない範囲、とんなに予想問題を解いても募る不安・焦り。嫌だ嫌だと嘆いていたら、一人の友人が諦めたように呟いたのだ。「たしかにそうだよね、始まっちゃえば終わるだけだよね、みんなで耐えよう!」。そうやって、毎度毎度定期テストを乗り越えながら過ごしていた。

大学生になっても、テスト期間に入るたびにこの言葉を思い出していた。大学の友人で、やたらどうしようどうしようと嘆く子がいたので、この言葉を伝えて安心させていた(し、自分にも言い聞かせていた)。恐怖でしかなかった教育実習も、就活も、全部この精神で乗り越えてきた。

おかげさまで、自分には「諦め」という感情が備わったらしい。
社会人1年目になり、日々悪戦苦闘しながら過ごしているが、たびたびこの言葉に救われている。

配属先での業務がスタートした後、気づけば忙しさの波に飲まれてしまって、心を病みかけた時期がある。でもそれは今思うと、「終わり」の想像がついていなかったが故だと思う。

今のこの忙しさの終わりがいつ来るのか、そこを乗り越えたらどんな生活が待っているのか、数カ月前の私には何も見えていなかった。だから、しんどかった。

今は、その波を乗り越えたからこそ見える景色がわかる。たしかに乗り越えたら、楽だった。繁忙期も、始まってしまえば、終わるだけだった。


今月、あと少しでまたあの忙しい日々が戻ってくる。ここ数週間のように毎週末休みをもらって、好きな人と好きな時間を過ごせる日々はなくなってしまう。でも、いつかは終わりが来るとわかっているし、その時期も予想がついている。

だから、頑張れる。なんとなく、心穏やかでいられる。

こんな風に言いつつも、実際数週間後にはまた辞めたくなってるかもしれない。でも、それもいつか終わりがくる。今の究極のしんどさを知ってしまえば、そこからは上がっていくしかないのだから。

もはやこれは、自分のためのnote。数週間後の私が苦しんだときに、これを読み返してなんとか耐えてほしい。しんどい時は甘いものだってたくさん食べていいし、自分を甘やかしてあげていいからね。自分にご褒美をあげるための資金は、今の元気な私が節約してちゃんと残しておくからね。

始まってしまえば、終わるだけ。
出来ることから、少しずつ。
無理なくほどほどに、生きていこうね。


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