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心と身体は別物【日々のこと】

昨日、美容院に行っていた妻が布屋に寄って帰ってきた。ちょうどトイレに籠っていた私がリビングに戻ると、髪をさっぱりと短くした妻がテーブルの上に布を並べて笑顔で座っていました。

「思ったよりも髪を切られ過ぎちゃった。」

という話から始まり、買った布の説明、お目当ての布が無くなっていたこと、レジでの間違い、美容師の切り方に戻って、客の込み具合と話が止まらない。途中でイスから立ち上がっては、より近づいて来て話を続けます。その勢いと圧力に思わず笑ってしまう私。

「なにを、笑ってるのよー。」

聞いてはくるが初めてのことではない。わりとよくある光景。とにかく布屋での買い物が楽しかったことが原因。テンションが上がり過ぎて、いつもの五割増し。じっとしておられず、絶えず動いてはずっと話し掛けてきます。

恥ずかしげもなくバカげたことをという批判を浴びることは百も承知で書きますが、妻のこの状態を見ると私はいつも幼き頃の姪の姿を思い出してしまいます。有難いことに懐いてくれていた姉の娘。盆や正月に会うと隣に座って来ては、堰を切ったかのように話し掛けてきました。

「あのねー、がっこうでねー・・・」

次第に汗ばむほどに小鼻をぷっくりと膨らまして「あのね、あのね」と話し続けている。のんびり聞くから慌てなくてもと思う私をよそに時間を惜しむかのように次から次へと話しを繰り出してきます。ずっと笑って「キャッキャ」言いつつ。

そんな姪の姿とダブるのです、いい歳をした妻が。年齢こそ違えど無邪気なことには変わりがない。夢中で話しているのも同じ。話があっちこっちへ行くのも同じ。話し疲れたら昼寝するところまでそっくりです。

「アァッアァ…」

急に悶えて妻が起きた、足がつったそうです。水を注いで来ては水分を摂らせながら思う。ここだけが姪とは大きく違うんだよなぁ…

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