"RPGにおける「属性」の存在意義"は他にあるかもしれない

饗庭淵さんが面白い属性の話をしていたので、ちょっとこの話をしてみようかなと。矜持もへったくれもない便乗投稿です。

RPGを長年遊んでますが、実際に属性を上手く扱えているゲームはそこまで多くない印象があります。「とりあえず用意しました」というケースは多く、使う分ける必要がほとんどなかった、ただのにぎやかしの一種な場合もあります。

「戦術性」は薄く、事前準備の「戦略性」やボリュームのためのものであるというのは同意です。使い分け自体駆け引きにはなりづらく、それを知っていた時の喜びを与えるためなのが主な役割だと思います。
(ポケモンは例外で、場に出せるポケモン数と技の枠数が決まっているため、属性の駆け引きが生まれるゲームだと思います)

個人的にもうひとつ属性の存在意義だと思うのは、敵をプレイヤーの記憶に残す「印象づけ」の役割です。

自分が属性を初めて意識したのが、初めてプレイした大作RPG『FINAL FANTASY VIII』でした。SeeD試験からの帰還中、主人公のスコール達を追いかけて来るクモ型の兵器「X-ATM092」。時間制限の中この兵器を止めるために、弱点であるサンダーを連発したことを思い出します。

逆に魔女のボスイデアは多種多様な属性魔法を使ってきて、「こいつは一筋縄ではいかないぞ」と思わせてきました。(ボス側の使い分け自体に、大した意味はないのですが)

いち早くグラフィックを売りにしてきたFFシリーズは、敵の見た目と属性を絡めるのが上手い印象がありました。FFVの古代図書館のビブロスなんて分かりやすいですね。本だから燃える。なるほどと思います。サガシリーズのバトルデザインをした小泉今日治氏は、上がってきたグラフィックに合わせて敵の特性を設定したとも聞きます。

理由に筋道が通っていると印象は深まります。大したことのない道中のザコ敵でさえ、「あ、そういえばこの敵は◯◯が弱点だったな~」と、何年か後でも思い出すことがあります。些細なことかもしれませんが、RPGはプレイヤーが挑む世界での体験の蓄積であり、その世界をより身近に感じるための鍵のひとつでもあると思うのです。

ただし先程書いたとおり、印象づけの面からしても属性を上手く扱えている作品は少ないと思います。「え?なんでこいつ氷属性が弱点なの?」と属性とモンスターの印象がちぐはぐなこともありますし、ただ闇雲に弱点耐性を増やすと対応が面倒くさいゲームになってしまいます。どう用意するかは結局コンセプトと設定する人のさじ加減なのでしょう。

ちなみに自分が一番好きな属性は、フリーゲーム『ネフェシエル』の武器属性であるですね。文字通り神格の敵に大ダメージを与えられるので、厨二心が刺激されます。シナリオ的な役割とも合致していますし、ひとつの好例であるとも言えますね。

それでは。


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