見出し画像

2021年のはじめに

2020年
新たな感染症により、時が止まったような1年だった。
でも、私が働くクリニックではお産があり、新たないのちが産まれていく。
そこだけが変わらなかった。

だけど、お母さんたちの中には、家族が誰も立ち会うことができないお産をし、無事に産まれてほっとすると同時に、言葉にならない傷を負った人もいたと思う。

「とにかく無事に産まれて良かった。」

それは確かにそうだけれど、自分意外の誰かに言われたり、無言の圧力で誰かに言わされてた言葉でもあったと思う。

2021年も、変わらず新たないのちは産まれていく。
お産という母と子の大切な時間は、いのちが循環するこの世界の中で、最もあたたかく、最も安全でなければいけないと思う。
そうでなければ、いのちは続いていけないから。

いのちはからだとこころとたましいだ。
からださえ良ければ良いわけではない。

たましいが傷つくお産がないように、助産師はそばに居る。
もし傷ついてしまったら、その傷に優しく手を当ててくれる人が必ず居る。
それは助産師かもしれない。

誰かの言葉じゃなく、自分の言葉で、「辛かった」「さみしかった」「死ぬほど痛かったよ」「誰かそばに居てほしかった」「思うようなお産じゃなかった」...「いま、私はかなしい」「かなしかったよ」って言える場所をつくりたい。

それと同時に、これからも生まれてこられなかったいのちとも向き合っていきたい。
グリーフケア、ペリネイタルロスの勉強も道半ば。
お空にかえった赤ちゃんと、そのお母さんたちも大切だから。
亡くなった赤ちゃんとお母さんとの時間は私にとって忘れられない時間です。
そこで感じた助産師としての気持ちを、少しずつ伝えて行けたらいいなと思っています。


2021年のはじめに

#助産師
#看護師
#上智大学グリーフケア研究所認定臨床傾聴士
#midwife
#グリーフケア
#ペリネイタルロス
#バースレビュー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?