心地よい放ったらかし【夫婦のこと】
年に数度、リビングで寝てしまう。大抵はお酒が入っています。普段は夕食前にお風呂に入るので眠たくなれば歯だけ磨いてベッドに入るのですが、外で呑んだ時、人を招いた時、何となくお風呂の気乗りがせず吞み始めた時、ついついそのまま寝てしまうのです。
「風邪を引くからベッドで寝たら?」と妻は言ってました。でも私が拒みます。洗い流してない体でベッドに入るのがどうしても嫌なのです。酒飲んで寝るほどズボラなのに妙なとこだけ拘る潔癖。ベッドを汚すくらいなら風邪を引いた方がマシなんです。「そんなに汚れてもいないでしょ?」と妻は言ってくれてました。でも、やっぱり嫌なんです。だけど風呂にも入れない。心地よさはそっちのけでベッドの清潔だけは守りたい。あとはただただ眠いのです。
先日も寝てしまいました。お風呂の気乗りがせず呑み始めたパターンです。妻はもう何も言いません。色々知っているからです。妙な拘りがあること、寝たら起きないこと、そして意外に風邪を引かないこと。だから私が望むままに放っておいてくれます。自分は淡々とやることを済まして歯を磨いたらベッドへと消えて行く。
でも、私を横切るたびに毛布の足元だけは直してくれる。寝返りを打ってもまた横切る時にそこだけ直してくれる。ベッドに行く前には自分が羽織っていたパーカーを脱いで足元に掛けて去って行く。何も言わないけれど、放っておいてくれるけど、心配してない訳じゃない。その優しさの心地よさで私はリビングでの浅い眠りを楽しんでいる。
迎える朝はやっぱり寒い。そして体も痛い。でも起きたらまず自分に掛かっていたものを拾い集めて、リセッシュするか洗濯機を回す。これは潔癖だけでなく感謝です。
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